【緑の制服が目印!】洗足学園中学校の算数の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策方法ついてもご紹介!

洗足学園中学校は、神奈川県川崎市高津区に所在する、中高一貫の私立女子中学校です。

学校法人洗足学園が運営する完全中高一貫校で、高校からの募集は行っていません。

一貫校としては珍しく、洗足学園音楽大学溝の口キャンパスと同一の敷地内に設置されています。

また、創立は1942年に遡り、前田若尾が旧平塚村(現在の東京都品川区)の自宅に創設した私塾が起源となっています。

自由な校風、特徴的な緑色の制服がトレードマークとなっています。

今回は、そのような洗足学園中学校の、算数の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

入試情報

問題構成

洗足学園中の算数は、試験時間50分に対し大問5〜6問、総設問数16問程度となっており、例年第1回から第3回までほとんど同じ問題構成になっています。大問数は2014年まで6問でしたが、2015年からは5問となっています。

大問5問のうち、第1問は計算問題が2問、第2問は一行問題が4問、第3〜5問では応用問題が出題されています。

解答形式

洗足学園中の算数は、問題用紙とは別に解答用紙が用意されています。

第1問の計算問題と第2・3問の一行問題は答えのみを解答欄に記入する形式でしたが、第4・5問の応用問題は途中式や考え方を記入する欄が用意されています。

そのため第1〜3問では、答え自体が正しくても、式や考え方が間違っていた場合、高得点は期待できません。

第4・5問は答え自体が間違っていても、式や考え方が正しかった場合、部分点をもらうことができます。

近年の出題内容

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

  • 頻出分野について

洗足学園中の算数は、第1問で計算問題、第2・3問で一行問題、第4・5問で応用問題が出題されています。

計算問題は基礎的な内容のものが2問出題されています。全体で見ても第1問は最も難易度が平易な問題なので、必ず得点しておきたい問題です。

一行問題は各分野の基本的な理解を問うような問題が合計4問出題されています。応用問題は一行問題よりも難易度がぐっと上がり、手のかかる問題が出題されています。

当校の算数では速さ・割合と比・図形・規則性・特殊算の問題が頻出で、これらの分野からはまんべんなく出題されています。

特殊算の問題は2年連続で同じ単元の問題が出題されるということはほとんどなく、毎年趣向を変えて出題されています。

またグラフを使う問題もよく出題されていて、旅人算や通過算、ニュートン算などと関連づけた問題が多いです。

  • 応用問題は難易度高め

洗足学園中の算数では、しばしば後半の応用問題にかなり難易度の高い問題が出題されています。

試験時間が50分であるのに対し大問数5問、総設問数が18問程度と他校と比べても時間に余裕があるわけではありません

また当校の算数では、問題文が比較的長い応用問題がたびたび出題されていることも特徴的です。そのため、応用問題も含めて、全ての問題を完璧に解き終えることはかなり難易度が高いです。

内容

出題分野・出題傾向についての詳細

【頻出分野】

  • 計算

四則計算、逆算、計算の工夫

  • 和と差

和差算、分配斬、消去算、つるかめ算、過不足算、年齢算

  • 割合と比

割合と比、濃度、仕事算、ニュートン算、還元算、相当算

  • 速さ

速さ、旅人算、通過算、流水算、時計算

  • 図形

図形・点の移動、表とグラフ

  • 規則性

植木算、周期算、数列、方陣算、図形と規則

洗足学園中の算数では、毎年第1問で計算問題が2問程度出題されています。計算問題は四則計算、逆算、計算の工夫など基本的な問題がほとんどです。全体で見ても第1問は最も難易度が平易なので、必ず得点しておきたい問題です。

第2・3問では、各単元の一行問題が4問程度出題されています。内容は各単元に関する基本的な理解を問うような問題がほとんどで、解きやすい問題がそろっています。

第4・5問では、応用問題が出題されています。他の学校と比べてもかなり難易度の高い問題がしばしば出題されています。

難易度が高いと言っても、いわゆる難問や奇問とよばれるような、高度なひらめきや思考力を必要とする問題ではありません。基本的には各単元についての理解を問う問題がほとんどです。

また当校の応用問題は、問題文が比較的長いことが特徴的です。試験時間に対して問題数が多く時間が限られた中で、多くの情報を処理しなければならないため、全ての問題を完璧に解き終えるのはかなり難しいと言えるでしょう。

当校の算数では速さ・割合と比・図形・規則性からの出題が頻出です。速さからは速さ、旅人算、通過算、流水算、時計算などが、割合と比からは割合と比、濃度、仕事算、ニュートン算、還元算、相当算などが、規則性からは植木算、周期算、数列、方陣算、図形と規則などから出題されています。

特に旅人算・点の移動・濃度の問題は頻出で、2018年度の入試では、全16問のうち8問がこれらの単元から出題されました。第4・5問の応用問題では、ほぼ毎年旅人算や濃度の問題が出題されています。

また特殊算の問題や、グラフに関連した問題も頻出度が高いです。特殊算は毎年2〜5題程度出題されています。連続で同じ単元から出題されるということはほとんどなく、毎年趣向を変えてまんべんなく出題されています。

グラフの問題は、旅人算や通過算、ニュートン算などと関連づけて出題されることが多いです。

対策方法

分野別対策法

図形対策

洗足学園中の算数入試は、図形からの出題頻度が高いです。なかでも、点の移動の問題がよく出題されています。点の移動の問題では、しばしば旅人算や通過算の考え方を必要とする場合があります。合わせて対策しておきましょう。

まずはそれぞれの問題の典型的な解き方や公式を身につけるため、標準的なレベルの問題集を一周して定型問題を一通り解きましょう。定型問題を一通りマスターしたら、過去問研究を行い、実際に出題されている問題の難易度を把握しましょう。

速さ対策

当校の算数では、速さの問題が頻出です。なかでも旅人算の問題がよく出題されます。

対策方法ですが、まずは標準的なレベルの問題集を一周して速さに関する定型問題を解き、速さの基本公式や定型問題の解法を理解しましょう。定型問題一通りマスターしたら過去問研究に移り、応用問題を説く上での実践的な力を身につけましょう。

また当校の算数では、しばしばグラフを使って解く速さの問題が出題されています。このような問題は、当校の他に鴎友学園女子中学校などでもよく出題されています。合わせて過去問研究に取り組むと良いでしょう。

計算対策

ここ最近の入試では、毎年大問1で必ず計算問題が出題されています。内容は分数・少数・整数を中心とした四則計算や逆算など、いずれも難易度は易しめであるため、必ず満点を目指したい内容となっています。

計算問題の対策としては、一度に大量の問題を解くというより、コツコツ少量の問題をこなしていく方が効果的です。計算問題のみを集めた問題集やドリルなども各出版社から発売されているので、自分の好きなものを1冊購入し、毎日3〜5 問程度のペースで進めていくと良いでしょう。その際、ただがむしゃらに解くというより、入試本番と同じように慎重に解き、解き終えた後も検算をして計算ミスを減らす努力をしましょう。

問題集別対策法

【おすすめの問題集】

  • 『予習シリーズ』 (中学受験の四谷大塚)

四谷大塚や早稲田アカデミーなどを始めとした中学受験大手塾と同じカリキュラムで算数の学習ができるシリーズ。各学年用の教材が出版されており、レベルに合った教材を選ぶことができます。予習シリーズ6年下まで一通り理解すれば中学受験における典型問題は一通りおさえることができます。予習シリーズが終了したら過去問研究に取り組みましょう。

また各ページに数問ずつ計算問題が掲載されているため、計画的に進めていけば、計算問題対策をすることもできます。このシリーズだけで基本〜標準レベルの問題をすべて網羅できる点が魅力的です。

洗足学園中の算数で頻出の、「旅人算」の定型問題を問題集からピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

【中学受験新演習 算数小6 実力アップ問題集】より

〜旅人算の問題、追いつきの旅人算と比〜

p.31〔6〕

家から学校まで行くのに姉は12分、妹は20分かかります。妹が家を出発してから6分後に、姉が家を出発して、妹を追いかけました。これについて、次の各問いに答えなさい。

⑴姉と妹の速さと比を求めなさい。

⑵姉が妹に追いつくのは、姉が家を出発してから何分後ですか。

【解説】

⑴5:3 ⑵9分後

⑴1/12:1/20=5:3

⑵姉の速さを5、妹の速さを3とすると、姉が出発する時までに妹が進んだ道のりは、3×6=18

姉が妹に追いつくのは、

18÷(5-3)=9(分後)

実際の過去問を解いてみよう!

洗足学園中学校の算数では、「計算」、「速さ」、「図形」、「和と差」、「数の性質」などが頻出です。これから、実際に出題された過去問を参考に、入試対策方法をご紹介します。

実際の出題例

(2020年度・第2問より抜粋)

【2】次の各問いに答えなさい。

⑴8%の食塩水Aと15%の食塩水Bを混ぜて、12%の食塩水をつくりました。食塩水AとBの混ぜる量の差が60gのとき、食塩水は全部で何gできましたか。

⑵コインを投げて表が出たらA君が5点、B君が3点、裏が出たらA君が3点、B君が5点もらえます。コインを何回か投げた後、A君が318点、B君が306点になりました。コインの表は何回出ましたか。

⑶冬休みの宿題を1日に5題ずつ解けばちょうど終わる予定でした。最初の6日間は1日に5題ずつ解きましたが、4日間1題も解かなかったので、11日目からは6題ずつ、冬休みの最後の3日間は9題ずつ解いてちょうど終わりました。冬休みは何日間ですか。

⑷4で割ると2余り、5で割ると3余り、6で割ると4余る3桁の整数は何個ありますか。

【解答】

  • ⑴ 420g
  • ⑵ 42個
  • ⑶ 21日間
  • ⑷ 15個

【解説】

    • (12−4):(15 −12)=3:4→逆比より、食塩水の量の比は④:③
    • この差である、④−③=①=60(g)
    • したがって、食塩水の量の合計は、④+③=⑦=60×7=420(g)
    • コインを投げて表が出ると、二人の点数は、A君の方が2点高くなる。
    • コインを投げて裏が出ると、二人の点数は、B君の方が2点高くなる。
    • 最終的に二人の点数の差は、318−306=12(点)分A君の方が高くなっているため、
    • 表が出た回数が、裏が出た回数よりも12÷2=6(回)多いと分かる。
    • B君の点数で考えると、(306−3×6)÷(5+3)=36(回)→裏が出た回数
    • よって、表が出た回数は、36+6=42(回)
    • 冬休みの日数を□日間とおく。
    • 5×□=5×6+9×3+6×{□−(6+4+3)}
    • これを解いて、□=21(日間)
    • 4で割ると2余る数は、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62…
    • 5で割ると3余る数は、8、13、18、23、28、33、38、43、48、53、58
    • 6で割ると4余る数は、10、16、22、28、34、40、46、52、58
    • 共通する一番小さい数は58であり、4と5と6の最小公倍数である60ずつ増えていく。
    • そのような数のうち、3桁の整数は、最大で958、最小で118。
    • よって、958−118=840、840÷60+1=15より、全部で15個ある。

【ポイント】

  • 洗足学園中学校では、第2問・第3問での様々な単元の一行問題が出題されています。前半の問題は、基本〜標準レベルの問題がほとんどで、定型問題と同じように解くことができます。
  • 難易度が比較的易しいため、満点を目指したい内容となっています。

合格点を取るには?

前半3問は確実に得点しよう

洗足学園中の算数は、第1〜3問が計算問題・一行問題、第4・5問が応用問題の問題構成です。

計算問題・一行問題は各単元についての基本的な理解を問うような問題がほとんどですが、応用問題はかなり難易度の高い問題も出題されています。そのため、高得点を取るためには前半3問で得点を稼ぐことが重要になります。

計算問題や一行問題は、各単元の定型問題をマスターしていれば十分解けるような問題がほとんどです。標準的な内容の問題集を一冊選び、繰り返し解いて定型問題の解法を身につけましょう

また、前半3問は答えのみを解答欄に記入する形式であるのに対し、後半の応用問題は、途中式や考え方も記入する形式となっています。そのため、答えまでたどり着かなくても、解法や途中式が正しければ部分点をもらうことができます。

試験が始まったら、まずは前半3問を全て解き終え、余った時間で後半2問を解きやすそうなものから順番に解いていき、部分点を稼ぐようにすると良いでしょう。

部分点をもらうには、途中式や考え方をコンパクトに、無駄なく記入することが求められます。普段問題を解くときから、必要な記述を考えて書くことを意識しましょう。

時間配分に注意する

洗足学園中の算数は、試験時間50分に対し大問6問、総設問数18問という問題構成です。他校と比べても時間にあまり余裕がありません

まずは得点しやすい前半3問を一通り解いたら、応用問題2問のうち自分の得意分野の問題や解きやすい問題から順番に解き、部分点を稼ぎましょう。

最後の5〜10分は必ず見直しの時間にあて、すでに解いた問題の解法や答えに間違いがないか、チェックするようにしましょう。

過去問研究はしっかりと

洗足学園中の算数は問題構成や出題形式にほとんど変化がなく、頻出分野にも偏りがあることが特徴的です。

また、試験時間に対し問題の分量が多いため、時間内で解く感覚を身につけたり、実際に出題されている問題の難易度を把握する必要があります。

定型問題を一通りマスターしたら過去問研究に取り組み、できるだけ多くの過去問を解きましょう。その際やみくもに解くのではなく、時間を計りながら解くことで、本番の感覚をつかむようにすると良いでしょう。

まとめ

今回は、洗足学園中の算数入試対策についてご紹介しました。当校の算数は大問5問、総設問数18問で、それぞれ第1問が計算問題、第2・3問が一行問題、第4・5問が応用問題となっています。

応用問題はかなり難易度の高い問題も出題されていますが、いわゆる難問や奇問と呼ばれるような、高度なひらめきや思考力を必要とするような問題は少なく、単元についての理解を問うような問題がほとんどです。

まずは定型問題を集めた標準的なレベルの問題集を繰り返し解いた上で、過去問研究に移り、応用問題に取り組む上で必要となる実践的な力を身につけましょう。

また、当校の算数は試験時間に対し問題数が多く、あまり時間に余裕がないことも特徴的です。時間配分や解く順番に注意しましょう。

算数は全科目の中で一番点差を分ける科目です。算数の点数が合否を分けると言っても過言ではないでしょう。入試本番まで時間は限られていますが、他科目とのバランスを考えつつ、限られた時間の中で優先順位に気をつけながら最大限の対策をしましょう。

おすすめ記事

参考

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

こんにちは。東京大学教育学部の福久はなです。 中高一貫の女子校出身で、中高6年間でバトントワリングというスポーツに熱中していました。大学受験を経て東京大学文科3類に入学してからは、大学から始めたダンスや、塾講師や家庭教師のアルバイトに打ち込んでいます。休日は友人とカフェ巡りをしたり、ショッピングをしたりなど外に出ていることが多いです。大学では教育学部に在籍しており、教育財政や教育経営などについて学んでいます。趣味は旅行で、夏休みや春休みなどの長期休みを利用して様々な国に旅に出ています。大学は高校時代に比べて長期休みの期間が長いので、海外など遠出の旅行をするのには絶好の機会です。世界史の教科書で見ていたような建築を実際に目にしたときには、なんとも言えない感動があります。これから私の中学受験・大学受験を含めた学習経験をもとに、皆さんの役に立つような、面白くて分かりやすい記事を書いていきます。 よろしくお願いします!