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そもそも世界遺産とは?
ユネスコの「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき、ユネスコ世界遺産委員会での審議を経て登録される、一国にとどまらず人類全体にとって貴重なかけがえのない財産のことを世界遺産と言います。世界遺産条約は1972年にユネスコで採択され、2021年7月現在194か国が締結しています。日本も1992年にこの条約を締結しました。
【補足】ユネスコとは?
(国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)
パリに本部があり、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関のことです。
世界遺産について
2021年7月現在、世界遺産は文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件を含む1154件に上ります。今回は日本ではなく、世界の有名な世界遺産、中でもヨーロッパの世界遺産について紹介していきます。
日本の世界遺産については以下の記事を参照ください。
アジアの世界遺産(日本は除く)
( )内の年は世界遺産に登録された年です。
インド
タージ・マハル(1983)
インド北部、ウッタル・プラデシュ州アグラ郊外にあるムガル朝第5代皇帝シャー・ジャハーンの愛妃ムムターズ・マハルの廟墓。タージ・マハルとは「マハルの王冠」を意味します。代表的なインド=イスラム墓廟建築の一つ。
大ヒマラヤ国立公園(2014)
インド北部、ヒマーチャル・プラデーシュ州クッルー県に位置する国立公園。ヒマラヤ山脈西部、標高5000m以上の高山が連なる高峰から、標高1500メートルから6000メートルの山岳地帯の牧草地、河川沿いの森林までを含む自然遺産。
カザフスタン
シルクロード:長安〜天山回廊の交易路網(2014)
中国を統一した漢の都長安(現在の西安)から西アジアやインドに達する貿易航路をシルクロードといいます。シルクロードの「シルク」とは「絹」のことを指し、中国の生糸や絹製品が運ばれていったことに由来します。ヨーロッパと中国を結ぶ約8700kmに及ぶシルクロードのうち、中国の漢・唐王朝の首都であった洛陽・長安から天山回廊を経て、中央アジアのジェティス地域までの中国、カザフスタン、キルギスの3ヵ国にまたがる総延長約5000kmの部分が世界遺産として登録されています。
パキスタン
モヘンジョダロの遺跡群(1980)
パキスタン南東部、シンド州のインダス川下流にあるインダス文明の代表的都市遺跡。インダス文明とは、インダス川流域を中心に栄えた古代文明であり、 世界四大文明の一つです。(他メソポタミア文明、エジプト文明、黄河文明)
インドネシア
ボロブドゥル寺院遺跡群(1991)
ボロブドゥル寺院遺跡群とは、ボロブドゥール遺跡・パオン寺院・ムンドゥッ寺院からなるインドネシアジャワ島にある大乗仏教の遺跡です。カンボジアのアンコール、ミャンマーのバガンとともに世界三大仏教遺跡と呼ばれています。
カンボジア
アンコール(1992)
古代カンボジア王国(アンコール朝)の王都にある寺院。クメール王国のスーリヤバルマン2世によって建設されました。「アンコール・ワット」とはクメール語で「寺院(によってつくられた)町」を意味します。当初はヒンドゥー教の祠堂で下が、14世紀に仏教寺院に変わりました。
タイ
古都アユタヤ(1991)
正式名称はプラナコンシアユタヤ Phra Nakhon Si Ayutthaya。14〜18世紀アユタヤ朝の都として栄え、17世紀にはオランダ、イギリス、ポルトガル、中国、日本などとの貿易の拠点となりました。ワット・プラ・シー・サンペット、ワット・ロカヤ・スタなどの小乗仏教の寺院跡や、かつてのアユタヤ朝のバン・パイン宮殿(離宮)跡などが古都アユタヤとして世界遺産に登録されています。
韓国
昌徳宮(1997)
韓国の首都ソウル中心部にある朝鮮王朝の離宮。李氏朝鮮時代初期の1405年、第3代朝鮮王の太宗により、正宮である景福宮に対する離宮として建設されました。
中国
万里の長城(1987)
東は渤海湾に臨む河北省山海関から西は甘粛省の嘉峪関まで、総延長約1万2000kmに及ぶ長大な城壁。春秋時代に斉・燕・趙・魏などの諸国が国境に築いた後、秦の始皇帝が匈奴の侵入を防ぐため増改築し、万里の長城となりました。
マカオ歴史地区(2005)
マカオは中国の特別行政区です。1550年代から1999年12月の中国返還まで、ポルトガルの統治下にあり、日明貿易の中継地点、またカトリック布教の拠点となってきました。そのような歴史からポルトガルと中国の建築様式が融合した歴史的な建造物が数多く残されています。また、15〜16世紀には日本人町も作られました。
四川ジャイアントパンダ保護区群(2006)
中国四川省の大渡河と岷江の間、邛崍山脈と夾金山脈にはさまれた9245km2のエリアは、7つの自然保護区と9つの風景名勝区で構成される豊かな自然と景勝に恵まれた地域です。絶滅の危機にあるジャイアントパンダの30%以上が棲む、世界最大の生息地となっています。パンダと同じく絶滅が危惧されている稀少動物のレッサーパンダ、ユキヒョウ、ウンピョウも暮らしています。
ベトナム
古都ホイアン(1999)
ダナンの南東24km、トゥーボン川の河口にあるクアンナム・ダナン省の港町。チャンパー王国時代より交易の拠点として栄え、16世紀から17世紀にかけてポルトガル・オランダが進出し、日本人町もつくられました。
ハノイ-タンロン王城遺跡中心地区(2010)
ベトナムの首都ハノイの旧市街の西側にある遺跡群。タンロン(昇竜)はハノイの旧称です。11世紀初頭から19世紀初頭にかけて、ベトナム諸王朝の都として栄え、城門や楼閣、宮殿の遺構などが残っています。