規則性の問題の出題パターン3選!【練習プリントあり】

今回取り上げるのは規則性に関する問題です。規則性といってもその中身は様々で,魔法陣やカレンダーといったものもこの分野の問題といえます。中には数字でない記号の並びから法則性を見出す,というものもありますが,本記事ではその中でも横一列に数字が並ぶ数列について取り扱っていきます。

この数列が規則性の問題では最もオーソドックスです。したがって数列の問題が解けるようになれば,自然と他の問題にも対応する力が養われるでしょう。今回は標準的な難易度で,なおかつ出題頻度の高いものをピックアップし,問題集の形式でご紹介いたします。

パターン①数が増えていく数列

まずは数が増えていく数列です。言葉だけではどのようなものを表しているか伝わりづらいので,まずは次に問題を見てみましょう。よろしければ以下の解説を見る前に,自力で解けるかどうか挑戦してみましょう。

下のように,ある規則にしたがって11から2018までの数が並んでいます。

11, 14, 17, 20, 23, 26, ……, 2015, 2018

このとき,次の問に答えなさい。

(1)はじめから数えて30番目の数を求めなさい。

(2)2018は,初めから数えて何番目の数ですか。

(青稜中学校(2018),一部改題)

解説①

間隔と位置に注目しよう

ではさっそくですが解説に移りましょう。このような問題は慣れることが何より重要です。そのため少し考えてみて難しいかもしれない,と思った方は次の段落から始まる解説と攻略法を参考にしてみましょう。

まず数列を見ると,左から右に徐々に数が大きくなっていることがわかります。そして増えていく間隔が3であることもわかると思います。例えば11の次の数字は11+3=14であり,その次は14+3=17といった具合です。

この数字と数字の間隔が数列の規則を考えるのに重要になります。したがってなんだか数がどんどん大きくなっているな,と感じたときはまず間隔に注目してみましょう。

次に注目するのが数字の位置です。これは一番はじめの数から数えて何番目か,という意味です。これだけなら簡単ですね。14なら2番目17なら3番目となるのは一目瞭然です。

そしてこの間隔と位置との関係を考えていくことが大切です。

関係性を考えよう

間隔と位置との関係とは,何番目の数字は1番目と比べてどれだけ数が増えているか,ということを指します。このことが規則性を指すのです。1番目の11と数字を基準にして考えたとき,この問題では次のような関係性が浮かび上がります。

2番目の数字は14=11+3×1

3番目の数字は17=14+3=11+3×2

4番目の数字は20=14+6=11+3×3

番目の数字は11+3×(□-1)

□+1番目の数字は11+3×

このように数列のはじめから数字を辿り,何番目にあるのかとどれだけ増えているかを対照させると法則性を導くことができます。今回は□番目にある数は11に3×(□より1小さい数)を足した数になるという規則が見えてきました。この規則を見つけることが規則性の問題では最も大事です。そして規則を使うことで問題を解くことができます。

規則を活用しよう

まず(1)から考えていきます。はじめから数えて30番目の数ですが,この数字の値は上の法則に従うと,11に3×(30から1小さい数)を足したものになります。したがって以下のように答えを計算できます。

11+3×(30-1)=11+3×29=11+87=98

したがってはじめから数えて30番目の数は98となります。

次に(2)について考えましょう。上の規則に従うと2018という数は□番目にあるとき,11に3×(□より1小さい数)を足したものになっています。そのため下の式を□について解くと,

11+3×(□-1)=2018

3×(□-1)=2007

□-1= 669

□=670

となります。このことから2018ははじめから数えて670番目の数になるといえます。

A.(1)98(2)670番目

まとめ①

本記事では最初にだんだん数が増えていく数列について,攻略法を解説してきました。改めて解く際のポイントをおさらいしましょう。

  • 数が増えていく数列ではまず数字と数字の間隔に注目しよう!
  • 「数字が何番目にあるのか」と「数字がいくつ増えているのか」を対照させ,関係性を考えよう!
  • 導いた関係性を利用して,□の中に当てはまる数字を計算しよう!

パターン②

次からご紹介するのは,数が増えていくという規則ではない数列です。本章ではその中でもわかりやすい例題を引用しました。よろしければまずは自分の力で挑戦してみてください。

2, 0, 1, 7, 2, 2, 0, 0, 1, 1, 7, 7, 2, 2, 2, 0, 0, 0, 1, 1, 1, 7, 7, 7, ……のように2,0,1,7の数がそれぞれ1つずつ増えながら,並んでいる数の列があります。このとき,3番目の数は1で,7番目の数は0です。次の問いに答えなさい。

(1)30番目の数は何ですか。

(2)2017番目の数は何ですか。

(暁星中学校(2017),一部改題)

解説②

かたまりに注目しよう

それではここからは解説に移ります。今回の問題はあらかじめ文の中で数列の規則について触れられていました。2,0,1,7の数がそれぞれ1つずつ増えていく,というものですね。この数列は一目で分かる通り,①のような単純増加の数列でないことは確かです。したがって間隔に注目するという手法は取れません。しかし位置に注目することはできます。

このような数列ではいくつかの数字が集まって1つのかたまりになっていることがほとんどです。例えば1番目の数字から4番目の数字は,この4つの数字で2,0,1,7の並びが完成するので1つのかたまりだと言えそうです。そして次は5番目から12番目の数字について,ここでまた2,0,1,7の並びが出来上がるので,これも1つのかたまりだと言えそうです。

つまりこの数列は2,0,1,7の繰り返しかたまりが次々に作られていくものだ,と言えます。このことをわかりやすく整理すると次のように表せます。なお,|はかたまりの区切りを表しています。

2, 0, 1, 7, | 2, 2, 0, 0, 1, 1, 7, 7, |  2, 2, 2, 0, 0, 0, 1, 1, 1, 7, 7, 7, | ……

ちなみに①の問題でもこのかたまりの考え方を使うと,1つの数字ごとに3増えているということから数字1つでできるかたまりからなる数列だとみなすこともできます。

11, | 14, | 17, | 20, | 23, | 26, | ……, | 2015, | 2018

数字の位置との関連性を考えよう

次に考えるのは数字の位置との関係です。ここではそれぞれのかたまりの終わりが何番目の数字か,について見ていくことにしましょう。すると次のような法則が導けます。

1番目のかたまりの終わりは4=4×1番目

2番目のかたまりの終わりは12=4+4×2番目

3番目のかたまりの終わりは24=12+4×3番目

番目のかたまりの終わりは(4+12+24+……+4×(□-1)+4×)番目

このようにかたまりの終わりに注目すると,□番目のかたまりの終わりは(それまでのかたまりに含まれている数+4×□)番目だと分かりました。

このことから分かるのは,ある位置の数字が何かを知るためには,まずその数字が何番目のかたまりの中にあるか注目すればいいということです。例えば10番目の数字は4番目の数字よりも右,12番目の数字よりも左に存在します。したがって10番目は2番目のかたまりにある,という感じです。

そしてかたまりが分かったら,その中にいくつの2,0,1,7のセットが存在するかを考えます。これは1番目ならば1組,2番目なら2組,……番目なら組であるのは既に明らかになっているので簡単でしょう。

上の例の10番目の数字で見るならば,2番目のかたまりには2組存在します。したがって5番目・6番目は2,7番目・8番目は0,9番目・10番目は1,となると分かり,10番目の数字は1だと結論づけられるのです。

規則を活用しよう

ではこの法則を使って問題を解きましょう。まず(1)の30番目の数ですが,この数字がどこのかたまりに含まれているのか,から考えます。上で見たように,1番目のかたまりの終わりは4番目,2番目のかたまりの終わりは4+4×2=12番目,……でした。これを繰り返すことで30がどこの間に含まれるかを考えます。

3番目のかたまりの終わりは12+4×3=24番目

4番目のかたまりの終わりは24+4×4=40番目

したがって30番目は24番目の数よりも右・40番目の数よりも左にあり,4番目のかたまりに含まれることが分かります。そしてこの中には4セットの2,0,1,7があるため,25・26・27・28番目の数字は2,29・30・31・32番目の数字は0,……であるため,30番目の数字は0となります。

同じような手順で(2)の2017番目の数字についても考えます。やり方は(1)と同じですが,数が大きいため少し計算がややこしくなります。めげずに頑張りましょう。

5番目のかたまりの終わりは40+4×5=60番目

6番目のかたまりの終わりは60+4×6=84番目

31番目のかたまりの終わりは1860+4×31=1984番目

32番目のかたまりの終わりは1984+4×32=2112番目

このことから2017番目は32番目のかたまりにあることがわかります。そしてこのかたまりにおいては2,0,1,7のセットが32組存在するので,1985番目〜2016番目は2,2017番目から2048番目は0,……だと分かります。よって2017番目の数字は0となります。

A.(1) 0(2) 0

この問題は階差数列というもので,(1)はともかく(2)については実はここで取り上げた解き方を使うのは現実的ではないです。この階差数列が出てきた場合のよりわかりやすい解き方はまたの機会にご紹介できたらと思いますが,単純増加でない数列の解き方として応用が効くテクニックなので覚えてもらえると役に立つでしょう。

まとめ②

2つ目の例題では,数字の増減や大小に関係なく続いていく数列について取り扱いました。ここでも学んだ攻略法について復習しておきましょう。

  • 単純増加ではない数列はかたまりを見極める!
  • かたまりの終わりの数が何番目かについて注目し,どのかたまりの中にあるか判別しよう!

パターン③

最後にご紹介するのは分数の問題です。そして②のようにあらかじめどのように並んでいる数列かの説明もありません。しかしかたまりを見極めることを行えば解答の手がかりが見えてくるはずです。一度自分でチャレンジしてみましょう!

ある規則に従って,分数が次のように並んでいます。

\(\frac{1}{1}, \frac{1}{2}, \frac{3}{2}, \frac{1}{3}, \frac{3}{3}, \frac{5}{3}, \frac{1}{4}, \frac{3}{4}, \frac{5}{4}, \frac{7}{4}, \frac{1}{5}\)

次の各問いに答えなさい。

(1)\( \frac{1}{11}\)は第何番目の分数ですか。

(2)はじめから\( \frac{1}{11}\)までの分数の和はいくつですか。

(共立女子中学校(2014),一部改題)

解説

かたまりに注目しよう

この分数の数列は数が増えていくものではないため,最初にかたまりに分ける必要があります。まず分母に注目すると,1番目が1,2番目・3番目が2,4番目・5番目・6番目が3……となっていますね。次に分子に注目すると,1番目が1,2番目・3番目が1・3,4番目・5番目・6番目が1・3・5……となっています。

つまり,分母分子ともに1番目|2番目・3番目|4番目・5番目・6番目|……と数字が変化しているわけです。したがって数列は次のようなかたまりに分けて表せます。

\(\frac{1}{1}, | \frac{1}{2}, \frac{3}{2}, | \frac{1}{3}, \frac{3}{3}, \frac{5}{3}, | \frac{1}{4}, \frac{3}{4}, \frac{5}{4}, \frac{7}{4}, | \frac{1}{5}\)

規則性を考えよう

そしてこのかたまりの位置分母・分子の値,および中に含まれる数字の個数を考えると,次のような関係にあることがわかります。

1番目のかたまりの分母は1で,中身は1

2番目のかたまりの分母は2で,中身は2

3番目のかたまりの分母は3で,中身は3

番目のかたまりの分母はで,中身は

また,②と同じようにかたまりの終わりの数にも注目してみましょう。

1番目のかたまりの終わりは1番目

2番目のかたまりの終わりは1+2=3­番目

3番目のかたまりの終わりは1+2+3=5番目

番目のかたまりの終わりは1+2+……+番目

以上の規則性が浮かび上がりました。②でも③でも共通することですが,かたまりを作ることを意識すると規則性を見つけやすくなるかと思われます。ぜひ参考にしてみてください。

問題を解こう

では問題を解いていきましょう。まず(1)ですが,\(\frac{1}{11}\)は分母が11です。したがって11番目のかたまりにあることがわかります。そして分子が1のため,1,3,5,……という分子の法則性に従うと,この数字は11番目のかたまりの最初にあることが判断できます。

ここで10番目のかたまりの終わりの数は,上で見た規則に従うと1+2+3+……+10=55番目になります。そして11番目のかたまりはその次の位置から始まるので,\(\frac{1}{11}\)は56番目の数だと結論づけられます。

次に(2)で問われている\(\frac{1}{11}\)までの分数の和を求めましょう。ここで\(\frac{1}{11}\)が56番目の数だと分かったから56個の数字全部を足せばいいのか!と思った人は一回立ち止まりましょう。これも数列の規則から簡単に解くことができます。

ここでもかたまりが活用できます。それぞれのかたまりの中身の和について考えてみましょう。まず1番目のかたまりの和ですが,これは明らかに1ですね。次に2番目のかたまりの和ですが,これは2になります。そして3番目の和は3,4番目の和は4になります。このことから次のような規則性が見出せます。

1番目のかたまりに含まれる数字の和は1

2番目のかたまりに含まれる数字の和は2

3番目のかたまりに含まれる数字の和は3

番目のかたまりに含まれる数字の和は

したがって\(\frac{1}{11}\)までの分数の和は,1番目〜10番目までのそれぞれのかたまりの和に\(\frac{1}{11}\)を足すことで簡単に求められそうです。その値は以下のようにして計算できます。

\(1+2+3+……+10+\frac{1}{11}= 55\frac{1}{11}\)

よって答えは\(55\frac{1}{11}\)となります。

A.(1) 56番目,(2)\(55\frac{1}{11}\)

まとめ③

以上が単純増加ではない数列2つ目,分数の数列になります。これもあらためてポイントを整理しておきましょう。

  • 分数の数列は分子と分母の両方に注目しよう!
  • かたまりごとに和を計算すると,新たな規則性が浮かび上がることがある!

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最後に

今回は規則性の問題の典型的なパターンを3つご紹介しました。冒頭でも述べた通り,規則性の問題では慣れていないと解きづらいものが多いです。ですがそれは裏を返すと演習料を積めば積むほど合格に着実に近づく,ということでもあります。

本記事で取り上げたポイントは色々な規則性の問題で応用が効くものです。よろしければ今後の勉強の参考にしてみてください。

(ライター:大舘)

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