中学受験の社会は、
- どのようにして知識を理解し、記憶していくか
- 問題を解くことによって出題形式に慣れていくか
という、「インプットとアウトプットのバランス」が大切です。
今回は、問題演習をするときのポイントと、テキストだけではないインプットの方法について紹介します。
Contents
社会の出題に慣れるには
中学受験の社会の出題は、本当に様々です。単なる1問1答では太刀打ちできません。
そこで、いろいろな出題形式の問題を数多く解くことによってまず「慣れる」ことが何より大事です。単にインプットばかりしていても、その問題で「何を問われているのか」がわからなければ答えようがありません。
では、どのように慣れていくのがいいのでしょうか。
まずは同じ問題集・参考書を何度も解く
問題集や参考書も多種多様ですから、どれを選ぶかは塾などに相談していただくとよいでしょう。たくさんの問題集に手を広げても、入っている知識はほぼ同じです。たまにものすごく細かい知識を問う問題がありますが、そういう問題では差はつかないので、まず、1冊の問題集あるいは参考書を何度も解くことが大切です。
何度も解いているうちに、問題を解くスピードも上がってきますし、「こういう問題はここに着目して解くんだな」という「アタリ」をつけることができるようにもなります。こうなればしめたものです。
また、問題集や参考書は、だいたい1冊に基礎→応用→発展とステップアップしていくものが多いですが、中には薄くて「基礎だけ」「応用だけ」「発展だけ」というものもあります。使いやすいものを選び、繰り返し使い倒しましょう。
ですが、気をつけていただきたいことがあります。同じ問題集や参考書を何度も解く、と言ってもダメなのは・・・
ダメな学習法① 同じ問題を1日に何回も解く
間違えた問題を解き直し、また時間をおいて定着しているか確認する、つまり復習することはとても大事です。
しかし、その問題を間違えたからと言って、1日に同じ問題を何回といても、その日だけで終わってしまっては1週間後には忘れているでしょう。間違えた問題は、「なぜ間違えたのか」「どの知識を使えば解けたのか」「自分がまだわかっていないことがあった」という発見の宝庫です。
ただ〇×をつけて終わりではなく、解説を読み、関連するところのテキストの内容まで確認する、それをまた時間をおいて定着しているか確認する、それこそが1冊の問題集を徹底的にやることの意味なのです。
ダメな学習法②ノートに問題文を写して書く
問題集を解いて間違えた問題について、間違い直しノートを作ることはとてもいいことだと思います。テストで間違えた問題も加えておき、解法をまとめておけば、自分の弱点ノートが出来上がりますから、それこそ入試当日持っていくなら「この1冊」という宝物になります。
ですが、この間違いノートを完璧に作ろうとして、問題文を「ノートに写す」ということにこだわるお子さんが結構いるのです。非常に時間の無駄です。
確かに、問題文をもう一度読み直し、何が求められているのか、どう答えたらいいかという道筋を考えるうえで一見有効に見えるかもしれません。
しかし、多くのお子さんはそのような意識を持っていません。つまり、ただの「写経」、つまり作業で終わってしまうのです。
肝心なのは、その問題の解答に至るまでのプロセスをしっかり理解して、自分がなぜ間違えたのか、その原因をまとめておくことです。コピーやプリントアウトなどで十分です。それよりも、解法をまとめる、整理することにに時間を使ってください。
社会のインプットで意識したいのは「世の中がどうなっているのか」という視点
中学受験の社会では、地理に始まり歴史、公民、時事問題・・・と学習が進んでいきます。最近の入試問題の出題で多いのは、「世の中が今どうなっているのか」という時事問題に、各分野の知識を絡めて問うものです。
テキストに書いてある知識を理解し、覚え、問題演習を重ねて点数をとれるようにしていく、これが王道の勉強法ですが、「世の中の動き」をリアルに感じることはなかなか難しいですよね。
やはり、ニュースや新聞には触れていただきたいと思います。また、最近はiPadなどで、知りたいときに画像や映像を調べることもできますから、ぜひ利用していただきたいと思います。
そのほかにも様々なコンテンツを使って、興味をもって学習すると、知識の定着率は高くなります。目で見て、書いて、聞いて覚えることができれば、なかなか忘れることもありません。歴史漫画や、世界のニュースを見ることができるYouTubeなども利用するといいでしょう。ただし、様々な投稿がありますから、そういったインターネット上のコンテンツを見るときには必ず親御さんが注意してみてあげてください。
まとめ
最後に、情報を集め、整理し、理解する。それは社会に限らず学習の基本ですが、間違った情報を本物だと思いこんではいけません。
良質のコンテンツを選び、学習を生き生きしたものにできれば、社会のインプットはそれほどとっつきにくいものではありません。参考にしてみてください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。