【系列校・内部進学あり】大妻中学校の社会の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策法をご紹介します!

大妻中学校・高等学校は、東京都千代田区三番町に所在する別学の私立女子校です。

完全中高一貫校であるため、高校からの募集は行っていません。

大妻多摩中学校・高等学校、大妻中野中学校・高等学校、大妻嵐山中学校・高等学校、函館大妻高等学校、大妻女子大学、大妻女子大学短期大学をはじめ、全国各地に系列校があることが特徴的です。

今回は、そのような大妻中学校の、社会の出題傾向や入試対策方法などについてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

大妻中学校の社会は、試験時間が30分、満点が50点となっています。試験時間に対して大問が3問、総設問数が30〜35問程度となっています。

大問数、総設問数ともにここ数年で安定しており、特に目立った増減は見られません。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民、時事含む)の3分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、融合問題などはあまり出題されていません。

近年の出題内容

2021年度

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

大妻中学校の社会は、試験時間が30分、満点が50点となっています。試験時間に対して大問が3問、総設問数が30〜35問程度となっています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からそれぞれ1問ずつ出題されることがほとんどです。複数分野を組み合わせた融合問題のようなものは出題されていません。

ここ数年でこの問題構成には特に変化がなく、大幅な増減などは見られません。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替えといった知識問題がほとんどです。

そのほかにも、各大問につき1問〜2問程度、1〜3行程度の記述問題が出題されることもあります。

出題傾向についての詳細

大妻中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

ここ最近の出題パターンを見てみると、大問数は3問、総設問数は30〜35問の間で増減を繰り返しています。

なかでも地理からは「国土と自然分野」「日本の各地方の気候」「日本の諸産業」といった問題が、歴史からは「文化史」「経済史」といった問題が、公民からは「国会の仕組み」「現代経済」についての問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

また、2020年度入試の合格者平均点は40.2点/50点(約80%)、受験者平均点は34.9点(約70%)となっています。社会が苦手な場合であっても75%〜80%程度の得点は目指したいところです。

また、毎年さまざまな形式の問題が出題されることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった知識問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき1、2問程度の記述問題が出題されることもあります。分量は1〜3行程度でそこまで多いわけではありませんが、論理的な記述が求められます

記述問題は、単純に知識や出来事の背景を問うような問題から、受験生自身の意見を問うような問題まで様々です。

特に時事問題などに関しては、出来事について理解するだけではなく、自分自身の意見を持っておくことが重要です。日々ニュースを見ながら、自分自身の意見について考える癖をつけるようにすると良いでしょう。

当校の社会は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が30分と、他の学校と比べてもかなり短いなかで、多い年では35問近い問題を時終えなければなりません。

1問あたりにかけることのできる時間は1分ほどしかなくかなり短いので、試験時間には余裕がありません時間がない中で完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

大妻中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも現代社会の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2020年度第1回・第3問より抜粋)

〔3〕お金と経済に関する次の文を読み、あとの問いに答えなさい。

経済のなかで①お金はさまざまな役割を果たしており、②政府と企業も③家計も、お金を使って経済活動をおこなっています。

約30年前にバブル経済が崩壊してから、日本の経済は停滞を続けました。2010年ごろから④税収は増えてきましたが、社会の変化を背景に⑤歳出も増えています。いまの日本では、こうした財政の問題や将来の⑥生活への不安から、⑦老後に備えてお金を使わず貯蓄する人も多いといわれています。

問1. 下線部①について、昨年4月、新しい図柄の紙幣が2024年に発行されることが発表されました。一万円札の図柄に選ばれた明治・大正時代の実業家の名前を答えなさい。

問2. 下線部②について、

⑴次のうち、内閣の仕事にあてはまるものを1つ選び、記号で答えなさい。

ア.予算案を審議し予算を決定する イ.外国の政府と条約を結ぶ ウ.不適切な裁判官をさばく エ.憲法改正を発議する オ.国政に関する調査をおこなう

⑵内閣の助言と承認のもと、日本国の( あ )である天皇は、儀礼的な行為をおこなうと憲法で定められています。( あ )にあてはまる語句を答え、儀礼的な行為にあてはまらないものを次から1つ選び、記号で答えなさい。

ア.国会の召集 イ.法律や条約の公布 ウ.衆議院の解散 エ.最高裁判所長官の指名

問3 下線部③に関連して、高度経済成長以降、家庭生活の様子は大きく変わり、さまざまな電化製品などが普及しました。5つの製品の普及率を示した次のグラフを見て、A・Bにあてはまるものをそれぞれ選び、記号で答えなさい。

ア.カラーテレビ イ.白黒テレビ ウ.ビデオカメラ エ.乗用車 オ.電気冷蔵庫

問4 下線部④に関連して、

⑴2019年10月に税率の引き上げがおこなわれた消費税は、間接税の1つです。間接税とはどのような税ですか。解答らんに合わせて、15字以内で説明しなさい。

⑵次のうち、国に納める間接税にあたるものを1つ選び、記号で答えなさい。

ア.所得税 イ.住民税 ウ.法人税 エ.酒税 オ.自動車税

問5 下線部⑤について、右のグラフは、国の一般会計予算(2019年度)の歳出の内訳(割合)を示したものです。C費の額は、社会の変化にともなって30年前の約3倍になっています。また、D費の割合が増加すると、国がさまざまな政策を実施するためのお金が減ることになります。グラフ中のC・Dにあてはまるごくをア〜オよりそれぞれ選び、記号で答えなさい。

ア.文教・科学振興 イ.防衛 ウ.社会保障 エ.国債 オ.公共事業

問6 下線部⑥に関連して、日本国憲法第25条は「すべて国民は、( い )の生活を営む権利を有する」と定められています。( い )にあてはまるごくを11字で答えなさい。

問7 下線部⑦について、2019年6月、金融庁は、老後の生活に必要な資金は( う )だけでは足りないとの報告書を発表しました。老齢( う )は、原則として( え )歳から受け取ることができますが、希望者は、受給開始年齢を遅らせる代わりに、支給額を増やすことができます。( う )・( え )にあてはまる語句・数字を答えなさい。

【答え】

  • 問1 渋沢栄一
  • 問2 ⑴イ ⑵象徴 エ
  • 問3 Aオ Bア
  • 問4 ⑴支払う人と納める人が異なる税金。
  • 問5 Cウ Dエ
  • 問6 健康で文化的な最低限度
  • 問7 う年金 え65

〔ポイント〕

  • 今回のテーマは「お金と経済」に関する様々な話題です。
  • 大妻中学校の社会は、今回の問題のように、基本的な用語説明や記号選択などの知識問題がほとんどで、記述問題などはほとんど出題されていません。
  • 全体的に難易度はそこまで高い訳ではありませんが、今まで身につけた知識を組み合わせて考える複雑な思考力が求められます。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

大妻中学校の社会では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては、「今まで学習した内容を関連づけて推測する」ような、一筋縄ではいかないようなものもあります。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう

過去問演習は入念に

大妻中学校の社会では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験社会でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題、並び替え問題が大部分を占めています。

また、各大問につき1、2問程度は記述問題が出題されることもあります。内容は基本的な知識を問うものがほとんどで、1〜3行程度の分量のものが多いです。

また、主に時事問題関連の大問では、自分自身の意見を問うような問題も出題されています。普段ニュースを見ながら、自分がどのようにそのニュースを捉えたか言語化できるようにしておくと良いでしょう。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は本番までにあらかじめしっかりと行いましょう。

時間配分は慎重に

大妻中学校の社会は、試験時間が30分、満点が50点となっています。試験時間に対して大問が3問、総設問数が30〜35問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は1分程度となっており、非常に時間に余裕がないことが特徴的です。

かなり手ごたえのある問題も多いため、記号選択形式が中心だからといって油断せず、冷静に取り組みましょう

試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

ここ数年で特に大きな傾向の変化などは見られませんが、昨年度と大きく傾向が変化しても焦らず、落ち着いて取り組みましょう。

まとめ

今回は、大妻中学校の入試情報や、社会の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の社会は、試験時間が30分、満点が50点となっています。試験時間に対して大問が3問、総設問数が30〜35問程度となっており、試験時間に対する問題量がかなり多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択や用語記述といった知識問題がほとんどである」、「さまざまなな分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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