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東北地方の地理をおさえよう!
青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県の6県からなる東北地方の地形・気候・産業などをおさえていきたいと思います。
地形
- 津軽平野…青森県西部に広がる平野。南部は日本最大のリンゴ栽培地帯になっています。
- 白神山地…1993年に登録された日本の世界遺産(自然遺産)。青森県と秋田県の県境にあります。世界最大級のブナの原生林があります。
- 秋田平野…秋田県中西部、日本海沿いに展開する平野。沖積地からな李、砂丘も形成されています。
- 出羽山地…青森、秋田、山形の3県にまたがり、東北地方の西側を南北に走る山地の総称。
- 庄内平野…山形県の日本海側にある平野。庄内米で知られる日本有数の米作地帯。冬季の季節風の農作物への被害を防ぐため大防風林を植えて対策しています。
- 奥羽山脈…東北地方の中央部を南北に走る日本最長の山脈。長さは約500キロメートル。
- 米沢盆地…山形県南東部にある盆地。稲作が中心だが、ぶどうやりんごといった果樹の栽培も盛ん。
- 会津盆地…福島県北西部にある盆地。水田稲作が行われているほか、カキ、薬用ニンジンが特産品として知られています。
- 最上川…山形県をほぼ南北に貫流する川。全長約229km。日本三急流の一つ。
【補足】「日本三急流」とは流れが大きく激しいことで知られる3つの河川のこと。最上川の他には富士川(山梨県)・球磨川(熊本県)。
- 北上高地…東北地方北東部にある山地。青森県から岩手県、宮城県までまたがっています。
- 仙台平野…宮城県の主要平野部の総称。水田が大部分を占めています。
気候
東北地方には南北に高い山々が連なる奥羽山脈があり、山脈を境に太平洋側、日本海側で気候が異なります。日本海側の秋田県秋田市と太平洋側の岩手県盛岡市の降水量(mm)、日照時間(h)の平均値のグラフを見てみましょう。
(グラフは仙台管区気象台より参照、平年値は1991-2020年の30年平均値)
(秋田県秋田市)
(岩手県盛岡市)
見比べてみると特に冬に大きな違いがあることが分かります。日本海側は冬の降水量が太平洋側に比べて多くなり、日照時間よりも降水量が多いことから晴れの日が少ないことが分かります。一方太平洋側の冬は降水量より日照時間の方が多いため晴れの日が多いことが分かります。
更に冬(12-2月)の降雪量と日照時間の平年値を見てみましょう。
このグラフから見ても分かるように日本海側は降雪量が多く、太平洋側は日照時間が長くなります。シベリアからきた冷風が山脈にぶつかり、大雪を降らし太平洋側へと抜けていくため日本海側では降雪量や降水量が多くなります。
農業
主な特産品や農業の特徴など各県ごとに説明していきます。
青森県
(県庁所在地:青森市)
青森県はねぶた祭りという伝統的なお祭りが有名です。また、津軽地方には津軽三味線や津軽塗など伝統的な文化が色濃く残る地域です。リンゴの生産量が日本一のほか、漁業も盛んで八戸はサバ、イカが国内一の水揚です。
秋田県
(県庁所在地:秋田市)
きりたんぽという、つぶしたうるち米のご飯を棒に巻きつけて焼いた秋田県の郷土料理です。きりたんぽの原料となる米の生産が盛んである。他にも秋田スギと呼ばれる特産品もあり、林業も盛んな地域です。秋田県の男鹿半島周辺で行われてきた伝統的な行事の一つにナマハゲがあります。ナマハゲは「泣ぐ子は居ねがー」「悪い子は居ねがー」と言いながら家を練り歩く来訪神です。「男鹿のナマハゲ」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。それだけでなく、「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つとしてユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
岩手県
(県庁所在地:盛岡市)
(小岩井農場)
北海道に次いで全国で2番目に面積の大きい県(15,275.01平方キロメートル)。広大で肥沃な土地を活用した農業、沿岸部には三陸海岸やリアス式海岸が広がり、漁業が盛んです。また、盛岡市の伝統工芸品である南部鉄器も有名です。岩手県は全国3位の乳用牛の飼養頭数を誇り、岩手山や北上山地の高原を中心に乳牛の放牧をしています。観光地としても有名な「小岩井農場」もあります。
宮城県
(県庁所在地:仙台市・政令指定都市)
仙台平野では肥沃な大地を活かし水田が多く広がり、「ひとめぼれ」「ササニシキ」などブランド米の生産に力を入れています。また、畜産も盛んで「仙台牛」が有名で、牛タンは仙台から広がりました。
山形県
(県庁所在地:山形市)
(山形市観光協会)
山形県の日本海側には最上川を中心とした河川の堆積作用によりできた沖積平野である庄内平野が広がり、海岸沿いには砂丘があります。庄内砂丘では飛砂と塩害、冬季の季節風から穀倉地帯を守るために大防風林が植えられています。庄内平野は米の生産が中心ですが、メロンなどの果樹も生産しています。また、山形は日本一のさくらんぼの生産量を誇ることでも有名です。米沢平野では畜産も盛んで、「米沢牛」などのブランド牛があります。観光ではスキーリゾートとして有名な蔵王もあり、蔵王には樹氷という大自然が織りなす雪と氷の造形物が見られます。樹氷は国内でも限られた地域の気候でしか見られないものです。
福島県
(県庁所在地:福島市)
福島県の面積は13,783.90平方キロメートルで、北海道、岩手に次いで全国で3番目に大きい広さを持つ県です。県土の12パーセントに当たる部分を15カ所の国立公園・国定公園・県立自然公園でしめています。中でも福島県、栃木県、群馬県、新潟県にまたがる「尾瀬国立公園」や栃木県の日光市を中心に福島県、群馬県にまたがる「日光国立公園」などが有名です。農業は米の生産を中心にキュウリやトマト、サヤインゲンなどの野菜やモモやナシ、リンゴなどの果物まで生産し多くが全国的に生産量の多いものになっています。また、福島県の会津地方でつくられてきた郷土玩具である「赤べこ」が有名です。
工場
東北地方は農業生産量も多く、農業が盛んな地域ですが、東北自動車道を中心に工業も発達しています。 IC(集積回路)工場や、電子機械の工場、精密機械などの工場が進出し、シリコンロードと呼ばれています。
まとめ
東北地方 | 青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県 |
政令指定都市 | 仙台市(宮城県) |
気候 | 日本海側は冬に降雪量、降水量が多くなり、太平洋側は日照時間が長くなる |
農業 | 平野部を中心に米の生産が盛んであるほか、野菜や果物など様々な農作物の生産量が多く、農業世帯数も多い。高原などを利用した酪農、畜産も広く行われている。 |
工業 | 東北自動車道を中心に内陸型の工業が栄え、IC(集積回路)工場や、電子機械の工場、精密機械などが発達。シリコンバレーと呼ばれる。 |