中学受験の主要4教科のうち、どの教科に一番学習時間をかけていらっしゃるでしょうか?おそらく、中学受験特有の算数、とおっしゃる方が最も多いのではないかと思います。中学受験の算数は、学校で学ぶ算数より範囲も広く、独特の特殊算や比の考え方を多用するなど、受験用の勉強が特に必要な教科です。
塾で習う内容も一度ではなかなか理解しづらく、家庭学習をするときにもかなりの学習時間を取られることが多いでしょう。また、答えが一つであることが多いため、正解するか不正解になるかがはっきりしているので、点数が一番気になってしまう教科でもあります。そのため、中学受験をするなら「まずは算数を!」と考え、時間をかけるご家庭が多いのではないでしょうか。
反対に、一番学習時間をとっていないのはどの教科でしょうか?一つは「国語」だと思います。使っていることばだから、なんとかなる・・・そう思って後回しにされる受験生のご家庭が非常に多く、また、読解にもルールがあるにもかかわらず、ただ問題文を読んで設問に答えれば何とかなる、と思われがちです。
ただし、算数同様、宿普段題の量も多く、塾で学習時間をある程度確保されていること、そして総合力が問われ、すべての教科の基本となるため、なんとかして時間を捻出しようとされているご家庭が多いのではないかと思います。
では、理科・社会はどうでしょうか。理科は暗記しなければいけない事項も多いですが、計算問題も多く出題されるため、「難しい教科だから遅れないようにしないと」と意識されることが比較的ある教科と言えるのではないでしょうか。そして、難関校では、実験観察を中心に、計算問題が多く出題されるので、算数と同様にそれなりの時間をかけて学習しなければ攻略できない、とお考えになるご家庭が多い教科です。
残るは「社会」です。皆さんは、社会という教科にどのようなイメージを持っておられるでしょうか?
よく保護者の方も受験生の方も、「社会は暗記科目だから」とおっしゃいます。だから、テキストを丸暗記すれば受験の社会は大丈夫、なんとかなる、という考えを持っていらっしゃる方が非常に多いです。
たしかに、社会では緯度や軽度のところなどでたまに計算が出ることはありますが数は多くありません。やはり知識がものをいう教科であるということはそのとおりだといえるでしょう。しかし、ただ暗記すれば入試で高得点がとれるかというと、そうではないのが社会の怖さでもあるのです。
そこに気づかずに、ただ塾で「何ページから何ページまで覚えて来なさい」と言われたところを丸暗記する勉強を続けても、今後成績を上げていくのは非常に難しいですし、なにより入試に対応できる力をつけることはできません。
ですが、中学受験の教科の中で「最後に追い込めばなんとかなる」「普段の学習では優先順位は低い」「ひたすら暗記すれば点数が取れる」と誤解されやすく、勉強時間もしっかりとらないで、入試直前に詰め込もうとして時間切れ、そうなってしまっては非常にもったいない科目です。
今回は、中学受験の社会を学習するうえで気をつけるべき点と、近年の入試問題の傾向をお伝えしたいと思います。社会はただの暗記科目ではありません。ぜひそのことを意識して勉強方法を考えてみていただきたいと思います。
中学入試の社会の問題は変化している
中学受験の社会は、大きく分けて「地理」「歴史」「公民(政治、経済、国際社会など」の3つの分野から出題されます。4年生から5年生の前半にかけて地理を、5年生の後半に歴史を、6年生の前半に公民を学習するカリキュラムの塾が多いですが、大手の塾では、6年生になる前に全分野の学習を一通り終えていることもあります。現在受験学年の方は、公民の最後を勉強しているか、すでに入試問題を解き始めるなどしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
社会はどうしても「覚えればいい」と思われがちな教科です。塾でも「覚えればなんとかなる」といわれる、ということはよくあります。しかし、中学受験の社会で出題される内容は年々高度になってきています。
特に近年、難関校の入試では、長いリード文が最初にあり、それを読み解いてから各設問に答えていく問題や、1つの大問の中に複数の分野の内容が含まれており、設問ごとに頭を切り替えながら解き進んでいくようなタイプの問題が増えています。つまり、「高度化」しているのです。
このような入試問題に対応するためには、当然「正確な知識」を理解し、覚えていることが前提条件になります。正確な各分野の知識があってこそ、融合問題などにも対応することができるのです。
ただし、1対1対応の知識だけでは歯が立たない問題も多いので、「ただ覚えれば良い」という考えから抜け出せないと、「この知識はどういうことなのか」「どういうときに使うことができる知識なのか」ということを意識せずに、ひたすら暗記だけするような勉強をしていても、成績は上がりませんし、模試や入試問題にも対処することは難しいのが、近年の中学受験の社会の現状です。
塾での社会の学習の現状は?
4教科の中でも、社会は最も家庭学習の量が多い教科と言えるかもしれません。算数などと異なり、学年が上がるごとに何度も繰り返し同じ単元を学習するということをしていかないのも社会のカリキュラムの特徴です。たとえば、4年生から5年生の初めにかけて地理を勉強しますが、その先のカリキュラムに入り、歴史を勉強しているときは意識して小テストが行われたり家庭学習用の課題に地理が出ていないと、1年以上前に習った内容はすっかり頭から抜けてしまいます。
さらに、6年生になると公民分野の学習が始まります。公民分野は範囲が広く、憲法や政治、経済、国際関係など、小学生からするとなじみのない内容が多くを占めます。大人でも憲法や政治、経済の仕組みなどについては抽象的でなかなか理解できない、仕組みを知らないということが多いのではないでしょうか。ましてや小学生にとってはどうでしょう。日常に密接に関係していることではあるものの、その抽象性から、なかなか一度で理解しなさい、というのは難しい話です。
国際関係も、世界中の国の名前や、大統領や首相などの元首の名前、世界地図でその国がどこにあるのか、など、比較的テレビや新聞のニュースで見たり聞いたりしていても、数の多さに内容を整理して理解することが難しいの現状です。そして、公民を勉強している頃には、地理はもちろん、歴史についても忘れてしまっている、という受験生が非常に多いです。
中学受験の社会のカリキュラムはこのように範囲が広く、前に戻って反復学習する時間がないほどです。塾によっては歴史を学習しているときに地理の小テストをしたり、公民を学習しているときに歴史や地理の小テストをするなど、「忘れない」ように、また反復するようにしているところもありますが、実際にその小テストの分まで毎週学習しきれないことがほとんどでしょう。
塾の社会の授業は「説明だけ」がほとんど
塾での社会のカリキュラムはこのように非常に広く、また反復はあまりされないのが現状ですが、授業の内容はどうなっているのでしょうか。筆者は大手塾で社会を教えていましたが、1回の授業で1単元進めなければいけない(歴史ならば1回の授業で1つの時代についての解説を一通り終えなければならない)というのが当然のカリキュラムとなっていました。
塾の社会のカリキュラム上、それはしかたないことではありますが、その単元の解説でほぼ授業時間を使わなければならないほど内容が多いので、実際に習った内容を問題演習をするということは授業時間中にはできないのが現状です。
これはどの大手塾でも同じことがいえるのですが、授業中に単元のほかに問題を扱うことができるとしても、よくて最重要問題を数問がいいところです。少し時間をとって生徒さんに考えさせ、答え合わせをして解説までできればよい方というのが現実です。算数や国語に比べて社会の1回の授業時間が短いということも影響しているかもしれません。
そうすると、単元の知識についての解説は授業で習うことができたとしても、テキストにある問題は、必然的に家庭学習に回されることになるわけです。基本問題から応用問題、発展問題までさまざまな問題がありますが、授業中に扱えるのはほんの少しです。しかも、クラスによって扱う問題も変えざるをえません。1回の解説での生徒さんの理解度がクラスによって異なるからです。
塾の社会のテキストをご覧になっていただければわかると思いますが、その中にある問題数は非常に多いです。メインテキストにそれほど問題が入っていなくても、副教材の宿題用のテキストの問題をその単元分すべて家庭学習でやってくるように、という塾も多いのが現状です。トータルで見ると、やはりかなりの量の宿題が毎週のように出されます。
たとえば、サピックスのプリントに載っている問題数は非常に多いです。中には記述問題も含まれています。また、四谷大塚系の塾(四谷大塚、早稲田アカデミーなど)では、予習シリーズにはそれほど問題は多く収録されていませんが、サブノートや演習問題集、早稲田アカデミーはさらにWベーシック(中身は栄光ゼミナールの新演習)もテキストとして指定されています。
クラスによってはどれをメインテキストにするかが異なることもありますが、予習シリーズが、カラー写真や地図、グラフなどの資料が豊富なので、解説にも適していますし、宿題をするときにも参考にすることが多くなるでしょう。
また、塾によっては知識をまとめたテキスト自体が、受験に必要な知識を網羅しているとは言えないことがあります。知識が網羅されていないけれども、どこかで調べてきて宿題の問題を解きなさい、というのは非常に乱暴な話なのですが、「それはあとで解説するから」ということにして、テキストと習うべきことがらが一致しないこともあるので注意が必要です。
しかし、1回解説を聞いたからといって、そのまますべての問題を解けるようにはなりません。限られた時間の中で、テキストの該当回の部分を説明してもらっても、授業中にすべて理解することは難しいですから、よほど理解力、記憶力に優れていない限り、当然家庭学習でその回の内容をもう一度最初から読み直すことから始める必要があります。
授業で理解できてきた部分はよいですが、読み進んでいくうちに、「これは解説してもらっていない内容だ」「この部分は読んでもよく意味が分からない」ということが出てきます。
知識を正確に「理解する」ことが何よりも大切
そうすると、その回に出てくる知識の中にも、「正確に理解できているもの」と「理解があやふやなもの」「習っては来たけど記憶にないもの」など、理解度の差が出てくることになります。知識の量や正確さに差があると、まずは自分が理解していない知識を正確に理解し、覚えることから始めなければいけません。
すべての知識が理解できていれば、そのまま問題演習に入ることができますが、知識にムラがある状態では、問題演習をしてもその問題の解答となる知識が出てこないので、1問解くにも時間がかかります。
しかし、社会の場合は、「知識の正確な理解」が解答に直結する部分が非常に多い教科です。っもちろん現場で考える問題もありますが、「知っているかどうか」がものをいう教科です。知っていなければ答えられない問題がほとんどと言ってもよいでしょう。知らないことが多ければ、その知識を問われている問題はいくら考えても正解できません。かえって長い時間をかけてしまうことになり、家庭学習の時間をむだにしてしまうことになってしまいます。
知識は理解したら「整理」することが重要
ただし、ただ知識量があればいいというわけではありません。理解し、覚えた知識を整理し、必要なときに的確に取り出せるようにしなければ、せっかく覚えた知識を使って問題を解くことができません。
イメージとしては、頭の中に引き出しを分野ごとに作り、そこに知識を入れていく感じです。ただ1つ1つの知識をつめこんでいくのではなく、関連性のある知識をひとかたまりにして理解し、覚えていくのです。
たとえば、平安時代→摂関政治→藤原氏→天皇との関係→朝廷の内部→紫式部・清少納言→源氏物語・枕草子→かな文字の発達→国風文化、といったように、関連するキーワードをかたまりで理解し、覚えていくと、その中の知識の意味を問うような問題が出題されたときも、関連した知識を思い出すことができます。
特に、大問1つのなかでさまざまな知識を問うような問題や、記述問題のときには、この「知識の関連性」が非常に重要です。
社会の学習=暗記だけ、と思っていると思わぬところで足をすくわれます。テキストによっては1問1答形式になっているものもあり、テスト前に知識をつめこんだりするのに使われることがありますが、それはあくまで、「正確な知識」を確認するために使うものであって、答えだけ覚えてわかった気になっても、いざテストや模試で問題を解こうとしても対応することができません。
大切なのは知識の理解と整理です。それも、テキストを目に焼き付けて覚えた気になってもできるようになったとはいえません。わかったと思っても、実際に問題で出題されたときに知識を使いこなせるようになっていなければ、「できる」レベルには到達していません。
社会の成績が上がらない理由は?
時間をかけてテキストを読んで、知識を暗記しているはずなのに、なぜかテストで点数がとれないと思うことはないでしょうか?
これまで、中学受験の社会の傾向や、塾での学習の内容、家庭学習の進め方を通して、社会の勉強をするうえで必要なことについてお伝えしてきました。ここからは、社会の成績がなかなか上がらないと思っていらっしゃる受験生と保護者の方に、ケース別・社会が苦手になる理由とその克服方法について書いていきたいと思います。
「社会は暗記だけ」と思っている
先ほども書いたように、社会はどうしても4教科の中で、「暗記さえすればなんとかなる」と思われがちです。もちろん、暗記は必要です。人名や地名など、固有名詞がたくさん出てきますし、時代ごとのつながりや地域ごとの特徴なども、そもそも覚えないと問題が解けないことはたしかです。
ですが、多くの受験生は、算数や国語などに比べて社会を後回しにしがちです。塾の授業回数も算数や国語に比べて少ないということも影響するかもしれませんが、宿題をやって提出するまでの期間が他の科目より長いので、つい後回しにしてしまうのです。
人間の記憶は覚えた端から忘れて行く、といわれるように、一度習ったことをずっと覚えておくことはなかなかできません。塾で習ってきた内容は、できるだけ間をおかずに一度は理解できているかどうか確認しておかないと、数日たつと忘れてしまうことがほとんどです。
宿題を後回しにするということは、次の授業の直前に前回やった範囲の問題を解くということになりますが、直前まで何も前回の復習をしていなければ、1週間後にはほぼ塾で習ってきた内容は忘れてしまいます。
また、「社会は暗記科目だから来週の授業の前に全部覚えればいいや」という意識も働きがちです。暗記を軽視してしまう傾向は、受験生にも、保護者の方にも多く見られます。そのため後回しにされやすいのですが、時間がたって忘れてしまった知識を思い出そうとしてもできないので、もう一度最初からテキストを読んで覚え直さなければならなくなります。
そうするとますます、「暗記は苦手、つまらない」「暗記しようとしても問題を解くとできない」「他の科目で宿題がたくさんあるからあとでやろう」「ますますわからなくなった」というように、さらに社会から遠ざかってしまい、テスト前などにまとめて覚えようとして覚えきれずに点数がとれない、という悪循環におちいってしまいます。
また、もし塾で習ってきて比較的早いうちに宿題に取り組んでいても、どうしても「作業」になりがちなのも、社会は暗記だけすればいいと思う原因の一つになっています。塾のテキストの問題とテストや模試の問題には差があるな、とお感じになったことはないでしょうか。塾のテキストの問題は宿題として出され、取り組むわけですが、多くは固有名詞を覚えたり、地名を覚えたり、産業ごとのグラフを覚えたり、というように、まず「覚える」ということが必要になります。
ですが、この「覚える」という意味は、先ほども説明したように、ただ丸暗記すればいいというものではありません。時代や地域など、「横のつながり」や、時系列の流れなどを理解しないと、その場限りの知識として、覚えたつもりになってしまい、すぐに忘れてしまいます。
そのため、社会では「覚える」ということは、その知識が何につながる知識なのか、という意識をもって理解することと言えます。そして、その知識が定着して忘れないようにするためには、ただやみくもに丸暗記しても効果は低いです。理解し、整理し、定着するまで繰り返すことが必要なのです。けっして「この1つの知識を丸暗記すればいい」というわけではないのです。
以前、塾のテストで、「日露戦争のときに、反戦の詩をつくった女性の名前を書きなさい」という問題が出題されたことがあります。答えは「与謝野晶子」なのですが、中には「小野妹子」という珍解答がありました。小野妹子はそもそも女性ではありませんし、遣隋使として派遣された役人ですから、活躍した時代も全く違います。ですが、「女性」「戦争」といった問題をみて、自分が知っている「子」がついた名前で、それらしいものを思い出そうとして記憶をたどったところ、全く違う人名に行き着いてしまったというケースです。
このような答えが出てくるということは、「社会は丸暗記すればなんとかなる」という意識の表れです。どの時代に生きた人なのか、何をした人なのか、なぜそのような行動をしたのか、後世にどのような影響を与えたのか、ということまで理解できていなければ、正しい知識を身につけたとは言えず、結果としてテストや模試で点数が取れない原因になってしまうのです。
また、最近では、よく交通網に関する問題が出題されます。新幹線の開通している距離が近年飛躍的にのびたことも関係しているでしょうが、日本全体の地図を出した上で、全国の新幹線の経路や、始点・終点の地名、どこで分岐しているか、さらにその地域の特徴は、と言ったような問題が増えています。このような問題が出てきたときに、単に地名だけ覚えていても全く歯が立たないですよね。
地図帳で確認し、どこで分岐して違う路線になるのか、どの県を通っているのか、その県がある地方の気候の特徴や特産物、産業など、関連することがたくさんある、という意識をもって覚えていかないと、塾のテキストの知識確認の問題はできたとしても、テストで点数を取ることはできません。
また、地理分野の中では、時差や気候に関して、簡単な計算問題が出ることがありますが、緯度や軽度などの基本的な知識を「理解」していないと、少し場所を変えられるともう答えられなってしまう、というケースもよくあります。
覚えること自体は少ないのですが、実際に問題を解くときに「使いこなすことができていない」状態になっているのです。これは算数でもよくあることですね。ある問題は解けても、解法を理解していないので、数値を変えられるととたんに、同じ問題なのに答えられなくなるという経験をされたことがあるのではないかと思いますが、それと同じ状態ということです。
まずは、お子さんも、そして保護者の方も、「社会は丸暗記科目ではない」ことを今一度理解する必要があります。そして、社会の暗記はどのような意味を持つのか、知識を理解するためにはどうしたら良いのか、さらにはそれを整理したりかけるようになるためにはどのようにしたら良いのか、きちんと対策法を練らないと、いくら他の科目で点数がとれていたとしても、「暗記すればなんとかなると思っていた」社会に足をすくわれます。覚えたはずなのに出てこないのでは、覚えたことにはなりません。
社会を勉強する時間が確保できていない
最初にも書いたように、おそらく社会は一番受験生が時間をかけない教科です。そこには、先ほども書いたような、「社会は丸暗記科目」という意識がはたらき、テスト前に集中して覚えればなんとか点数がとれるだろうという誤った考え方が影響しています。そのような意識で勉強しようとしても、頭に知識は入ってきませんし、知識と知識の間のつながりを理解することもできません。ですから、直前の丸暗記に頼ることは非常に危険なことです。
なぜそのような勉強の仕方になってしまうかというと、算数や国語で手がいっぱいで、社会まで手が回らない、という状態になっているということが一番に挙げられるでしょう。暗記をするにも、しっかり定着させるためには理解し、繰り返す必要があるので、ある程度の時間を確保しなければなりません。
しかし、他の科目の宿題をするので手がいっぱいで、テスト前にほんの少し暗記する時間をとっても効果は上がりません。むしろ、忘れてしまっていることが多くなりすぎて、時間がかかり、テスト前に全体を見直すことができなかったということの方が多くなっています。
社会もやらなければならないとわかっていても、他の科目の影響で手が回らないのであれば、意識的に勉強時間を確保することが必要です。塾で社会を教わる時間は限られていますから、社会の学習は家庭学習でおこなうことがメインになります。その中で社会の勉強時間が確保できていないということは、1週間の学習スケジュールが定まっていないということもできます。
行き当たりばったりでその日にやる教科を決め、あれもやらなければ、これもやらなければ、というように計画立てていないため、時間を使っている割に効果が上がらず、成績も上がらないということが目に見える形でわかってきます。今後もっと時間がたってしまうと、もはややるべきことが把握できなくなってしまいかねません。
そこで、社会の勉強時間を確保し、その時間の使い方を見直すことが必要になってきます。ある程度の勉強時間を確保することによって、社会に対する苦手意識を減らし、知識の覚え方のコツもわかってくるようになります。1週間のうち何日かは、ある程度まとまった学習時間を確保する必要があると思います。それは、知識を理解し、わからないところはテキストや解説を読んで確認し、覚えたと思ったことが問題を解いたときにできるようになっているかどうか試すための時間です。
そのようなかたまりの時間はあまり何日も取れないでしょう。他の科目とのバランスも考える必要があります。ですが、「覚える」時間はどうしても確保しなければなりません。社会は、比較的細切れの時間を利用しやすい教科です。
もちろん、記述問題などに取り組む場合は、1問にかける時間がそれなりに必要なので、細切れの時間を利用して、というわけにはいきません。算数や国語でも、時間のかかる応用問題や、記述問題に取り組むときは、ある程度長い時間を確保してから始めると思います。
ですが、計算問題や漢字の練習は、皆さん日々少しずつ時間をとってやっていると思います。それと同じように、1日に1回、時間は30分程度でかまいませんので、範囲を決めて集中してテキストを読み、理解している知識と理解できていない知識を仕分ける時間を確保することをオススメします。
社会の勉強にかける時間を見直すということは、学習計画や習慣を見直すことでもあります。お子さんに任せきりにするのは危険なので、できる限り保護者の方も時間をとって、以下のような点に気をつけてあげてください。
- 机に座っているだけで、手が止まっていないか
- ただテキストをながめているだけで、声に出したり書いたりして覚えようとしていない
- 1つの知識を覚えるのに時間をかけすぎていないか
- 1問解くのに時間をかけすぎていないか
- 覚える必要がない細かすぎることまで覚えようとして力の入れどころを間違っていないか
- 難しすぎる問題に延々と時間をかけてしまい、基本的な問題や知識の整理ができなくなっていないか
これらは、他の科目にも言えることですが、特に社会では、お子さんがおちいりやすい勉強方法の落とし穴といえるものです。
せっかく家庭学習の時間を確保したのに、それをダラダラと使ったり、的外れなことをやっていては非常にもったいないことです。ぜひ、ご家庭で、今お子さんはどのように勉強しているのか、やっている勉強が本当に今、お子さんにとって必要なことなのかどうかを確認してあげることが大切です。
社会は、対話することで理解度を測ることができます。本当に理解できているかどうか、定着できているかどうかは、質問をしたときの答え方でよくわかります。できるだけ親御さんにそのような時間をとっていただきたいですが、もしお仕事などで難しい場合は、個別指導や家庭教師など、1対1で理解度をチェックする第三者をうまく活用することも必要です。
集団塾では、理解度までは見てくれません。せいぜいが、テストの点数で「できている」「できていない」と判断されるだけです。テストの点数が取れていても、実はあることばや出来事の意味を全く理解していないというお子さんもいらっしゃいます。それは成績上位生でも同じです。少しでも理解に不安があるところがある場合は、夏休みに入る前に確認し、洗い出しておきましょう。
好きな分野ばかり勉強して、苦手な分野ができてしまう
これも非常によくあるご相談なのですが、お子さんが、いくら言っても自分の好きな分野しか勉強しないで、テストで点数を取れていない明らかな苦手分野や穴になっているところを勉強しようとしないということが非常に多いのも社会の特徴です。
社会は地理、歴史、公民に分かれていますが、一部の学校をのぞいて、だいたい地理:歴史:公民の中学入試での出題割合(配点割合)は、4:4:2が目安です。
個人差はありますが、歴史は好きだけれど、地理は苦手、あるいは公民はそれ自体勉強してもわからないから放置する、というケースが多く見られます。ですが、当然のことながら、好きな分野だけ勉強していてもテストの点数は上がりませんし、入試の出題割合や配点割合を見ても、偏った分野だけ勉強していては合格できないのが現実問題です。
どの教科でも、好きな・得意な分野や単元、逆に嫌い・苦手・不得意という分野や単元はあるものです。ですが、他の教科では苦手や嫌いなところは「捨てる」という発想は持たないのではないでしょうか。
どうしても社会の場合、教科の重要性があまり認識されていないために、「なんのために歴史なんて昔のことを勉強しないといけないの」「住んでるところ以外のことなんて興味ない」「選挙権ないのに選挙のこと知ってどうするの」など、いろいろな理由をつけて苦手・不得意なところを放置しがちです。
ですが、社会は文字通り、成長するにつれてその内容の重要性に気づく教科でもあるので、小学生が興味を持つことができない分野や単元がある程度は出てきてしまうのもやむを得ないところがあります。その場合は、やはり保護者の方や塾の先生、家庭教師の先生などと対話をして、わかりやすく整理できると、だんだん苦手で敬遠していた穴の部分が埋まってきます。どれだけお子さんの興味を引き出してあげられるかが成績をあげる最大のポイントです。
苦手意識のあるところはビジュアルを意識して克服!
とはいえ、苦手な分野をただ「勉強しなさい」と言われても、お子さんの学習意欲は向上しません。そこは大人が工夫してあげることが必要です。ご家庭でできることとしては、地理であれば単に地名を丸暗記するのではなく、地図帳で必ず日本のどの位置にあるところなのかを確認し、その地名に関連することをクイズ形式で聞いていって知識を発展させてあげるという方法があります。
地図帳の中には、大判で、地名の横に特産物の絵が書いてあったり、路線図が書いてあったり、子どもの興味をひくように作られているものがありますから、ぜひ地理の勉強をするときは必ず地図帳を横に置いて、地名が出てきて少しでも怪しかったらすぐに調べる習慣をつけるよう、お子さんと一緒にやってみて、勉強のしかたを見せてあげることも大切です。
その他、白地図を使ってそこにテーマごとに重要事項をまとめていって、オリジナルの地図を作るという方法もオススメです。社会の学習にはビジュアル化が一つのキーワードです。ただ字面を追うだけだと面白くないのは当然なので、手を動かすならそのような形で、ビジュアルで見えるものを作っていく、という方法で、苦手意識を少なくしてあげることは十分可能です。
歴史であれば図や絵、写真が多い資料集を手元に置いて学習するとよいでしょう。人名を覚えるときも、ただ「伊東博文」と漢字だけ覚えるのと、顔写真とセットで覚えるのでは、記憶への残り方が全く違います。
公民は、そもそも抽象的な分野なので、なかなか良い定番の資料集などは見つかりにくいのですが、図を描いて説明してあげると頭に残りやすくなります。「三権分立」などはまさにそうです。字だけ見てもなんのことやらわからないかもしれませんが、図を一緒に描いて、三権の関係をやじるしで書き込んでいくと、理解が深まり、テストでも間違えにくくなります。
漢字指定に対応できていない
これは国語の漢字の学習量とも関わってきます。以前は、ひらがなで書いてあっても正解にしてくれたものもありましたが、近年の入試問題、模試では漢字指定が非常に増えています。特に固有名詞は漢字指定が当然、という傾向にあります。これにはいろいろな意味がありますが、人名や地名、できごとは正しく覚えようということ以外にも、「差がつく」ので漢字指定が増えてきている傾向が見られます。
誰でも自分の氏名の漢字を間違えられるとあまりよい気分にはなりませんよね。それと同じです。歴史上の人物の名前も、由来のある土地の名前も、一文字一文字に意味があるということを、漢字でしっかり書くように習慣づけて身につけさせてあげることが必要です。小学校のうちだから、と漢字で書くことを軽視していると、中学、高校に進んでもいつまでも漢字指定に対応できないままになってしまことも多いのです。
「やらなくていい」と思うと漢字指定の問題にはいつまでも対応できない
お子さんは、一度「できないときはこうしてもいいよ」というと、自分の都合のよいように解釈してしまう傾向があります。特に小学生ではその傾向が顕著です。社会の勉強をする中でテキストで漢字で書かれているものを、「とりあえず知らない漢字なら・書けない漢字なら、ひらがなで書いておきなさい」「あとで覚えればいいから」といってしまうと、おそらく過去問演習を始めるまでは少なくとも漢字指定を意識せずにひらがなで書き続けるでしょう。
その方がお子さんにとっても漢字を覚えなくてよいので楽ですし、漢字指定の場合は一文字でも間違えると不正解になってしまうので、0点になるくらいなら、ひらがなで書いておけば不正解にはならないかもしれないと思うからです。それが習慣化すると直すのは非常に困難になってしまいます。
中には組み合わせ方で一見難しそうに見えるものがあるのはたしかですが、例えば人名であれば、資料集の写真や肖像画を見ながら、最初から漢字で書けるようにしておく方が懸命です。地理の地名も同じです。地図帳で確かめて、最初は見ながらでもよいので、「おそれずに書いてみる」ことから始めてみましょう。
ときどき、漢字とひらがなを混ぜて解答している答案を見かけますが、漢字指定の場合は0点扱いになりますし、漢字指定でなくても、採点者が持つ印象は決して良くはありません。「十分に勉強してきていない」「これでは入学後の授業についていけないのではないか」と思われてしまい、合否のボーダーライン上にいる場合には、そこで差がつくことも少なくないことを知っておいていただきたいと思います。
そういった差をつけられないためにも、ぜひ保護者の方からお子さんに対して「漢字で書けるようにしよう」と声をかけてあげてください。ただし、国語の漢字の練習でもいえることなのですが、漢字を正確に覚えていないと、正確に解答することはできません。社会の問題を解くときも、普段から漢字で書く習慣を身につけておくと、国語の成績にもよい影響があります。
お子さんにすべて任せっきりにしていると、間違えた漢字で覚えて、それを書き続けていつも失点するということになりかねないので、ぜひ保護者の方が、お子さんが社会の勉強をしているときに手を動かしてきちんと書いているか、正しい漢字で書けているかをチェックしてあげてください。
残念ながら、お子さんはたくさんの宿題にアップアップしていることが多いため、少々違うかな?と思っても、任せっきりにしていると、間違っていても〇をつけてできた気になってしまいます。お子さんが自主的に取り組み、自分で計画立てて勉強することはとても望ましいところですが、そこはやはり小学生です。細かいところまでは手は回りませんし、お子さんの自己申告をうのみにするのは考えものです。
ぜひ、大人の目で正確に書けているかどうか確認すべきです。保護者の方がなかなか時間をとれないというときには、一度か二度でも、個別指導か家庭教師の先生にチェックしてもらうことも有効です。お子さんが自分に対して甘い目で許していることを、そういうプロは見逃しません。手元を見続けて、違う字を書いた瞬間に、ほかの知識でも同じことが起こっていないかどうか確認してくれます。
記述問題が書けない
どの教科にも言えることですが、お子さんの「記述」に対する恐怖感は非常に大きいものがあります。自分の考えた道筋を、採点者に対して正確に伝えなければならなくなるということや、そもそもどのように書いたらよいのかわからない、と難しく考えすぎていることも理由の一つです。中には、記述問題が出たとたん、意欲をなくして白紙答案で出してしまうというお子さんも少なくありません。
近年は、社会でも、200字超の長い記述が出題される入試も増えています。そして、配点は公表されていないことが多いですが、やはり1問1答の問題に比べればかなり高い配点となっています。記述だからといって白紙答案で出すくせがついていると、大きな得点差がついてしまいます。記述問題は、一字一句模範解答どおりである必要はありません。
社会の記述問題では、書くべき要素はいくつか決まっており、そこをはずしていないか、文章としてきちんと結論と理由が書かれているか、ということが重視されるのが特徴です。問題文を分析したうえで自分の考えを書きなさい、という高度な問題もありますが、多くは「〇〇となるのはなぜですか」「理由を説明しなさい」「問題点を挙げなさい」といったものが占めます。
ですから、1つでも2つでも求められている要素について書くことができれば、途中点をもらうことができるのです。白紙答案で出してしまうほどもったいないことはありません。
白紙答案で出してしまう場合としては、以下のようなものがあります。
- 設問の意味が分からない
- 設問で聞かれていることは何かを把握しきれていない
- 知識に自信がない
- 長い記述を見ると一文で書かなければならないと思ってしまい、あきらめてしまう
- 書き方自体がわからない
これは、国語の記述問題と共通する部分もありますが、社会の問題の場合、やはり重要になるのは、問題文を正確に読めているかどうかということと、自分の知っているどの知識を使うかということが現場でわかるかどうか、ということです。ただ字数を埋めようと、聞かれていることに答えない答案は、白紙答案と同じなのです。
記述問題は一足飛びにできるようにはならないことを意識しておこう
記述問題は、一朝一夕で書けるようになるものではありません。基本的な問題から段階的に進めていくことが結局は早道です。具体的には、一つの出来事について説明できるかどうか、それを文章で書けるかどうか、というところから始めるのがよいでしょう。
記述に苦手意識を持っているお子さんにとっては、一つのことについて説明するのも骨が折れるかもしれませんが、すべてテキストに書かれていることです。知識が断片的だと、読んだことはあってもきちんと説明することができないので、短い記述問題でも難しく感じるかもしれません。
毎月のテストで高得点をとり、クラスも最上位というお子さんでも油断はできません。以前、サピックスのα1クラス常連のお子さんがいらっしゃいました。4科目比較的まんべんなく得点できていたのですが、あるとき話をしていたところ、「あれ?理解できていないのかも」と思ったことがあったので、「円高ってどういうことをいうの?」「円安ってどういうことをいうの?」と質問してみました。すると、予想どおりではありましたが、円高と円安の意味を反対に覚えていたのです。つまり、用語は知っていましたが、理屈がわかっていなかったのです。
そのような最上位生でもつまずいてしまう社会の記述ですが、では、なぜつまずいてしまうのでしょうか?知識は覚えているはず、それほど長くなければ説明することもできる、でも書けない、そのような受験生が多いのにはいくつか理由があります。その中で最も大きいのは、中学入試やそのための模試は、どの科目も試験時間に比べて非常に問題数が多く、「とにかく最後まで解かないといけない」という意識が先走ってしまうという点ではないかと考えられます。
特に、算数でケアレスミスを頻発するお子さんは、社会でも同じようにケアレスミスを頻発したり、記述問題に抵抗感をお持ちのことが多いです。よく考えずに問題に飛びついてとにかく解き始めないと時間が無くなってしまうという恐怖感に追いかけられている、それが受験生の現状でもあります。
ですから、記述問題に関しては、最終的に志望校の入試問題に合わせて書けるようになれば良いので、テストのたびに「なぜ書いてこなかったの!」「また白紙じゃない!」というような責める姿勢は禁物です。
なぜ書けなかったのかはお子さんなりにいろいろわかっているのです。ですが、怒られるのが怖くて黙ってしまい、せっかく分かった知識の穴を埋めることができずにまた次のテストを受け、同じことを繰り返してしまいます。
重視すべきは「書けなかった」ことより「なぜ」書けなかったのか分析すること
記述問題はどうしても答案が埋められているかということに意識が行ってしまいがちですが、大切なのは、「なぜ書けなかったのか」ということを分析し、知識の理解度を確認することです。もし書く力そのものはあったとしても、社会の場合は知識があやふやだと記述問題に対応することはできません。
出題された問題をもう一度お子さんと一緒に考えてみてください。そして、設問から読み取れる、「求められている答え」は何か、ということを一緒に分析しましょう。これも対話が非常に重要です。記述問題は部分点でもいいから稼ぐべき問題です。ですから、一気通貫に完璧に説明できていなくても今の段階では良しとして上げてください。その代わりに、どこまでは理解していて、どこからが理解できていないのかということをしっかり把握するようにしましょう。
理解できていないところが見つかったら、それを責めるのではなく、「つぶすべき問題点がわかった」と前向きにとらえて、お子さんにも声をかけてあげてください。できれば、その場で、理解できていないところをテキストなどに戻って一緒に確認してあげてください。確認したら、もう一度その部分について質問してみましょう。そこで答えられるようになっていれば、一つ克服できたということになります。
記述問題は、どうしても長い文章を書く、という点に目が行きがちですが、社会の記述に関しては、知識の理解がきちんとできているかを確認する格好の材料です。記述問題を利用して知識の整理をする、くらいの意欲を持って取り組むようにしましょう。知識の理解が進めば、記述問題も少しずつ書けるようになります。まずは、テストなどでわからなかった、できなかった問題を材料にして、どこができていないのかをしっかり把握しましょう。
まとめ
今回は、中学受験の社会について、この時期に受験生のご家庭が直面しがちな課題とその克服方法についてまとめました。今のお子さんの現状にあてはまる点がいくつかあるのではないかと思います。
社会は一番受験生が時間を書けない、軽視されがちな科目ですが、学校の中には算数や国語と同じ配点にしているところもありますし、決して軽視してはいけません。せっかくほかの科目で得点したものを、十分に理解していなかったこと、覚えきれていなかったことによってマイナスにしてしまうのは非常にもったいないことです。そして、直前期にまとめて一気に覚えようとしても中途半端で終わってしまいます。
知識の理解や定着にはある程度時間がかかります。今日わからなかったこと、覚えていなかったことが明日突然できるようになっている、覚えているということはあまりありません。だからこそ、学習時間の確保は非常に重要です。
これから夏休み前にかけて、入試問題を解き始める塾もありますが、今の段階で完璧にできていなくてもかまいません。大切なのは、入試までに間に合うかどうかです。そのために今やるべきことは、抜けている知識を洗い出し、確実に理解し、定着するまで繰り返し覚えることです。
ご家庭でも、少しでもあやふやだな、と思ったところが目についたら、お子さんに「これってどういうこと?」と質問してみてください。理解できていないことがわかったら、それを地道に克服していきましょう。個別指導を利用して、集中的に苦手な分野や単元、勘違いして覚えていることなどを洗い出すことも実は非常に有効です。
夏休みに入ると毎日が講習会で、自分の勉強をする時間を確保することはだんだん難しくなってきます。前のところに戻って総復習をする、というふれこみの夏期講習会が多いですが、内容はほとんどが実戦的な問題演習です。各単元についてていねいに説明してもらうことは期待できません。そのような講習会を効果的なものにするためにも、いまのうちに、お子さんの弱点を把握して、克服しておくことをオススメします。
<関連記事>
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。