中学受験で軽視されがちですが、実はどの科目にも共通する「国語」の力。
しかし、実際はこのように考えている人も多いのではないでしょうか。
- 国語は勉強しても意味ないから・・・
- なんとなく文章を読んで、なんとなく問題を解けば、それなりにできるから・・・
- 選択肢は勉強しなくても、勘でどうにかなるから・・・
これらは、国語をセオリーを守って勉強していないお子さんに共通してみられる傾向です。
国語は実はとても論理的な科目なのです。正しい勉強法に従って様々な文章に触れ、設問1つ1つに丁寧に答えれば、しっかり力をつけることができます。そのような手順って、国語以外の科目と同じではありませんか?
今回は、国語の学習法の基礎を、「基本のキ」に戻ってお伝えしたいと思います。
略語を使わない
国語の指導をする際に、必ず生徒に伝えることがあります。それは、「略語」を使ってはいけません、ということです。
最近の小学生(中高生はいわんや、大学生でもありますが)は、相手に伝わるように会話をするのではなく、なんでも略して(略語で)会話をしています。そのような光景を見たことはありませんか?お宅の中でもよくあることではないでしょうか。
具体的に言うと、お子さんは、「ねえ、とって」や、「トイレ行ってくる」といった、非常に短い話の仕方をしていませんか?これは完全に略語による会話、しかも一方的なので会話になっていません。
正しくはどう言うべきなのでしょうか?「先生、テーブルの上のセロテープを使いたいのでお借りしていいですか」、あるいは「先生、トイレに行ってきてもいいですか」ですよね。
日常の基本的な会話に、国語の基礎が潜んでいる
先述したような非常に日常的な、基本的な会話の中に、実は国語力のレベルを測る要素があるのです。
中学受験の国語で必要な力は、「語彙力」「読解力」「表現力」ですが、ベースにあるのは「相手とのやりとり」なのです。聞かれていることに正確に答える、というやりとりを繰り返すことによって、国語の点数アップが望めるのです。
「表現力」については、記述問題に関係してくるので、今回はまず「語彙力」と「読解力」に絞ってみましょう。この2つの力をトレーニングするには、問題集をただ解くだけではなく、日常生活上も意識して言葉を使うようにするのが一番です。
最初に挙げた「ねえ、とって」や「トイレ行ってくる」では、主語や述語はおろか、文にすらなっていないですから、そのような一方的な言葉を発していても、文脈を把握する力はつきません。
主語や述語、同紙や形容詞、敬語・・・そういった文の基本をしっかり意識して、相手に伝わるように話をすること。これができるかどうかで、国語力をアップできるかどうかは大きく変わってきます。
文の要素を意識して会話をしましょう
日常生活で一番お子さんが話をする相手は誰でしょう?やはり、家族ですよね。それも、親御さんだと思います。先ほど述べたような「文の基本をしっかり意識して、相手に伝わるように話をする」ことは、お子さん一人ではできません。親子で会話をして、「それだと伝わらないよ」と指摘してあげてください。
「トレーニング」と意識しなくてもいいのです。会話を重ねることによって、「こう言わないと相手に伝わらないんだな」ということがわかることが大切なのです。
この習慣が身につくと・・・「5W1H」が身につく
相手に伝わるように話をすることによって、お互いに意思疎通が図ることができますから、文章を読んだときに勘違いするという初歩的なミスをしないようになります。
また、よくある「伝言の間違い」も激減しますし、学校や塾だったら生徒同士の「言った、言わない」といったトラブルも減っていきます。
これは、社会人のマナーとしても基本的なことですよね。「5W1H」を意識して説明するということは、相手に自分の言いたいことを正確に伝える第一歩です。これは、いくら机上で問題集にかじりついていても身につく力ではありません。
まとめ
国語の学習法の基礎は、日常生活での意識を変えることで身につけることができます。
ぜひ、国語の基礎力を身につけるためにも、「普段から会話は5W1H」を親子で意識してみてください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。