英語と数学は意外と似ている!?〜公式を利用した英語へのアプローチ方法をご紹介します〜

今や文系にも理系にも必須の英語ですが、英語の勉強と一括りに言っても単語・語彙・文法・英作文・長文読解などなど、やるアイテムが多すぎてどのように勉強したらよいのか全く方針がたたずに途方に暮れている人も多いことでしょう。

そこで今日は、多くの皆さんが小学生のころから算数という形で馴染みのある数学とからめて、英語の勉強方法を伝授したいと思います。

英語で覚えるべき”公式”とは?

まず、読者の皆さんに理解してもらいたいのは、【英語にも公式がある】ということです。英語で”公式”というと、え?そんなものあるの?と思う方もいらっしゃると思いますし、そもそも英語は言葉なので、単語も膨大な数が存在して、表現もバリエーションに富み、また時代の流れとともに日々新しい単語や表現も生まれています。

ですから、ある意味きりがないというか、終わりが見えないというか、やってもやっても、まだまださやるべきことが待っている状態で、ここまで理解すれば完璧、というラインが見えづらい特性を持っています。(学問全体を見ても、このラインがはっきりと示されているものは少ないです)

ただ、終わりの見えない道であるかもしれませんが、実は英語にも数学と同じように公式と呼べるものがあり、それに従って読んで行けば語彙力や表現力が不足していてもちゃんと意味を取る事が出来ますし、並べ替えや英作文なども案外、出来てしまったりします。(ここで”しまったり”としたのは、公式を安直に茂一いることで、本来すべき作業を怠ってしまう、という弊害もあるからです)

その公式と呼べるもの、とはズバリ『文型』です。

いちばん最初にこの文型を習うのは中学校だと思いますが、先生によってこれを重視している人としていない人がいるので、あまり重視していない先生にあたってしまうと、さらっとしかやらないかもしれません。ですから、文型という言葉は聞いたことがあるけれども、その内容についてはほとんど記憶にありません、という生徒にも今まで結構お会いしました。(確かに、何でもかんでも文型に頼る姿勢は歓迎しませんが、前提としてどんなものか知らないという状態は、もっと歓迎できません)

英語の基本5文型とは?

文型というのはいわゆる以下の基本5文型のことです。

  • 第1文型 S+V
  • 第2文型 S+V+C  (S=C)
  • 第3文型 S+V+O
  • 第4文型 S+V+O+O
  • 第5文型 S+V+O+C  (O=C)

 文型自体は覚えていなくても、このS・V・O・Cの記号(文の要素と言ったりします)なら見たことある方もいらっしゃるかと思います。

それぞれの記号が何を指しているのかというと、

  • S:主語(名詞/代名詞)
  • V:動詞(be動詞または一般動詞)
  • O:目的語(名詞/代名詞)
  • C:補語(名詞/代名詞または形容詞)

この世の中に存在するどんな英語も、話されているものも書かれているものも、必ずこの5つの型のいずれかに属します。(会話表現や新聞などでは、しばしば省略や倒置などで文型がわかりづらいですが、元を辿れば必ず上記の5つになります)そして、それぞれの型の語順は、疑問文や倒置構文、命令文などは特殊パターンの例外として、この5つのいずれに属するかによって決まってしまっています。

例えば,ぱっと見るだけでも以下のことがわかります。

  • すべての文型に共通するのはS+V (主語+動詞)
  • SもV一つの文に一つずつしかない
  • Vの後にはOかCしか来ない
  • Oが二つ並ぶことはあるが,Cは二つ並ぶことはない

さらに、よくよく考えて見ると、第2文型のところに (S=C) とあり、イコールで結ばれているということは言葉で言うと「~である」ということになるので、つまり動詞がbe動詞(或いはそれに準ずる意味になる動詞)になる、ということがわかります。ここで言う、be動詞に準ずる意味になる動詞とは、例えば、become 「~になる」といった状態動詞が入ることがありますが、その場合もS=Cの公式に当てはめてみて、意味が通じれば(つまり動詞部分を be動詞に変えてみる、ということ)第2文型が成立するということになる訳です。

同様に、第5文型のところにO=Cとあるように、OとCが同等の関係であれば第5文型ということが確定できるので、この場合はOとCの間にbe動詞を入れてみて、意味が通じれば第5文型が成立するということになります。

また、英語の動詞には自動詞と他動詞がありますが、簡単に違いを言うと、

  • 自動詞 ⇒ 目的語を取らない
  • 他動詞 ⇒ 目的語を取る

という点なので、第3文型~第5文型まではVの後に目的語であるOがすべて配置されていますから、いずれも動詞部分は他動詞であるということが確定出来ますね。つまり、動詞部分に自動詞が来ていれば、第1文型が確定する、ということになる訳です。

以上のことがわかれば、ほぼ品詞だけを見て文型を特定することが出来るようになるので、知らない単語が文中に出て来ても、文型がわかれば正解出来る穴埋め・並べ替え・選択問題などは得点できることになるのです。

修飾語の役割とは?

さて、ここまで基本の5文型を見てきましたが、皆さんが実際に目にする英文は、一文がもっと長いイメージがありませんか?勿論、S・V・O・Cしか単語がなければ、文意も文型判断も簡単なのですが、実際にはそこに修飾語が付いてきます。

ただ、修飾語は英文ではあまり重要視されていないので基本5文型には登場していませんが、一応どの文章にも文末に好きなだけ修飾語(M)を付け加えることが出来ます。この修飾語は文の要素ではないので、重視する必要はありませんし、文を組みたてる際に仕上げの段階で追加すれば良いだけなので大意と文の構造に影響はしませんが、形が3種類しかないので、覚えておけば、文型を考える時に後回しで良い部分として処理することが出来るので、知っておけば作業効率がアップしますね。

修飾語は,以下の3通りの形だけです。

  • 副詞単体(文全体を修飾する場合。動詞のみを修飾する場合は動詞の直後に置く)
  • 前置詞+名詞
  • 不定詞の副詞的用法

これらの形を文末に見つけたら、ひとまず意味を考えるのも文型を考えるのも後回しにして大丈夫です。基本部分を考えて見てなお判断がつかない場合のみ、修飾語の方も見てみるようにすれば十分です。

同じ修飾語でも形容詞に関しては、英語では名詞を修飾するものと考えますので、名詞の一部として取り扱います。その形容詞に修飾される名詞は、主語か目的語か補語、ないしは修飾語の②に存在しますが、つまり形容詞はそれらの一部と捉えることができるので、形容詞だけをMとする必要はなく、O を修飾しているものであれば(例えば a beautiful girl のように)形容詞+名詞をOないしはCとすれば良いです。

ちなみに、関係代名詞に導かれる節(関係代名詞節)も、節なので長いですが基本的には形容詞節ですから形容詞扱いになり、単体の形容詞と同様に名詞を修飾しているので名詞の一部と捉えることができます。分詞形容詞単体や、分詞に導かれる句や節も同様です。

以上のように、英文(特に大学入試英語で出題される問題中の英文)を構造的に捉える練習を日頃から行っておけば、語彙だけを強化する手間暇をかけなくとも英文和訳問題を除いてはほぼ正解を導くことが出来るようになりますから、是非練習してみていただきたいのです。

またこの訓練に慣れてくれば英文和訳問題ですら文脈から判断して、知らない単語が入っていても語彙を推察して正解を書くことができる場合が多いです。

ということで、とにかく英文を文型で読んでいくことはとってもおトクな方法ですので、是非実践してみてくださいね。

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