中学受験生を抱える親御さんの悩みはさまざまです。特に悩みが深くなるとき、それはやはりテストや模試で成績が急激に下がったときではないでしょうか。あんなに遅くまで勉強していたのに、なんでこんな成績になってしまうのか、志望校に遠ざかってしまった・・・テストの結果、特に点数や偏差値を前にして苦悩してしまうと思います。
そのようなとき、親は子どもに対してどのような対応をすべきでしょうか?このときの対応の仕方によって、お子さんの今後の学習態度も変わってきます。今回は、テストの成績が急激に下がって親子ともにがっかりしてしまったとき、親が子どもにどのように接するべきかについて書いていきます。
Contents
対応その①過剰に反応しない
発する言葉には注意を
テストの結果を見て、子どもに対して叱ったり、激しい言葉で責めたりしたくなる気持ちはよくわかります。ですが、テストの結果が急激に下がってがっかりするのは、親だけではなく子どもも同じです。ですから、親としてできることとして、メンタル面でのフォローは非常に大切です。
そのためにも、点数や偏差値をみて、「なんでこんな成績しか取れなかったの!」「いったい何やっていたの!」などという過剰な反応はしないようにしましょう。また、子どもがマイナスな感情を抱くような態度は見せないように我慢していただきたいと思います。親が叱ったり、呆れたり、ため息をついたり、天を仰いだり、「何のために塾に通っているの」「お金かけているのに」などと言ったりしたら、子どもは心底悲しくなってしまいます。
子どもは親を悲しませたくない
子どもは本来、親に褒められたくて、認めてもらいたくて努力します。勉強では特にそうです。結果がダイレクトに自分にもわかる分、成績が下がったときは、ぱっと見普段と変わらず、反省していないように見えても、心の中では「どうしよう、お母さんを悲しませてしまう」と思っています。
子どもは、親を悲しませたくないと思うと、本当の姿を見せなくなり、本当のことを言わなくなる傾向があります。たとえば、わかっていないのに「わかっている」と言ったり、辛いのに「楽しい」と答えたり、体調が悪いのに「大丈夫」と言います。
特に、「いい子」と言われる子どもほど、その傾向が強くなります。普段の授業は理解しているように見えるのに、テストの成績はいまいち、という子どもはこういった思考に入ってしまっている可能性があります。そうなってしまうと、成績を上げるのはなかなか難しいのです。「わからない」という意思表示ができなくなっているからです。
子どもの気持ちを考えて落ち着いて対応を
先ほど書いたような思考に子どもが陥らないように、持ち直すことができるようにするには、やはり親が冷静に対応することが一番です。点数が悪かったら、まずは子どもの率直な感想や、子どもなりの分析を聞いてみて、感情を汲み取ってあげてください。もし子どもががっかりしていたら、一緒になって過剰に反応せずに、「そうか、残念だったね」という一言でよいのです。「あなたの悩み、苦しみを一緒に分かち合おう」という対応をしてあげましょう。
対応②冷静な分析をすること
まず子どものメンタルを落ち着かせ、親御さん自身も落ち着いてください。そのうえで、今回のテストの結果について冷静な分析をしましょう。子どもと一緒にテストを分析するのです。どこをどのように間違えてしまったのか一緒に確認すると、どういうところが問題点なのかが見えてきます。
間違え方にもいろいろなタイプがある
親子で一緒にテストを分析するときには、どのような間違い方をしているかをしっかり確認することが大事です。間違い方、ミスの仕方にもいろいろなタイプがあります。たとえば、
- 全く分からなくて間違えた(あるいは空白で出した)
- わかってはいたけれど、ケアレスミスをした(計算間違い、写し間違い、漢字間違いなど)
- 時間が足りなくなってきて焦ってしまい、後半部分は問題をよく読まずに答えだけ書いた
- 字が汚くて採点者が読めなかった
まだまだありますが、失点の原因は本当に様々です。
そういった原因を分析して、本来の力が発揮されていたならば、何点とれたのか計算してみるのです。すると、決して力がなくて成績が急激に下がったわけではない、どこに気をつければよかったのか、ということがわかってきます。本当はもっと良い点がとれる、ということを親子で確認することはとても大切なことです。
親子で積極的な未来思考を持つ
本来の力が発揮できれば、何点とれたのか確認したところで、前向きに気持ちを切り替えましょう。「本当はもっと良い点がとれたんだね」「惜しい間違いがいっぱいある。本当はこんなに力があるのにもったいない」「今度のテストでは、このすごい力を十分発揮できるように準備しようね」というような声かけをしてあげましょう。その言葉で、子どもの気持ちは救われますし、親としてもしっかり分析したので、問題点をどう克服するか、次の手を考えることができます。
もちろん、分析して終わりではありません。もう1ステップありますが、親子で前向きで積極的な未来思考を持つことが大切です。決して、できなかったけど仕方ないね、で終わらせるのではありません。あくまでも、間違いの傾向をしっかり押さえたうえで、次のテストで結果が出せるように準備するのです。
対応③具体的な分析をして復習し、できたところは褒める
テストの分析はとても大切ですが、分析して終わりではありません。それを次回に向けていかに活かすか、これが大事です。
分析の結果、やはり実力通りの点数だったのなら、「弱点が明らかになったのでそこを補強すれば強くなれるということだね」と声をかけ、塾のテキストや問題集、これまでのテストで間違えた似たような問題などを使い、塾で指導された点を一緒に確認して寄り添って復習しましょう。その際に、塾で教えられた解法が理解できていない、子どもにとってわかりにくい、あるいはカリキュラムや進め方が合っていないなどということがわかれば、そこは率直に塾に相談されるべきだと思います。
また、前回は間違えたけれど今回は類似の問題で正解していた、ということがわかったら、それはぜひ褒めてあげてください。確実に進化しているね、とメッセージを送ってあげるのです。前にできなかったことができるようになった、ということは、お子さんが頑張って自分の弱点を一つクリアしたということです。
どうしてもテストでは、他の生徒さんと比べてしまうことが多いかとは思いますが、比べるのは前回の自分と今回の自分、でよいのです。自分が苦手なところが克服できていた、あるいは解けたはずの問題でこんなミスをしていた、そんなことを洗い出しながら、前向きに復習をしていきましょう。
まとめ
テストの成績が急激に下がると、親子で悶々としてしまうものです。ですが、今回書いたように、対応の仕方を考えてあげると、お子さんはポジティブに勉強に取り組むことができるようになります。
ポイントとなるのは、
- 親は子どもを応援し、子どもの側に寄り添ってあげる立場であるということ
- 消極的になりがちな状況であっても、積極的に、前向きになれる点を見つけること
だと思います。
テストの結果を前にして落ち着くのはなかなか難しいことですが、そのためには日頃からちょっと気づいた子どもの良いところを褒めたり、褒めるポイントを探しておいて、声をかけてあげると親子で気持ちをアップすることができます。
出来なかったところを謙虚に受け止めて復習することはとても大事なことですから、それを忘れずに、声かけポイントをタイムリーに繰り出してあげましょう。わざと悪い点を取ってくる子供なんていないのですから、子どもを信頼して、良い点を見つけ、ことばにしてあげましょう。そして、注意すべき点は落ち着いて子どもが納得するように注意する。ぜひ、やってみてください。
おわりに
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