中学受験においては、実際に受験するのもお子さんですし、勉強するのもお子さんです。成績が上がるかどうか、合格するかしないかも最終的にはお子さん次第とわかってはいても、できることは何でもサポートしてあげたいのが親心ですよね。
でも、良かれと思ってしたサポート、それは本当にお子さんのためになっているのでしょうか?親身になってしたつもりのサポートでも、実はお子さんのためになっていないこともあるのです。
では、どのようなサポートが有効で、どのようなサポートがNGサポートなのでしょうか?今回は、目標設定を例に、まとめてみたいと思います。
客観的に見て目標を提案するのは有効なサポート
中学受験生と言えども小学生、子どもは自分で自分のことを客観的に見ることはできません。一生懸命勉強していても、目標とする学校のレベルにどのくらい頑張ればたどり着けるのか、実は理解できていない場合が多いのです。「頑張れば何でもできる」と思っていることもありますが、頑張っても合格までたどり着けないことがあることは、大人であればわかります。でも、子どもにはそこまでの客観性はまだ身についていないのです。
ここで親ができるサポートとしては、たとえば目標校の設定であれば、「子どもの実力を考慮し、適度な難易度の学校を目標として提案すること」です。親は、子どもが乗り越えられる目標かどうかを客観的に、冷静に考慮して目標設定を手伝いましょう。
もちろん、お子さんがあこがれているチャレンジ校を目標として設定する場面もあるでしょう。ですが、受験勉強をしていく中であまりに高い目標を掲げすぎると挫折しかけたときに精神的にリカバーすることが難しくなることもあります。その場合も想定して、チャレンジ校を第一志望校にすると同時に併願校作戦を水面下で進めておく、お子さんに合った学校、通わせてもよいと思える学校をいくつか見つけておくということが親のできるサポートとしてとても重要になってきます。
目標校だけでなく、普段の学習における目標設定でも同じです。適度な難易度設定をすること、まずわが子に必要な勉強は何か、苦手な単元があるならばいつまでにそれを克服するための時間をとるべきか、など、目標を提案してあげることは大事なことです。
最初からあまりに高い、漠然とした目標を掲げると途中で挫折しやすくなります。適度な難易度設定をすることによって、クリアする達成感をお子さんが得られれば、より高い目標設定に変更していくことも可能になります。
目標設定におけるNGサポート
「まだ子どもだから全部親が決めてあげよう」と勝手に親が目標を設定することはNGです。お子さんにとってみれば自分で決めた目標ではなく、一方的に与えられた目標ということになってしまいます。そうすると、勉強するときも「やらされている」という意識が抜けず、途中でうまくいかなくなったときに嫌になって投げ出してしまいかねません。
また、「お母さんが言ったから」と親のせいにすることもよくあることです。実際に勉強し、合格するために頑張るのはお子さんです。そして、合格した後その学校に通うのもお子さん自身です。やはり、親子でよく話し合って、お子さんにも納得のいく選択をさせてあげましょう。
また、普段の学習の中でも、「これをやりなさい」「あれをやりなさい」「お母さんが選んだ問題を解きなさい」と、お子さんのキャパシティを全く考えずに目標設定するのは、単なる「指示」です。そうすると、お子さんは「自分で考えること」をやめてしまいます。
もちろん、「こうすれば頑張れると思うよ」といった形で誘導していく、ということも必要になることはあります。その際も、あくまで親はサポートする立場と考え、うまく客観的な「提案」をしてあげるようにしましょう。
ことばのご褒美サポート
成績が上がったときにはお子さんを褒めると思います。では、「頑張ったけれど成績が上がらなかったとき(下がったとき)」はどうすべきでしょう?
やはり、このときも責めるのではなく、まず「褒める」ことから始める方がいいでしょう。もちろん、結果をしっかり分析して、できなかったところをしっかり復習し、次に備えることはとても大事ですから、お子さんにとっては「耳が痛い」ことを言わなければなりません。ですが、まずは「前にできていなかったこれができるようになって良かったね」と褒めることから始めましょう。
自分が頑張っていたことを親御さんが見ていてくれたということはお子さんにとってとてもうれしいものです。まずは前回と比べてよかったこと、向上したことをほめてあげましょう。
そのうえで、親子で「ここがやっぱり苦手」「どうやって次までに勉強しよう」「同じような問題を間違えているね」と、一緒に考え、次までの目標設定をするようにすることをおススメします。努力を認めてもらえることによって、お子さんは次回へつながる意欲を持つことができます。
NGなご褒美サポート
テストの点数や成績を上げる目標に対して、お金をあげるといったご褒美をあげる約束をするのはNGサポートです。お子さんの勉強の目標が「志望校に合格したい」「成績を上げたい」ということから、「お金をもらう」ことにすり替わってしまい、何か見返りがないと頑張ることができなくなってしまいます。また、見返りをもらったらもう勉強しない、という学習姿勢が定着してしまうと、これを直すのは非常に大変です。
勉強道具を新調してあげる、などはモチベーションアップにつながることもありますが、できるだけ、「見返り」を用意するのではなく、「頑張っているね」「あなたを見守っているよ」という、精神的安定につながるようなご褒美サポートをしてあげるようにしましょう。
まとめ
お子さんが心配で、あれもこれもやってあげたくなる気持ちはよくわかります。しかし、何でも先回りしてやってあげると、自分で何も決められない子どもになってしまいかねません。
適度に支え、お子さんが自主的に目標を決めることができるように見守り、相談されたら提案できるように準備しておく、それも立派なサポートです。
「勉強だけに集中できる環境を作る」ことは必要ですが、そこには目標設定や学習計画も含まれてきます。お子さんが「自分で考える」習慣を奪わないように、サポートしてあげてください。
おわりに
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。