公民の勉強法~公民が苦手な人への処方箋

中学受験の社会では、地理と歴史に重点が置かれ、地理4:歴史4:公民2の割合で出題されることが多いです。公民分野の出題は少ない印象ですが、実は時事問題、地理、歴史に絡めた総合問題を作りやすいのです。ですから、ぱっと見て出題量が少ないように見えて、実は公民分野の正確な理解が問われる問題の出題率は意外と高いのです。

公民分野は、難しい、抽象的で分かりにくいイメージを持たれがちですが、現代に生きる私たちの生活に直結している分野ですので、社会の仕組みに関心をもって勉強する必要があります。

今回は、公民分野について、ダメな勉強法と成績を上げるために守るべきルールについて書いていきます。

ダメな勉強法

単語だけ覚える

地理、歴史と同様ですが、単語だけを覚える勉強法では点数を取ることはできません。特に公民分野の場合は、使われることばそのものが難しいことが多く、ことばの意味までしっかり知っておく必要があります。

たとえば政治であれば、「三権分立」ということばだけではなく、それはどういう意味なのかなぜ三権分立が必要なのか三権とはそもそも何か三権分立は誰が主張したのかなど、ことばの意味や背景、必要になる理由までしっかり理解しておくことが必要です。

世の中の仕組みを理解しようとせずに暗記する

歴史は歴史に興味がある人、地理は旅行が好きだったり地図が好きな人が興味を持つのですが、公民に関しては興味があるというお子さんはほとんどいないでしょう。

なぜかというと、公民は社会の仕組みに関する分野ですから、社会の仕組みに関心がないお子さんにとっては興味そのものが持てず、理解するのも難しいのです。しかし、世の中の仕組みに興味がなくては、将来成長し、選挙権を行使する年齢になったとしても、あるいは税金を支払うようになっても、なぜそういう権利や義務があるのかすら理解できず、社会から取り残されてしまいます。

たしかに難しいことばや概念が出てきますから、小学生に完全に理解することは難しいでしょう。しかし、世の中がどのように動いているのか、その点に興味を持つだけで、公民の成績は上がる可能性が十分あるのです。

成績を上げるために守るべきルール

世の中の仕組みに関心を持って調べること

公民は、世の中の仕組みに関する分野です。その仕組みを理解すれば点数を取ることができるようになります。それ以前に、まず関心を持つ、イメージをつかむ必要があります。たとえば政治であれば、国会がどのような場所なのか、国会中継を見てみるのもよいでしょう。内容は難しくてわからなかったとしても、国民の代表である議員が議論している姿を見るとイメージがわきます。

経済であれば、税金に関しては住んでいる地方自治体のホームページを探してみるだけでも勉強になります。ふるさと納税(実際には寄付ですが)なども、最近では身近ですし、親御さんが実際にしているところを見れば興味もわくでしょう。

単語そのものを覚えることももちろん重要ですが、そのことばの意味自体を理解することを忘れないでください。そのためには、世の中の仕組みがどうなっているのか関心をっ持って調べ、理解することが前提です。その姿勢を持つことができれば、難しいことばであってもしっかり覚えることができますよ。

ニュースを見よう

公民は時事問題と絡めて出題されることが多いとはじめに述べました。時事問題といえば日々のニュースで話題になっていることですから、ニュースを見ているお子さんとそうでないお子さんでは大きな差がつきます。毎日少しでも良いのでニュースを見るようにしましょう。もちろん新聞でもいいですし、子ども向けニュース番組もあります。塾に行っていてニュースを見られない場合は録画したり、オンデマンドで見ることもできますから、いま、世の中で何が起こっているのか、興味をもって知るようにしましょう。

今回のまとめ

公民分野は出てくることば自体が難しいので、なかなか覚えるのが難しい分野ですが、自分が生きている社会の仕組みを知りたいという意欲をもって学習すれば、知識をしっかり身につけることができます。範囲そのものは(他分野との融合を考えても)多いわけではありませんし、公民の知識、理解があれば入試直前期に勉強する時事問題にも抵抗なく取り組めます

ニュースや新聞を通して、今話題になっている世の中の出来事について、ぜひ親子で話をする機会を持ってください。難しいことばは、例を挙げるなどして、一緒に覚え、考えるようにしてみてください。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。