【中学受験】〜社会・地理〜世界遺産って何?日本の世界遺産について知ろう!その1

そもそも世界遺産とは

ユネスコの「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき、ユネスコ世界遺産委員会での審議を経て登録される、一国にとどまらず人類全体にとって貴重なかけがえのない財産のことを世界遺産と言います。世界遺産条約は1972年ユネスコで採択され、2021年7月現在194か国が締結しています。日本も1992年にこの条約を締結しました。 

【補足】ユネスコとは? 

(国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)

パリに本部があり、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関のことです。 

日本の世界遺産について

(注1)「地図中の茶色の丸数字(1、2、5-12、14、16-23、25)は文化遺産、緑色の丸数字(3、4、13、15、24)は自然遺産」
(注2)「明治日本の産業革命遺産」の構成資産は岩手県、静岡県、山口県、福岡県、熊本県、佐賀県、長崎県、鹿児島県に所在

外務省

現在(令和3年7月)日本には25件の世界遺産が登録されています。世界遺産は文化遺産自然遺産複合遺産に分けられます。文化遺産多数の歴史的建造物や都市、重要な考古遺跡、そして記念碑的な彫刻といったものが含まれます。自然遺産は以下の項目に当てはまるものが登録されます。 

  • 地球の生命の記録、またはその地質学的過程の顕著な例を備える
  • 現在も進行する生態学上、生物学上の進化の過程を見せる優れた例を示している 
  • 稀有で独特であり無比であるか、傑出した美しさを特徴とする自然現象を含む
  • 希少または絶滅に瀕している動植物の生息地、あるいは他に例のない生物の多様性を示す場所を備える 

複合遺産は文化遺産と自然遺産双方の要素を備えてるものが含まれます。 

ではそれぞれの世界遺産について紹介していきます。 

(13)〜(25)については「日本の世界遺産について知ろう!その2」を見てください! 

(1)法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)(平成5年):文化遺産 

斑鳩寺とも。南都七大寺の一つ。推古15年(607年)に聖徳太子が開創したと伝えられています。現存する世界最古の木造建築とされています。仏教建造物が世界遺産に登録されているほか、釈迦三尊・薬師如来坐像・阿弥陀如来・百済観音・救世観音立像・玉虫厨子が日本の国宝に登録されています。 

(2)姫路城(兵庫県)(平成5年):文化遺産 

白壁で統一された優美な外観から「白鷺城」という呼び名で呼ばれることも。1331年(元弘1年)の元弘の乱のとき、播磨守護赤松則村が陣を構え、その子である赤松貞範が1346年(正平1・貞和2年)に山城を築いたのが始まりです。豊臣秀吉が毛利氏の攻撃の拠点とした際に本格的築城されました。江戸時代になり、徳川家康が池田輝政に命じて大改修を行い、現在の城郭を築き上げました。 

(3)屋久島(鹿児島県)(平成5年):自然遺産 

鹿児島県大隅諸島に属する島。九州最南端佐多岬の南約60kmに位置しています。樹齢7200年といわれる縄文杉をはじめとした屋久杉、亜熱帯から亜寒帯におよぶ屋久島独自の植物が多数あります。 

(4)白神山地(青森県、秋田県)(平成5年):自然遺産 

青森県南西部から秋田県北西部にまたがる山岳地帯。世界最大級と言われる1万6971haに及ぶブナ原生林が広がり、天然記念物のクマゲラやイヌワシ、特別天然記念物のニホンカモシカなど多くの野生生物が生息しています。 

(5)古都京都の文化財(京都府、滋賀県)(平成6年):文化遺産 

京都府、滋賀県の世界遺産に登録されている文化財は以下の通りです。 

賀茂別雷神社(上賀茂神社)(京都市北区) 
賀茂御祖神社(下鴨神社)(京都市左京区)
教王護国寺(東寺)(京都市南区)
清水寺(京都市東山区)
延暦寺(滋賀県大津市坂本本町・京都市左京区)
醍醐寺(京都市伏見区)
仁和寺(京都市右京区)
平等院(宇治市)
宇治上神社(宇治市)
高山寺(京都市右京区)
西芳寺(苔寺)(京都市西京区)
天龍寺(京都市右京区)
鹿苑寺(金閣寺)(京都市北区)
慈照寺(銀閣寺)(京都市左京区)
龍安寺(京都市右京区) 
本願寺(西本願寺)(京都市下京区) 
二条城(京都市中京区)

京都は平安時代から江戸まで都が置かれ、多くの貴重な文化財が残り、日本の文化を伝えています。仏教の中心仏寺や美しい造園が残る寺などが文化財として登録されているほか、天皇の住まいであった二条城も文化財として登録されています。 

(6)白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)(平成7年):文化遺産 

岐阜県北西部、庄川上流の地域。高山市と白川村にまたがっています。かや葺きの大きな切妻合掌造の民家が残る集落が有名です。 

(7)原爆ドーム(広島県)(平成8年):文化遺産 

1915年(大正4年)に建設された広島県物産陳列館として広島の文化振興の場として大きな役割を担っていました。第二次世界大戦中1945年(昭和20年)8月6日原子爆弾が広島に投下されました。爆心地から北西約160mの至近距離にあった建物は大破・全焼しましたが、広島県物産陳列館は大破しつつも残骸が残り、「原爆ドーム」と呼ばれ被爆地広島と世界平和の象徴としてそのままの形で保存することになりました 

(8)厳島神社(広島県)(平成8年):文化遺産 

広島県廿日市市宮島町に鎮座する平清盛ゆかりの神社。寝殿造の海上社殿で知られ、瀬戸内海に浮かぶ宮島は日本三景の1つとされています。 

(9)古都奈良の文化財(奈良県)(平成10年):文化遺産 

古都奈良の世界遺産に登録されている文化財は奈良県奈良市にある以下の8つの文化財です。 

東大寺
興福寺
春日大社
春日山原始林
元興寺
薬師寺
唐招提寺
平城宮跡

710年(和銅3年)に藤原京から平城京に遷都、以降784年(延暦3年)長岡京に移るまで平城京は都として栄えました。その時代を奈良時代といい、平城京があった奈良市には当時の天平文化の様子が窺える文化財が数多く残っています。 

(10)日光の社寺(栃木県)(平成11年):文化遺産 

日光の社寺とは、日光東照宮日光山輪王寺日光二荒山神社と及びこれらの建造物群をとりまく遺跡からなります。日光東照宮は栃木県日光市山内に鎮座し、祭神は徳川家康です。壮麗な唐門や陽明門や典型的権現造で造られた社殿などが特徴的。 

(11)琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県)(平成12年):文化遺産 

琉球王国のグスク及び関連遺産群に指定されている文化財は以下の通りです。 

今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
座喜味城跡(ざきみじょうあと)
勝連城跡(かつれんじょうあと)
中城城跡(なかぐすくじょうあと)
首里城跡(しゅりじょうあと)
園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
玉陵(たまうどぅん)
識名園(しきなえん)
斎場御嶽(せいふぁうたき)

琉球王国は明治時代になり廃藩置県で沖縄県にかわるまで長きに渡り日本を始め朝鮮半島や中国、東南アジア諸国と貿易などを通じて独自の文化を発展させてきました。「グスク」とは「」のことを指しますが、本州および他地域の城と形状が異なります。石垣で囲われ、規模・性格が日本中世の山城に似ているとされますが、立地場所・規模・構造などは多様です。 

(12)紀伊山地の霊場と参詣道(三重県、奈良県、和歌山県)(平成16年):文化遺産 

紀伊山地には「吉野・大峯」、「熊野三山」、「高野山」の3つの「山岳霊場」があり、そこに至る「参詣道」が生まれました。そのような山岳修行が日本の宗教・文化の発展に影響を及ぼし、霊場と参詣道、そして山の文化的景観が世界でも類を見ない資産となったのです。 

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