「等差数列」は植木算で考えるとわかる!等差数列の和の考え方3つもご紹介

中学受験算数において、「速さ」「図形」「割合」に次いで必要な単元のひとつは「規則性」です。

ずらっと並んだ数列を見て、IQテストなどを思い浮かべる方も多いでしょう。

規則性とは、決まりがわかれば書き出しても答えが出せる単元です。その規則性の中でも、等差数列」は計算で工夫して求めることができるので、最も得点に結びつけやすい内容です。規則性の基礎ともいえるでしょう。

それなのになぜ間違えてしまうことがあるのか?実は間違えやすいポイントがあるのです。

この記事の中では、等差数列に関する問題を間違えにくくするための考え方をご紹介していきます。

今回ご紹介した考え方で、実際に規則性の問題で間違えにくくなったという方も多いです。ぜひご参考にしてみてください。

等差数列とは?

数列とは、「ある決まりによって数を規則的に並べたもの」のことを言います。そしてその中でも等差数列は、「同じ数ずつ増える」という最もシンプルな数列です。

1,2,3,4,…,とただ数を数えるだけのものも、「1ずつ増える等差数列」です。速さの問題でも、「〇mずつ進む」という考え方は等差数列と同じです。

等差数列で間違えるのはなぜ?

お子さんは、「規則性の問題だと、なぜか少しだけ答えがずれていることが多い」という経験はないですか?

実はこれは、「最初の数」をちゃんと考えに入れているかどうかの違いです。

日暦算などでもよくあるのですが、規則性で少しずれた答えを出してしまう子は、「何日後」と「何日目」では意味が違うのを区別できていない可能性が高いです。最初の日を日数に入れるかどうかのところで、自分がどっちの考えをしているのかを判断できていないのです。

では、そのような間違いをどうしたら減らすことができるのかをお伝えしていきます。

規則性の基本は植木算!

たいていの塾のカリキュラムやテキストを見ても、規則性を学習する前に植木算を学習させていることはお気づきでしょうか。植木算の考え方を理解していないと、規則性の問題で間違えやすいです。

ここで植木算の問題をひとつ見てみましょう。

問題
道路の片側に、はしからはしまで12mおきに6本の木が植えられています。この道路の長さは何mですか。

【解答】 木の本数が6本ということは、12mの間があるのは6-1=5つです。12×(6-1)=60(m)が正解です。

この問題で、単純に見えた数字だけで考えてしまう子は、12×6=72(m)と答えます。

そういう場合には実際に絵を描いてみたり、指の本数と指の間の数で確認させてあげましょう。まずは数の少ない状態で理解をさせておかないと、木が100本や200本もあったら描くのが大変ですね。

「目で見た状態を頭の中で想像する」ということが定着できているかそうでないかで、算数の解く力は格段に変わります。低学年~4年生用の教材などで絵が多いのは、「見たことがないものを頭で想像する」ことが難しく、「あとで思い返せるようにまず見せる」という方が理解しやすいためです。

さてここで、規則性の問題と植木算がどう関わっているのかを見てみましょう。

数字=木だと考える!

植木算なら木を描いて考えられますが、数列だと数字が並んでいるだけで絵を描くことはないですよね。しかし、そこで数字を木に置き換えて考えてみると、計算で求める方法が見えてきます。

問題
1,5,9,13,…,とあるきまりにしたがって整数がならんでいます。この数列の50番目に出てくる整数はいくつですか。

【考え方】 数字は4ずつ増えている等差数列になっています。1番目の木を1として、50番目の木までに間は50-1=49(か所)あります。

【解答】 最初の1+4×(50-1)=197が正解です。

こういった問題では、1+4×50=201と答えてしまう間違いが多いと思います。ここでご紹介したように植木算のイメージを持って解いていると、そのような間違いは減らすことができるのでぜひお子さんに教えてあげましょう。

倍数から考える方法もある

上でご紹介したのと同じ問題を、別の切り口から解く方法もあります。4ずつ増える等差数列といえば、一番わかりやすいのは、4,8,12,16,…,とならぶ4の倍数です。これを利用して考えると次のようになります。

もはや植木いらないんじゃないの?というツッコミが聞こえてきそうです。その通りですね。

上のように、4の倍数の数列とならべて比較してみると、1から始まる数列のほうが4の倍数の数列よりも常に3小さい数字になっています。

ここから、4×50-3=197と求めることもできます。

等差数列の和の考え方3つ

等差数列の問題といえば、「□番目までの数の和はいくつですか」というような問題も定番です。

ここで、すべての数字を書き出してたすのは相当な時間と労力を消費し、なおかつミスもしやすいので、等差数列の和を求められるようにしておくとよいです。

はじからセットにする

まずは「1から10までの整数の和」を計算できるようにしましょう。

はしとはしから順番に2個ずつ1セットにして組を作っていくと、1+10=11になる組が、10÷2=5より5組できます。

(はじめの数)+(さいごの数)×個数÷2」という公式を丸暗記するよりも、「どうしてその式で求められるのか」を上のようにしっかり理解しておくと忘れにくくなりますよ。

2段にならべて考える

同じ問題を、次の考え方で教える場合もあります。

1から10までの数列の下に、10から1までの数列をならべて縦に足していくと、1+10=11になる組が10組できます。これが数列の2列分にあたるので、最後に「÷2」をするという考え方です。

この考え方でも先ほどの考え方と同じように、「(はじめ+さいご)×個数÷2」の式を理解することができるはずです。

数列の平均で考える

また、次のように考えることもできます。

今度は1から10ではなく、1から9で考えてみます。個数のほうが2でわり切れない場合は、数列の平均を求めて個数をかけるという考え方になります。

1から9までの数の平均は、(1+9)÷2=5です。これが個数分(=この場合は9個)あるので、5×9=45が1から9までの整数の和になります。ただこの場合にも、式で表すと「(はじめ+さいご)×個数÷2」という式になります。

個数が偶数だったら個数を÷2、個数が奇数だったらはじめの数と最後の数の和を÷2、という形で計算を工夫できるようにしておくと、さらにミスを減らせる可能性が上がります。

まとめ……の前に

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最後に

数列を植木で教えるタイプの先生は世の中全体でいうと少ないかもしれません。しかし、経験上、「数字だけの羅列だと何を表しているかまったくわからない子ども」というのが一定数いることは確かです。

具体的な単位や絵がないと、数からなにも読み取れない場合に、このような植木の中に数字をいれた形で教えてあげるとイメージがつきやすいようです。

単純な計算式が苦手な子の場合にも、具体的な例をあげてあげるとわかってくれることも多いです。

例えば、「200-(54+18×3)=□」という計算も、計算の優先順位を教えてあげるだけでできる子と、「例えば200円持っていて、54円のスナック菓子と18円のチョコ3個を買ったら残りは何円かな?」というように具体的なイメージを与えてあげれば理解できるという子がいます。

お子さんのタイプに合わせて周りの大人がうまくそのあたりを教えてあげられるとよいですね。

(ライター:桂川)

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