近年、TOEICでも開始当初からあるL&R(Listening & Reading)の他に、別日程でS&W(Speaking & Writing)のテストを行っているのはご存じでしょうか。
一般的に私たちが、TOEICというと、先にご紹介した、L&Rを指すのですが、耳馴染みのないS&Wの方は、本来のテストと何が違うの?とか、受ける必要はあるの?と疑問に思っている方も多いことと思いますので、今日は簡単にその違いと必要性についてご案内してみたいと思います。
L&RとS&Wはどう違うの?
SpeakingとWritingはその名の通り、『話す』スキルと『書く』スキルを得点化するテストです。
容易に想像がつくと思いますが、ListeningとReadingのテストのように、ペーパー上のテストだけでは点数化することが出来ないので、試験管も実際の人間が行い、採点も一枚一枚、人間が行っていますので受験料がその分だけ割高になっていますが、仕方がありませんね。
ということで、L&Rのテストと何が違うか、という疑問については、
- 形式が違う(機械式、マークシート式のL&Rテストに対して対面式、記述式であること)
- 値段が違う(5000円少々のL&Rテストに対して2倍ほどの10000円少々と少しお高めの設定)
大きな違いはこの二点です。
S&Wはどんな人が受けているの?
では、次に、受ける必要はあるの?という疑問点についてですが、答えは『時と場合によります』ということになります。(あまり答えとしては良い答えではありませんが笑)
では必要な場合はどのような場合か、と言いますと、
- 受験する学校で出願条件にTOEIC L&RだけでなくS&Wのスコアも設定している場合
- 留学先で受け入れ条件にTOEICS&Wのスコアを設定している場合
- 会社等の昇進条件としてTOEIC L&RだけでなくS&Wのスコアも設定している場合
主に上記3通りの場合に該当する方は、受ける必要があることになります。(こうして書き出してみると、受験者はずいぶん限定的だなと思います)
もちろん、必要性はないけれど腕試しとして挑戦してみたい、とか、現在の自分の英語のレベルを4技能別に正確に把握しておきたい、という方も受験して無駄になることは決してありません。
でも周囲にまだあまり受けた経験のある人がいないと思いますし、対策本もそんなに出回っていないので、ほとんどの人はどんな対策を立てたらよいのかわからないと思います。
S&W試験、受けるならどう対策するのが良い?
上記でも述べましたが、S&W試験は受験者が限定的であり、定石とも言える対策方法が少ないため、私自身が受験した際に実施した対策方法について簡単にご紹介します。
まず、Speaking対策ですが、これはもちろん、どれだけ英語を発話出来るかどうかの力を試すテストですので、黙ってしまうことなく文法を間違えても発音が悪くてもかまわないので(正しいに越したことはありませんが)とにかく回答を求められていることを理解して口頭で何とか発話して自分の考えや自分が回答にふさわしいと思う内容を短時間で言葉にして伝える、というスキルです。
これは普段から行っていないと、本番前に何度か練習した程度ではどうしても難しいと思いますから、普段から思ったことを英語で発話する練習をしておいた方が良いと思います。
例えば、下手な英語でも良いので、今から1時間は家族で英語でしか会話しない、と決めて用事を何とかお互いに英語で伝え合う、というような練習とか、オンライン英会話など格安のシステムを利用して毎日数十分でいいから英語しか通じない相手と英語で会話する機会を作る、という簡単なものです。
やるべきなのはわかっていても、なかなか気が進むものではないと思いますが、これをやらなければ実際に発話できるようになりませんから、TOEIC S&Wを受験する必要がある方は堪忍して、早めに練習を始めるべきでしょう。
またWritingの方はどう対策したら良いかというと、シャイな日本人としてはSpeakingほど敷居は高くありませんが、やはりSpeaking同様に毎日少しずつでも書く練習を積み重ねていって、自分が考えていることを英語で文字にする、ということ自体に慣れておく必要があります。
これには相手が必要ありませんので、4〜5行の短めの英語日記を毎日つける、等であれば誰でもノートと鉛筆さえあれば気軽に始めることが出来ますから、ぜひすぐにでも始めてみてください。このWritingの場合は、書いたことが正しいかどうか添削してくれる人が必要になるのですが、そこは塾の先生は学校の先生、英語が得意な友達にお願いするなどして、工夫してみて下さい。
多様化する英語力に対応するために
このように、英語も年々総合的な力が要求されるようになってきています。
もう、語彙が豊富で英文法が得意なだけでは国際社会では通用しない、ということだと思います。それよりも、実用性がある英語力が重視される傾向が高まっています。(この”実用性”という言葉の明確な定義は非常に難しいですが…)
多少文法が間違っていても通じればかまわないので、コミュニケーション力としての英語を身に着けよう、という風潮が大学入試制度の改革にもつながっているように思います。
でもその方が、英語としては勉強していても楽しいことは間違いなしです。
日本人でも当たり前のように英語でやり取りができるようになる時代がくればいいな、と思いますから、特にこれからの時代を担う諸君はコミュニケーション重視の英語力を身に着けることにますます専念していただきたいな、と思います。
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