【中学受験】公立中高一貫校と私立中学の併願は可能?注意点は?

最近何かと話題の多い公立中高一貫校。専願で受験する方もいますが、私立中学と併願する方もいます。学費の安さもあり、人気はうなぎのぼりですね。

1校しか受験できないこともあり、最難関の公立中高一貫校は偏差値も上がっています。入試も適性検査とよばれ、学校ごとに特徴も様々です。

今回は、このような特徴のある公立中高一貫校と、私立中学の併願について考えてみたいと思います。

実はわが家も・・・

前回の連載記事で、意外と多いな、と感じたのは、公立中高一貫校を1校だけ受験する、という受験パターンを選択するご家庭です。実はわが家も、中学受験を考え始めた一番最初のきっかけは公立中高一貫校に親である私が興味を持ったからでした。

公立中高一貫校だけを受けるのか、私立中学も併願するのか、それによって受験作戦は変わってくるのでしょうか。対策はどのようにしていく必要があるのでしょうか。いろいろと普通の私立中学受験と違うのでしょうか。いろいろな疑問を持ちながら始めた中学受験だったのです。

公立中高一貫校の適性試験も対策は必要

周囲でも、公立中高一貫校を1校だけ専願で受験されるご家庭が意外と多いと感じたのですが、それは「思ったより多かった」という程度で、実際は私立と併願されているご家庭が多かったです。

息子が中学受験した当時は、都立小石川で30~40%、都立白鴎で10~15%程度が私立中学と併願する受験生がいるという記事が出たことがありました。また、私立中学と併願する場合は、わが家の周囲のご家庭では多くが公立中高一貫校を第一志望とされていました。

息子の友人の中に、公立中高一貫校を「塾なし」で受検し、残念ながら不合格だったご家庭もありました。ご両親がかなり受験に詳しく、公立中高一貫校に必要な勉強などを理解されている場合は、塾に通うことなく、ご家庭だけの対策で合格している方もいらっしゃるようなので、塾に行かなくても無事に合格するという場合ももちろんあるのだとは思います。

ですが、自宅での対策だけでは不合格になってしまった息子の友人は、学校の成績も良く、主要教科だけでなく美術や音楽も得意なお子さんだったので、多くのケースではやはり塾などで受検対策をしたうえで受検するほうが有効なのでは、と思います。

最近では、公立中高一貫校の専門コースを設けている塾も多いですが、わが家の周りでは通常のいわゆる私立中学を受験する進学塾に通い、公立中高一貫校と私立中学の併願をするというパターンで、最終的に両方とも合格しているお子さんが多かったように思います。

ちなみに、わが家では私が最初に興味を持ったのが公立の中高一貫校でしたが、息子が「好きなスポーツを思いっきりできる環境はどこか」を考えていくうちに、考えが変化していき、最終的には「大学附属の私立中学に進学する」という選択肢に親子ともども行き着きました。

公立中高一貫校対策であなどれない「報告書」

これは公立中高一貫校だけでなく私立中学でも求められることがあるのですが、小学校の成績や行動記録を小学校から提出する「報告書(調査書)」が、公立の一貫校では合否を決める際には結構なウエイトを占めるのです。

学校によって差がありますが、報告書のウエイトが低い学校でも8分の1程度、ウエイトが高い学校では何と3分の1近くの点数が、報告書に基づく点数で決められる場合もあるようです。わが家の息子が受験した私立中学でも、この報告書を提出する必要がありました。

わが家では、小学校6年生の時の若い女性の担任の先生と、元気すぎる(?)息子の相性があまり良くな井と感じていたので、報告書に何を書かれたのかな・・・と少し不安になったものです。私立中学においては、合格ギリギリのボーダーラインに数人がいた時に、この報告書で最終的に合否を決める、というような説明を家庭教師の先生から受けました。実際のところがどうなのかはわかりませんが・・・。

公立中高一貫校と併願しやすい私立中学って

公立中高一貫校の試験の特徴と言えば、やっぱり適性試験というだけあって、問題文やグラフ、資料などを読んで試行錯誤し、問題文と関連付けて自分の意見などを記述する内容が多いということだと思います。いわゆる私立中学の御三家系や難関校は、こういった傾向の問題が多いこともあり、併願される方もけっこう多いようです。

裏を返せば、それだけの上位層といわれる受験生が公立中高一貫校を受けている、ということでもありますよね。また、足立学園、小野学園女子、城西大学附属、上野学園、立正大学附属、共立女子第二、東京電気大、相模女子大、山手学院あたりも適性試験型の入試を取り入れているので、公立中高一貫と併願しやすいようです。

まとめ

ご家庭の方針にもよるかとは思いますが、公立中高一貫を第一志望としている場合は、私立中学を受験する場合よりも対策方法が少なく、結局は子どものもつ資質によって結果が決まるところが大きいと感じやすい傾向があるのではないでしょうか。そのため、家庭だけでの対策で何とかなりそう、と考えるご家庭が少なくないように思います。

たしかに、家庭だけのフォローで合格するケースもありますが、よほど中学受験の情報や問題の傾向などに精通していないと、結果は厳しいのが現状です。多くの場合は、塾などをうまく活用したり、併願校の傾向などをみて併願作戦を工夫することによって、うまく公立一貫校と私立中学との併願ができるのではないかな、と思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。