中学受験生と言えども、まだまだ小学生です。勉強にひたすら集中できるお子さんはそういるものではありません。自発的に勉強してほしい、と親は思うものの、思う通りにいかないことが多いのが現実だと思います。
心配や思うようにいかない怒りのあまり、いつも「勉強しなさい!」を連発していませんか?直後は勉強しても、また同じことの繰り返し・・・と悩んでいらっしゃる親御さんも多いのではないでしょうか。
今回は、そういう状況の中学受験生をもつ親御さんの悩みにお答えしていきます。
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「勉強しなさい!を連発される子どもの気持ちは?
最初にも書きましたが、お子さんがなかなか机に向かわないので、いつも「勉強しなさい!」と叱ってしまう親御さんはとても多いと思います。特に受験学年になれば、「いつまでにこれをやらなければ・・・」と焦る気持ちも出てきますから、心配のあまり「勉強しなさい!」を連発しているのではないでしょうか。
でも、いつも「勉強しなさい!」と言われ続けるお子さんの気持ちはどうでしょう。「叱られるからやる」「やらされている」という感覚になってしまうと、自主的に勉強しようというモチベーションが下がってしまい、だんだん勉強しても身に入らないようになってしまう危険性があります。
では、どのように解決していけばいいのでしょうか?
計画を立てていますか?
まず、根本的なこととして、「いつ」「何を」勉強すべきか、お子さんはわかっているでしょうか。また、親子でそれを確認しているでしょうか。つまり、親子で1週間の計画や1日の計画を立てているか、ということです。
計画に無頓着だと・・・
たとえば、一緒にテレビを見ているとします。面白い展開になってきたところで、「ところで、今日は勉強したの?」と親御さんが急にお子さんに行ったとしたらどうでしょう。親御さんは軽い思いつきで言ったかもしれませんが、お子さんにとっては「え、なんで、今まで一緒にテレビを見ていたのに急にダメなの」と感じ、イライラしてきます。普通、親子で一緒にテレビを見ていたら、お子さんは親御さんがテレビを見ることを許してくれている、と思うものです。そして、その時に「勉強したの」と言ってしまったら、これは、お子さんも計画に無頓着ですが、親御さんもまた無頓着になってしまっている、という状況です。
また、お子さんがゲームをして、夢中になっているとします。ですが、いつまで遊んでいい時間なのか分かっているでしょうか。親御さんも、いつまでゲームを許していいかわかっているでしょうか。
お子さんは、「中学受験をする」「塾の宿題が出ている」という理由だけでは、ゲームをやめて勉強し始めるという行動に自分から切り替えるということはなかなかできないものです。勉強よりゲームをしている方がおもしろい、それは子どもの感覚としてはごく普通でしょう。今楽しんでいることを中断するためには、明確な理由付けが必要です。それは、その場で説得したり、「勉強しなさい!」の一言で解決するものではありません。前もって話し合って、納得した計画が必要です。そのような理由がないのに、楽しんでいることをいきなり中断しなさいと言われたら、子どもに限らず大人でもイライラしませんか?
計画を立てたら親子でしっかり共有を
では、どうしたらテレビやゲームなどの、子どもにとって「楽しいこと」から、「受験勉強」に向かわせたらいいのでしょう。
「この時間は勉強する時間だ」という認識をまず親子で共有しておく必要があります。そのために、親子で一緒に1週間、1日の学習計画を練りましょう。塾の宿題量や授業の進むペースを把握し、1週間、1日にどのくらい勉強時間を確保すべきかをお子さんと一緒に計算して、納得したうえで計画を立てるのが一番です。決して押し付けではなく、しかしすべて子どものやりたいペースでもなく、ということが重要です。子どもは楽しいことに流れがちですから、一人で計画を立てさせると、見通しの甘すぎるものができてしまいます。そこは、親御さんがアドバイスして正してあげ、親子で「約束」することが大事です。
計画を立てるときには、勉強時間だけ詰め込むのではなく、リラックスする時間や遊び時間も確保することを意識しましょう。お子さんにも見たいテレビ番組があるでしょう。ゲームで遊びたいときもあるでしょう。それらも予定に含めて、詰めすぎないようにすることをおすすめします。窮屈な計画は、かえってストレスにつながります。これは、お子さんにとっても、親御さんにとっても、です。お子さんは「計画通りに進まないと怒られる」、親御さんは「なんで計画通りにいかないの」と、お互いにストレスをためてしまい、爆発してしまいます。解放されるときがある、というのはモチベーションアップにもつながりますから、適度に余裕を持った計画を作り、親子で共有し、「約束を守ろう」とよく話し合っておきましょう。
計画通りに勉強している時には褒める
計画を立てた直後は、子どもは張り切っているものです。計画通りに実行しようと頑張るでしょう。そういう姿勢が見られたときは、目ざとく褒めてあげてください。「さっそく計画通り頑張っているね、偉いね」というようにです。親子で作った計画ですし、自分で納得して立てた計画です。責任感を持って取り組んでいるので親御さんも安心している、嬉しい、というメッセージを普段から伝えるようにしましょう。
くれぐれも計画を立てて約束までしたのだからやって当たり前、という態度はとらないようにしましょう。もちろん、もっとやらせたい、という気持ちが出てくることもあるでしょう。でも、お子さんと一緒に決めた計画です。まずは作った通りにやりこなせるかを冷静に見てあげましょう。そして、時間の使い方がうまくなってきたら、再度新しい計画を親子で作り直していくようにすることをおすすめします。くれぐれも、「今日の分はきちんと終わったのに何で勝手に量を増やすの」などという不満をお子さんが持たないように計画を一緒に立て、甘いところは正してあげる、そのように計画は作りましょう。
なかなか行動しないと思えるときは?
お子さんがなかなか勉強しようとしないように思えるときは、「勉強しなさい!」「まだ勉強しないの?」ではなく、「今日は何を勉強するんだったっけ」と、お子さんが気づくように、また親御さんがお子さんの行動に興味を持っているとわかるような声がけをしてみましょう。
「勉強しなさい!」という言葉は、お子さんが勉強しないことを前提としている言葉ですから、お子さんは無意識のうちに「信用されていない」という気持ちになってしまいます。ですが、「今日は何を勉強するんだったっけ」という言葉は、「あなたがこれからすぐに勉強を始めることを信じているよ」というメッセージを伝える言葉です。このような「信頼のメッセージ」は、お子さんを能動的に、主体的に勉強に向かわせることのできる力をもった言葉です。そして、お子さんの自尊心を保たせ、モチベーションを上げる言葉でもあるのです。
自尊心、そして親から信頼されているという安心感は、受験勉強に向かう子どもにとってとても重要なものです。他にも使えるフレーズは色々あると思いますが、いずれにしてもお子さんを信頼している、という想いが伝わるような声かけをしてあげましょう。そのためには、先ほど書いたように、計画通り勉強している時は目ざとく褒めてあげることが大切です。
まとめ~褒めることの大切さ
勉強していないときには「勉強しなさい!」ばかりいうのに、一生懸命勉強している時には何も言ってくれない、ほめてくれない、と思ってしまうと、お子さんのやる気はどんどん下がってしまいます。勉強しているのに当たり前のように声もかけずに流していると、どうなるでしょうか。お子さんは「親が自分に話すときは叱るときだけ」と受け止めるようになってしまいます。こういう状態が続いていると、お子さんも親御さんもストレスをためた状態になってしまいます。「ストレスをためたくない」「叱られたくない」というネガティブな思いでお子さんが勉強しているとすれば、親御さんも決して平静ではいられず、悲しくなると思います。
明るい褒め言葉をかけてもらったときの嬉しい、という感情がお子さんのモチベーションを高めていきます。そして、お子さんの嬉しそうな表情を見ると、親御さんのモチベーションも高まっていきます。時に忍耐も求められるでしょうが、明るい声かけを続けていきましょう。お子さん、親御さん双方のモチベーションが上がっていけば、「勉強しなさい!」という言葉は自然と減っていきます。ぜひ、やってみてください。
おわりに
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。