これまで数回にわたり、習い事と中学受験の両立について書いてきましたが、習い事との両立があってもなくても、また両親ともにフルタイムワーカーであってもなくても、中学受験における親の役割は非常に重要です。「中学受験は親の受験」とも言われていることは皆さんご存知だと思いますが、今回は、受験をする際に感じた「親の役割」について書いていきたいと思います。
中学受験における親の役割って?
中学受験をするのは子ども本人ですが、受験に関係する様々なサポートをしていくのはやはり親の役割です。いわば、選手に最高のプレーをさせるために、練習方法の検討や、得手不得手を把握する、まさに監督、プロデューサーのような役割を担います。中学受験における親の役割を整理してみると、このような感じになるのではないでしょうか。
- 本人にやる気を出させる
- 受験校や勉強方法など、中学受験の戦略を考える
- フィジカル的な管理(体調管理、体力づくり)
- メンタル的な管理(励ます、気持ちの上でサポートする、リラックスさせる)
- 予算管理
- 子どもの特性や能力を理解して、それを活かす方法を考える
こうやって挙げてみると、組織のマネージャーのような感じでもありますね。親の言動一つで、子どもが力を発揮できたり、また逆のパターンになってしまうこともありうるわけです。
重要な親の情報収集力・決断力・行動力
一口に「親の役割」といっても、上に挙げただけでも相当ありますし、これは一例にすぎません。さらに、自分の時間を子どもの中学受験にほとんど使えるのであればよいのですが、たいていはそうはいきません。働いていたり、下に小さい子がいたり、100%一人の子どもの中学受験だけに時間を使うというのはなかなか難しいことです。そして、やろうと思っていても効率よく事を運んでいかないと、いつまでたっても現在地点から前へ進むことができなくなってしまう難しさがあります。
そこで、私が身に染みて大切だと思ったのは、親の役割の前提にある「情報収集・分析力」「決断力」「行動力」、この3つです。仕事に置き換えても同じことが言えると思います。この3つを持って親としての役割を実践していくことによって、良い効果が得られるのではないかな、と思います。
1つめの「情報収集・分析力」がないと正しい方針が立てられません。これには自分の子どもを客観的に見たときの情報分析も含まれます。そして、2つめの「決断力」。方針はいろいろな先生に相談したり、自分で調べたりしているうちに複数のやり方が出てくることがありますが、その中で「これ」と決めきる力も必要だと思います。そして、決断したら迷わないことが大事だと思います。そして、3つめの「行動力」。子どもに合った先生や塾を見つける、やり方を模索する、学校へ足を運ぶ、などフットワークが軽いことも重要だと思っています。
先に挙げた親の役割を完璧にこなせる人なんて、そうそういるものではありません。私自身、励ますどころか子どもの勉強の取り掛かりが遅くて小言を言ったり、怒鳴ってしまったことだってあります。それも一度や二度ではありません。ただ、親の役割を常に意識して中学受験に取り組んでいると、親としての自分の行動を反省するのはもちろん、自然とやるべきことが見えてきます。
つまり、いつでも受験生の親として、子どもに対して適切でない対応をしたとしても軌道修正できる軸を持つということです。そして、親は「情報収集・分析力」「決断力」「行動力」を持って役割を全うする。そうしていくことによって、子どもは中学受験という一つの目標に向かって、一段、また一段と階段を上っていくのではないかと感じています。逆もまたしかりです。子どもにやる気がない、成績が伸びない、そんなときは親に原因がある場合も多いのです。
まとめ
完璧な戦略があっても、行動に移さなければ意味がないですし、フットワークが軽くても、得た情報に振り回されていては正しい戦略が立てられません。常に、「情報収集・分析力」「決断力」「行動力」を念頭に置き、「親として何をすべきか」を意識することによって、親が子どもの力を引き出す原動力となれるのだと思います。巷でよく言われる「中学受験は親が9割」的な書籍は、そういった意味で本当なのではないかなと思います。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。