数学Ⅰ因数分解の導入と具体的な計算方法について-[寝ながら学べる数学講座]

因数分解とは?

因数分解とは、1つの整式を整式の掛け算の形に変形することを指す。

例えば、最も基本的な構造を挙げれば

\(nx+ny=n(x+y)\)

といったものが考えられる。

この式では、\(n\)が共通の因数となっており、\((x+y)\)の外に\(n\)を括り出した形となっている。

以下で、因数分解を学習するにあたって必要な公式を2次式、3次式の順で紹介する。

因数分解の公式

2次式の因数分解の公式

  • ①\(x^{2}+2xy+y^{2}=(x+y)^{2}\)
  • ②\(x^{2}-2xy+y^{2}=(x-y)^{2}\)
  • ③\(x^{2}-y^{2}=(x+y)(x-y)\)
  • ④\(x^{2}+(p+q)x+pq=(x+p)(x+q)\)
  • ⑤\(abx^{2}+(aq+bp)x+pq=(ax+p)(bx+q)\)

⑤は慣れていないと少々難しいが、ここでたすき掛けという計算方法を用いる。

\(abx^{2}+(aq+bp)x+pq=(ax+p)(bx+q)\)

において、

たすき掛けのイメージ

たすき掛けのイメージ

以上のような計算を行うことをたすき掛けと呼ぶ。練習問題をいくつか用意してあるため、よく練習し慣れる必要がある。

3次式の因数分解の公式

  • ①\(x^{3}+y^{3}=(x+y)(x^{2}-xy+y^{2})\)
  • ②\(x^{3}-y^{3}=(x-y)(x^{2}+xy+y^{2})\)
  • ③\(x^{3}+3x^{2}y+3xy^{2}+y^{3}=(x+y)^{3}\)
  • ④\(x^{3}-3x^{2}y+3xy^{2}-y^{3}=(x-y)^{3}\)

演習問題

問1. 2次式の因数分解

次の式を因数分解しなさい。

  • ①\(3a^{2}bx+6ab^{3}x+12abx^{2}\)
  • ②\((a+b)^{3}-ap-bp\)
  • ③\(x^{2}+12x+36\)
  • ④\(4a^{2}+28a+49\)
  • ⑤\(9x^{2}-24x+16\)
  • ⑥\(x^{2}+11x+28\)
  • ⑦\(x^{2}-2x-63\)
  • ⑧\(6x^{2}+17x+12\)
  • ⑨\(8p^{2}+22pq+15q^{2}\)

問2. 3次式の因数分解

次の式を因数分解しなさい。

  • ①\(a^{3}-64\)
  • ②\(8x^{3}+27y^{3}\)
  • ③\(p^{3}+12p^{2}+48p+64\)
  • ④\(8x^{3}-36x^{2}+54x-27\)

演習問題の解答

問1. 2次式の因数分解

次の式を因数分解しなさい。

  • ①\(3a^{2}bx+6ab^{3}x+12abx^{2}=3abx(a+2b^{2}+4x)\)
  • ②\((a+b)^{3}-ap-bp=(a+b)\{(a+b)^{2}-p\}=(a+b)(a^{2}+2ab+b^{2}-p)\)
  • ③\(x^{2}+12x+36=(x+6)^{2}\)
  • ④\(4a^{2}+28a+49=(2a+7)^{2}\)
  • ⑤\(9x^{2}-24x+16=(3x-4)^{2}\)
  • ⑥\(x^{2}+11x+28=(x+4)(x+7)\)
  • ⑦\(x^{2}-2x-63=(x+7)(x-9)\)
  • ⑧\(6x^{2}+17x+12=(2x+3)(3x+4)\)
  • ⑨\(8p^{2}+22pq+15q^{2}=(2p+3q)(4p+5q)\)

問2. 3次式の因数分解

次の式を因数分解しなさい。

  • ①\(a^{3}-64=(a-4)(a^{2}+4x+16)\)
  • ②\(8x^{3}+27y^{3}=(2x+3y)(4x^{2}+6xy+9y^{2})\)
  • ③\(p^{3}+12p^{2}+48p+64=(p+4)^{3}\)
  • ④\(8x^{3}-36x^{2}+54x-27=(2x-3)^{3}\)

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