近年、あらゆる場面で注目されているTOEICのスコア(あくまで注目度が高いのは日本や韓国などの限定的な地域ではあります)ですが、取得するべきなのはわかっていても、「まだ受けるようなレベルではないからもうちょっときちんと準備してから…」と、受験自体をためらう人も少なくありません。
そこで今回は、TOEICはためらうべき種類の資格試験ではないのだ、という点について力説したいと思います。(もちろん、何の準備も対策もせず、気軽に受験するには検定料がいささか高額な点は注意が必要ですが…)
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TOEICには合格・不合格の基準がない
TOEICはきちんと準備をしてから臨むものではないと言える第一の理由に、TOEICには合格・不合格が基準がない、という点が挙げられます。
合格・不合格を設けていない、ということは、ボーダーラインに到達しているレベルかどうかで受験者を判断するのではなく、あくまで自然な状態で、点数でいうと990点満点中でおよそどのぐらいのレベルに自分が居るのかどうかを客観的に判断することを目的とした試験である、ということです。(ちなみに、どんなに間違えても10点前後の点数になるので0点になることはありません)
つまり、スコアが低いからといって英語のレベルが低い、ということではなく、客観的に今は日常会話は難なく行けるレベルだけれどビジネスレベルの会話になってくると少し補強が必要ですよ、といった指針を得るために現在のレベルを確認する、ということなのです。ですから、TOEICはとにかく受けてみないと話が始まらない、ということがよくお分かりいただけると思います。
まず、今現在の自分の英語力を把握し、最終的な目標としてどの程度の点数を取りたいのかを逆算することから始めてみましょう。
TOEICはほぼ毎月開催している
次に、TOEICが他の語学系の資格試験と決定的に違う点は、ほぼ毎月開催しているという点です。(英検が年2回の実施と考えるとかなり多く感じる方もいらっしゃるかと思います)
ほぼ毎月開催している、ということは、基本的にはその頻度に合わせて出来る限り毎回受験するのがベターだということです。
ほぼ毎月受験するとなると、どんな年齢の人でもじっくり対策をしてから受験する、ということは中々出来ないと思われますので、検定を主催している方も、あるいは検定を何らかの判断基準にしようとしている方も、それを期待していない、ということになります。では何を期待しているのか、というと、場数を踏んでコツをつかんだり、徐々に時間内に解答出来る問題数を増加させていって、最後は完答できるところまで情報処理能力をあげることに前向きに取り組む姿勢を期待しているのです。
そうして、その結果として(場数を踏んで慣れた結果として)TOEICのスコアも徐々にあがってくることは、TOEICのスコアを何らかの判断基準にしようとしている側はわかっているので、TOEICはスコア以上にその人を物語る、ということはそういうことだと思います。(要は目標に向かってコツコツ努力できる人、というのがポイントなのです)
したがって、これからTOEICを受けようとなさっているのなら、ぜひ時間(とお金)が許す限り毎月受験しましょう。対策が万全かどうかはあまり気にされなくて大丈夫です。
問題自体はそれほど難解なものではない
上記で述べて来たような判断基準のためにあるTOEICなので、時間をかけて万全な対策を必要としないだけあって、問題自体もそれほど難解といえるものではありません。
もちろん、中にはビジネスレベルの単語が使われている問題もありますが、単語がわからなくても文脈から正解を導くことが出来るように問題が作られていますし、基本的には日常生活で必要なレベルの張り紙とかパンフレットとかレストランのメニューなどの比較的親しみやすいものが問題として出されますので、現に小学生でも何度か受験して慣れてくると、ビジネスマンが査定の評価のボーダーラインとなる640点を簡単に上回ってしまったりすることも珍しくありません。(個人的にはこの640点というボーダーもどうなのか?という気がしないでもないですが…)
ですからもし、何らかの対策をする時間が少しでも取れる状況なら、真面目に机に向かってガッツリ過去問を勉強するのではなく、英語で映画を視聴したり、英語の絵本や新聞、ホームページなどを見たり、外国人とメールのやり取りをしてみたりといった日常的な英語に『触れる』チャンスを増やしてみてください。それだけで十分にスコアアップの効果が期待出来ます。そして、それがTOEIC本来の存在意義なのです。
TOEICは語彙力より情報処理能力&ソフトスキル
これらのことを総合して考えると、TOEICは勉強としての英語力を判断するというよりも、その人の情報処理能力やソフトスキル(処世術?)を判断するものと言えると思います。
これからの時代は、机に向かって真面目に読み書きをしたり、辞書とにらめっこして単語帳を作って知っている語彙の数を増やすことよりも、手早くやるべきことを片づけて、家族や仲間と楽しく遊びや食事に出かけたり、お得な情報を見逃さないとか、国を超えて高い交渉スキルを持つ、ということがより価値あるものとして見られるのだということでしょう。(多くの企業でも生産性を重視した施策を行う動きが見られます)
そんな、今の時代を反映した資格試験がTOEICなのです。さあ来月から、気軽にTOEICを受験してみませんか。
きっとあなたの付加価値としてだけでなく、目の前の世界がもっともっと開けるはずです。
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