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そもそも世界遺産とは?
ユネスコの「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき、ユネスコ世界遺産委員会での審議を経て登録される、一国にとどまらず人類全体にとって貴重なかけがえのない財産のことを世界遺産と言います。世界遺産条約は1972年にユネスコで採択され、2021年7月現在194か国が締結しています。日本も1992年にこの条約を締結しました。
【補足】ユネスコとは?
(国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)
パリに本部があり、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関のことです。
世界遺産について
2021年7月現在、世界遺産は文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件を含む1154件に上ります。今回は日本ではなく、世界の有名な世界遺産、中でもヨーロッパの世界遺産について紹介していきます。
日本の世界遺産については以下の記事を参照ください。
北米・南米の世界遺産
( )内の年は世界遺産に登録された年です。
アメリカ合衆国
イエローストーン国立公園(1978)
アメリカ合衆国、ワイオミング州北西部にあるアメリカ最古で最大の国立公園。面積8981平方キロメートルあり、日本の四国地方の半分くらいの面積にあたります。一定の間隔で4分間ずつ熱湯を噴出するオールド・フェースフルをはじめ約4000に及ぶ間欠泉、温泉、大森林、峡谷、滝、湖等の雄大で美しい景観が広がっています。
グランド・キャニオン国立公園(1979)
アメリカ合衆国のコロラド高原にある峡谷でアメリカで最も人気のある観光地の一つ。長さ350キロ、深さ1600メートル。谷壁には始生代以来の七億年に達する無数の地層が重なり、藻類、植物、恐竜など種々の化石が発見されています。
自由の女神像(1984)
アメリカ合衆国、ニューヨーク湾に浮かぶリバティ島に立つ巨大な女神像。アメリカ合衆国の独立100年に際し、アメリカとフランス両国の変わらぬ友好を記念して1886年フランスから寄贈されました。像の正式の名称は「世界を照らす自由Liberty Enlightening the World」です。像の右手には自由のたいまつを掲げ、左手には1776年7月4日と記した独立宣言書を抱えています。
ハワイ火山国立公園(1987)
ハワイ州ハワイ島の東部にある国立公園。キラウエア山は、1983年の噴火から現在も活動を続けています。
カナダ
ケベック旧市街の歴史地区(1985)
カナダ東部のケベック州の州都ケベックにある「オールド・ケベック」(Old Quebec)と呼ばれる旧市街地。ケベック州は17世紀の初めにフランスの植民地となり、北米唯一の城塞都市として発展してきました。ノートルダム・デ・ビクトワール教会、アングリカン聖堂、ローマ・カトリック大聖堂、ローマ・カトリック神学校などがあり、中世フランスの面影を残す町並みが残っています。
メキシコ
古代都市ウシュマル(1996)
メキシコのユカタン州の州都メリダにある遺跡。5〜6世紀に始まり、8〜10世紀ごろに栄えたマヤ古典期の宗教都市の跡といわれています。壁面に幾何学模様のモザイクや蛇などのモチーフで装飾されるプーク様式が見られるのが特徴です。
サン・ミゲルの要塞都市とヘスス・デ・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地(2008)
サン・ミゲルは、グアナファト州に位置する、16世紀に建設された要塞都市。メキシコ・バロック様式の建物が建てられ、中でもピンク色の砂岩を用いたゴシック様式のサンミゲル教区教会が有名です。
ブラジル
リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス(1999)
クエバ・デ・ラス・マノスは、スペイン語で「手の洞窟」という意味であり、多くの手形(壁に左手を押し当て、その上から赤や黒の顔料をかけたもの)が洞窟壁画として残されています。クエバ・デ・ラス・マノスは1万3000~9500年ほど前に描かれ、手だけでなく、グアナコなどの珍しい壁画も残されています。
バルデス半島(1999)
アルゼンチン南部、パタゴニアの南大西洋に突き出した半島。サン・マティアス湾とヌエボ湾に囲まれ、ゾウアザラシ、ペンギン、シャチなど多くの海洋哺乳類や鳥類が生息しています。
エクアドル
ガラパゴス諸島(1978、2001)
南アメリカ、エクアドルの海岸の西方900キロメートルから1200キロメートルの赤道直下の太平洋上に散らばる諸島。正しくはコロン(Colón)諸島といい、イサベラ島、サンタ・クルス島、フェルナンディナ島、サン・サルバドル島、サン・クリストバル島の5つの大きな島を中心に30の島々と無数の岩礁からなります。
キト市街(1978)
アンデス山脈の高地に位置する、エクアドルの首都キトの中心部。1492年にインカ帝国に統合されたが、1533年スペインが征服し発展しました。サン・フランシスコ修道院や、サント・ドミンゴ教会、ラ・コンパニーア聖堂など多くの聖堂や修道院が残されています。
コロンビア
コロンビアのコーヒー産地の文化的景観(2011)
コロンビア西部にあるアンデス山脈の西側と中央部の麓の7県にまたがる広大なエリアでは、コーヒ―の生産が100年以上続けられています。山の斜面でのコーヒー栽培など環境に適応したコーヒー生産が行われています。
チリ
ラパ・ヌイ国立公園(1995)
南太平洋の東部、チリ領のイースター島にある国立公園。島の名前は、1722年のイースターの日にオランダ人が発見したことに由来しています。巨人石像モアイがあることで知られています。
ブラジル
イグアス国立公園(1984、1986)
ブラジルとアルゼンチンとの国境にある国立公園。イグアス滝を中心としカワウソなどの希少な動物や爬虫類、鳥類が豊富に生息しています。アルゼンチン側は1984年に、ブラジル側は1986年に世界遺産(自然遺産)に登録されました。
中央アマゾン保全地域群(2000、2003)
世界最大の熱帯雨林が広がり、2000年にジャウー国立公園が登録され、2003年にアミラウア保護区とアマナ保護区も追加されました。「黒い川」という名のジャウー川が流れ、デンキウナギやピラルク、アマゾンマナティー、カワイルカ、ジャガーなどその他約120種類の哺乳類が生息しています。
リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観(2012)
ブラジル南東部、リオデジャネイロ州の州都。大西洋に面する港湾都市で、サンパウロの東約 350km、グアナバラ湾南西岸に位置しています。サンパウロに次ぐブラジル第2の大都市で、工業が高度に発達するほか文化も発展し、夏の観光シーズンに開かれるカーニバルは世界的に有名です。
ペルー
マチュ・ピチュの歴史保護区(1983)
ペルー南部、クスコの北西約70kmにあるインカ時代の都市遺跡。ウルバンバ川に近い標高2500mの高地に築かれた計画都市。スペイン人の侵入、破壊を免れたため、インカ都市の構造や建築様式を忠実に伝えてくれる希有な遺跡として世界遺産に登録されました。
ナスカとパルパの地上絵(1994)
ペルーの首都リマの南に位置する都市イカにある、謎の地上絵。紀元後約800年にわたって栄えたナスカ文化時代に描かれています。巨大な絵を残した理由は、いまだ解明されていません。上空からでなければ分からないほどの巨大な絵にはハチドリ・バリワナ・ペリカン・クモ・コンドル・サル・トカゲ・オウム・木・犬・手・宇宙飛行士・クジラ・トライアングル・不等四辺形と、様々な種類の絵が描かれています。