大学入試改革で話題のTEAPってどんな試験?その目的と対策を解説します!

最近、英検やTOEFL、TOEICと並んでよく耳にする様になったTEAP(ティープ)。

一部の高等学校では学校単位で受験できるようですが、

  • 英検やTOEFL、TOEICと何が違うの?
  • 受けておいた方が良いの?
  • どんな対策をすれば良いの?
  • 難易度は?
  • 有利に働くのは何点以上?

等、色々疑問に思っている点もあるのではないかと思います。そこで今回の記事では、上記の代表的な疑問について、分かりやすく書いてみたいと思います。

英検やTOEFLTOEICと何が違うの?

  • 英検
    • 日本国内で日本人の英語力を段階別に示す為の試験。日本国内のみの基準。
  • TOEFL
    • 世界各国から、特に英語圏の高校や大学に進学・留学する際の英語力を示す為の試験。世界基準。
  • TOEIC
    • 世界各国で、ビジネスレベルの英語力がどれだけあるかを示す為の試験。世界基準。
  • TEAP
    • 日本国内の高校生が、大学に進学した際に英語での授業や英語の論文を理解するのに十分な英語力があるかを示す為の試験。日本国内の高校2、3年生のみの基準。

TEAPって受けておいた方が良いの?

前項の各種試験の目的を読んでいただくと判るように、TEAPは一般向けに行われている英語資格試験ではなく、英検を主催している日本英語検定協会が上智大学と共同開発し、高校2、3年生で大学受験を控えている人々に対して、大学に進学した際に英語のみで行われる授業や英語の論文を理解し授業について行く事が出来るかどうかの能力を示す為に近年催されるようになった試験です。大学在学中に提携する海外の大学へ留学する際の条件等にも用いられるようになってきています。

現在は試験的な導入段階なので制度を取り入れている大学はまだまだ少数ですが、2020年の大学入試改革時点から、一気に全国の大学で取り入れられる事を目標としていました。(2022年現在の導入状況を見るとそこまでメジャーな資格試験になっていると言い難いですが…)

大学もグローバル化が進み、国際系や語学系の学部が増えて来ていますし、海外からの外国人留学生の受け入れも一段と進み、また在学中に日本国内から海外の大学に留学する、或いはZoomやSkypeを利用したオンラインでの留学をする学生も増え続けている現状から、一部の授業を完全に英語だけで行う、といったものが増えてきたため、高校生の段階からその準備をしてもらおうという目論見で施行されるに至った訳です。現在では、主催者でもある上智大学や、早稲田・青山学院大学・立教大学等国際系の学部を抱えているいくつかの大学でTEAPを利用した入試制度が設けられていますし、高校から推薦してもらう際にTEAPの点数が加点となるよう設定している大学や学部もあります。

結論から言うと、現時点では、TEAPが加点となる大学・学部に推薦をもらう可能性がある、またはTEAP利用入試で受験を予定している高校2年生以上の人は受けておいた方が良いでしょう。もちろん、TEAP利用入試を設けている大学や学部であってもこれまでのように一般入試や共通テスト利用入試はありますから、そちらで受験しても良いのですがもしどうしても行きたい大学や学部があるのであれば、一回でも多く受験する機会を得た方が合格の可能性が上がる訳ですから受けられるようにしておくに越した事はありません。(いわゆる、宝くじは買わないと当たらない理論で、更に言えば、英語が特な人であれば、当たる確率が他より少しだけ高い宝くじ、と見ることもできるので、費用が許す限り受けまくる、というのも選択肢の一つだと思います)

そして、昨今、混迷を極める大学入試改革の中で、多様な入試制度へ舵を切る大学・学部が今より断然増えると見込まれているので、高校2年生になった段階で(高校2年生以上でないと受験出来ません)やはり受けておいた方が良いでしょう。

TEAP対策にはどんなことをすれば良いの?

それでは、受けるとしたらどんな対策をすれば良いのでしょうか?

TEAPは英語に関する4技能を試す試験で、

  • リーディング(100
  • リスニング(100
  • ライティング(100
  • スピーキング(100

の4技能に分かれています。(括弧内はそれぞれの配点)

判定方法で言えば、英検よりはTOEICやTOEFLに近い感覚です。TOEICやTOEFLと同様、合格不合格ではなく、それぞれの技能に対して20-100のスコアを付し、そのスコアに応じたCEFRという判定が出されます。スコア並びに判定はもちろん、いずれも高いに越した事はありませんし、また出来るだけバランスよく得点する事が望ましいでしょう。

したがって、少なくとも1冊はTEAP対策の問題集をやり出題内容をつかむと共に、自分に不足している技能を見つけ、そこだけを別の参考書を利用して強化する、といった方法が最も効率的だと思われます。そして、英語4技能をバランスよく向上させるには、スキマ時間に4技能をバランスよく毎日少しずつ積み重ねて行くのが最良の方法です。(英語が苦手な人はもちろん、得意な人でも4技能の中で得手不得手があるものなので、自身の弱点を正確に把握することが最も大切です)

その際、単語熟語の暗記にはあまり労力を費やさなくてもかまいませんから、英語日記をつけてみたり、英字新聞を読むことに挑戦してみたり、テレビでCNNニュースを観て見たり、あるいは映画を英語音声だけで観てみたりと、出来るだけ日常生活の中で英語に触れるチャンスをつくり出す努力をしてみて下さい。

但し前提として、高等学校で履修する語彙と英文法は基本的に理解し習得している事が前提となっていますので、TEAPの対策をする前にそこは予め固めておくべきでしょう。

TEAPの難易度ってどれくらい?

試験内容自体の難易度は英検準2級~準1級程度と言われています。TEAPは国内基準ですので、世界基準のTOEFL等と比べると比較的易しい内容だと言えるでしょう。しかも、対象は日本国内の高校生ですから、高等学校の履修範囲を超える出題はないと思ってかまいません。

上述したように、TEAP対策の問題集をまずは一通りやってみて、不足しているなと思うところに気づいたら、高校で使用している参考書または一般受験用にも使える参考書を入手して強化する、というスタイルで十分対応出来る難易度です。

有利に働くのは何点以上?

一言で言えば、4技能バランスよく、いずれも満点に近ければ近いほど有利に働きます。

しかし、満点近い点数はそうそう簡単に取れる訳ではありませんので、やはり目安としては自分が目指している大学・学部のTEAP利用入試で求めている点数を少し上回るところを目標とすると良いでしょう。

大学によって、TEAPの総合点によって入試の総合点に加点する点数を定めているところや、一定の点数以上であれば英語の試験自体を免除にする、としているところもあります。

参加大学や基準は刻一刻と変わりますので、頻繁に各大学のホームページの募集要項を確認し、書き留めておくようにしましょう。

まとめ

以上、TEAPについて述べて来ましたが、いかがでしたでしょうか?

日本もいよいよ本格的な国際化に向けて、各学校機関や企業が既に動き出していますね。

つまり、どんな場面においても、文系理系や職種を問わず、もう英語使用を避けられない状況となっているという事なのです。英語はそもそも学問ではなく、一言語です。一言語ということは、英語圏の人々のコミュニケーションのツールである訳です。そして、世界の中で、この英語というツールが最も多くの人々に用いられ、日常生活はもちろんの事、学問の習得やビジネスの進行を円滑にしている訳ですから、好き・嫌いという次元ではなく、当たり前のように取り扱えるようにしておかねばもはや大学での単位修得やビジネスの成功も危ぶまれるようになってきたと言っても過言ではありません。

大学でより高度な知識や経験を習得し、社会に出て活躍するためにも是非英語を武器にしていただきたいと思います。そのきっかけとして、まずはTEAP高得点を目指す事から始めてみませんか。

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