前回までは、実際に見聞きした塾についての感想を、まずは大手塾について書かせていただきました。今回はわが家でも6年生になって検討した個別指導塾について書いてみたいと思います。わが家の息子のようにがっつりスポーツをしながら中学受験を目指すようなご家庭であれば、個別指導塾は最初から検討事項に入れておいたほうがよいかもしれません。ちなみに、息子のチームメイトでも、中学受験組は個別指導塾で続けるか、集団塾に入って6年生でチームをやめる、このいずれかのパターンでした。
個別指導塾は何といっても個人のペースで学習を進めることができ、志望校から逆算したカリキュラムもオリジナルで組めることが魅力です。周りには、普段は個別指導塾で、特別講習だけ大手塾に行く、という「組み合わせ型」というケースのご家庭もありました。
トーマス
- 教育方針(中学受験生)・・・詰め込み型で燃え尽きさせることなく、将来につながる高い学力と豊かな個性を育みながら、夢の志望校合格を目指す。1対1で基礎力をつけ、自分だけの志望校対策を行う
- 6年生時の費用・・・志望校や入学時期によって費用は異なるようです。わが家の場合、6年生の6月という時期の相談で、サピックスの月謝の倍くらいだったと思います。ちなみに、チームメイトのお子さんは、12月~1月は月20万円ほどだったと聞きました。
トーマスは、チームメイトで通っているお子さんがいらっしゃったので、個別指導を検討した際にすぐ校舎へ話を聞きに行きました。以前、「指導ブースが、隣の声が筒抜けで息子は多分集中できない」「中学受験に全く関係ない話が多い」「先生はアルバイトで固定しない場合もある」など、私の印象としてはいまいちだった・・・と書きましたが、あくまでわが家の場合です。実際、数多くの難関校への合格実績を出されていますし、利用していたお子さんはいつも自習室に通ってわからないところを気軽に質問できたそうです。体験授業もOKでした。
TESTEA(テスティー)
- 教育方針(高学年時)・・・「目的意識を持ち、それを実現するために目標に向かって強いエネルギーで頑張る力を育てる」「正しい勉強法で無駄なく学力を向上させ、人生を楽しむことのできる余裕を育てる」「他人の意見はしっかり聞き、自らの意見もきちんと表現できる、円滑なコミュニケーション能力を育てる」
- 6年時の費用・・・1コマ90分、月4回で月謝28,800円/月(たしか税抜きでこの値段でした)
息子が受験生のときは通える地域になかったのですが、最近になって近くに校舎が開校し、下の子がいるので気になっている塾です。塾長さんの、「サピックスで3年間1位、神童と呼ばれた」という子供時代にも興味を惹かれます。1対1の個別指導であることは言うまでもないのですが、元サピックス講師、開成中高から東大出身の塾長自ら「開成番長メソッド」として「ステイライン」、いわゆる「一定の理解ライン」までまずは到達させること、そこまでたどり着ければあとは飛躍的に学習効果が向上する、というメソッドを実践されています。この方法は、サピックス講師時代に、できる子とそうでない子の差を見ていて気がついたとのことですが、なるほどな、と思わされました。また、カウンセリングにも力を入れているようなので、いろいろ相談にも乗ってくれそうです。体験授業もOKです。「中学受験を9割成功に導く母親力」をはじめとした著書もあり、母親として参考になります。こういった、あまり大規模でない塾は、面倒見が良かったり、塾の方針が隅々までいきわたっているような気がしています。
中学受験個別指導塾ドクター
- 教育方針・・・「小学生がする受験、中学受験だからこそ、早くに『良き師』と出会い、勉強のおもしろさ、根本原理の理解が応用力につながる喜びを味わってほしい。」
- 6年生時の費用・・・個別見積もり。わが家が問い合わせたときは、現在のレベル・志望校・相談時期から逆算し、90分×2コマを週2回で15万弱の月謝。
サピックスのテキストや模試などの解説をウェブ上でしていたので、それを利用しているうちに興味を持ちました。サピックス以外でも、有名大手塾のテキスト解説などをしていますね。サピックスをはじめ、各塾から評判の高い講師をヘッドハントしているとうたっているだけに個人的にかなりひかれたのですが、費用面があまりに高く、見送りました。わが家の場合は、第一志望校と相談時期(6年生の6月)で逆算し、週2回の通学をすすめられ、月謝は15万前後でした。また、追い込み時期には倍くらいになるようです。超難関校へ合格実績が多数掲載されていますね。偏差値が20もアップした例もあるようですし、費用面に余裕があれば確実に実力が付きそう・・・と思いました。私が調べたときは、人気の先生はなかなか予約が取りにくいというリスクもあったようです。体験授業もOKでしたが、わが家の予算では「絶対」通えなかったので、行きませんでした。
まとめ
今回ご紹介した、私が気になった個別指導塾以外にも、周りでは森塾も結構話題になっていました。今回は、私見に基づくご紹介でしたが、一意見としてご参考になれば幸いです。個別指導塾は、メイン塾として、あるいは他塾のサポートとして、など、使い方もいろいろあると思います。また、個別指導を考えている場合は、個人の家庭教師よりも受験の情報が入りやすいというメリットもあると思いました。最初から個別指導という線額はなかなか思い切れませんが、習い事との両立を考えると、検討必須かな、と思います。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。