語彙力は国語力の基本!使いこなせるようにするポイントとは

中学入試の国語では、総合的な語彙力を問われます。漢字、ことわざ、四字熟語、慣用句、故事成語、外来語・・・挙げてみるとさまざまなことばに関する知識が必要なことが分かります。

こういった語彙力は丸暗記して身につくものではありません。また、入試での出題は、語彙単体の問題も出題されることがありますが、読解問題でも語彙力が問われます。本文や設問を読み、内容を正確に把握することが基本ですが、その際に語彙力がなければ読み進むことができず、内容の把握も難しくなります。

さらに、記述問題などで「書く」際には、ことばを言い換えたりしながら表現する力が求められます。ここでも豊富な語彙力があるかどうかが点数をとれるかどうかの分かれ目になるのです。

入試の国語の問題を解く際には、早い段階から多くのことばに触れておくことが大切です。そして、そのことばを覚え、使いこなすことができるようにすることが求められます。受験生を見ていると、実は3年生、つまり中学受験のカリキュラムがはじまる前に学習する漢字が意外と身についていないことが多いです。中学受験では、一文字自体は低学年で学習しているけれど、組み合わせることで急に難しくなることばが多く出題されます。そのため、低学年で学習する語彙の知識を馬鹿にしてはいけません。

今回は、漢字を中心に、語彙の学習でつまずいてしまう理由と、ご家庭で取り組める学習のポイントについてご紹介します。

普段からどのようなことばに接しているかが入試のポイント

普段の学習で、テキストの中に語彙の問題が出ていることは多いですよね。また、漢字やことばに特化したテキストもあります。いわゆる語彙問題、つまり語彙の知識そのものを問う問題の場合は、そういった問題集をコツコツ解き、覚えることである程度は対応できるでしょう。

問題は、読解問題で問われる語彙力です。読解問題では、物語文、説明文、論説文、随筆、詩などさまざまな文種の文章が出題され、扱われているテーマも多岐にわたります。どの文章にどの語彙がでてくるかは文章を読んでみなければわからないので、単に問題集をこなすだけで対応できるものではないのです。

心情語のバリエーションを増やすことが大切

たとえば、物語文には心情を表すことばがたくさん出てきます。いわゆる心情語といわれるものですが、心情を表す慣用句が多く使われています。その慣用句の意味を取り違える受験生は少なくありません。もし心情を深く読み込むことができないと、物語文の読解も浅くなり、設問に答えるときに困ってしまうでしょう。

「涙を呑む」という、心情を表す慣用句の意味を知っていますか?物語文でよく出てくることばですし、大人なら日常会話でも使うことがあるでしょう。では、このことばにはどのような意味が含まれているのでしょうか。受験生に聞いてみると、「残念な気持ち」と答えることが多いです。しかし、涙を呑むということばには、「くやしい気持ち」「それをこらえる気持ち」という要素が含まれています。涙が出るほど悔しいけれど、それを表に出さずに自分でこらえていること、それが涙を呑むということばの意味なわけです。

単に残念だ、という意味で終わってしまっては、本来の心情を読み誤ってしまいます。残念だということを表すことばはたくさんありますが、どの程度残念なのか、その度合いが分からなければ、主人公や登場人物の気持ちを正確に把握することはできません。物語文のカギを握る心情語は、意味を取り違えると本文全体の解釈を間違えてしまってずれた読みになってしまうリスクがあります。特に慣用句の場合、その意味をしっかり押さえておくことが重要です。

やまとことばにも注意が必要

また、物語文に限らず、ほかの文種でもよく出てくることばに「やまとことば」があります。ニュアンスがいろいろあるので正確に理解しておく必要があります。たとえば、「はにかむ」「いぶかしむ」「おざなりにする」「みだりに○○する」といったことばですが、受験生の中にはこういったことばに触れる機会があまりないせいか、理解できていない生徒さんが多いです。

また、テキストにあまり出てこないことばの場合、文章を読んでいるときに出てきても意味がピンとこないため読み飛ばしてしまう可能性があるので注意が必要です。たとえば、「心もとない」「鳴かず飛ばず」「大見得を切る」といったことばなどが挙げられるでしょう。これらは、字面を見ただけでは意味がわかりませんよね。文脈を総合して読んだときにはじめて理解できるものなので、ことばを頭から覚えようとしてもなかなか身につかないため、文章を読んだときに出会ったことばを一つひとつ理解していく必要があります。

入試で出題する中学校の意図を考えよう

入試でもこういった、日常的に小学生が使わないことばが出てきますが、中学校側の意図は、受験生を困らせようとして出題しているわけではありません。なぜその語彙を出題しているのか、という根本を理解する必要があります。中学校側の意図としては、塾のテキストや問題集で勉強する以外に、普段からどのくらい本や新聞などさまざまな文章を読み、語彙力を身につけてきたのかを知りたいために出題しているのです。特に難関校ではこういったあまり日常的に触れないような語彙を出題する傾向が強いです。

語彙力を高めるためにできる対策はやはり「読書」

語彙力を高めるために一番効果的な方法は、やはり読書です。受験学年の皆さんはなかなか読書をする時間はこの時期とれないでしょうから、模試や過去問、塾のテキストで出てきた語彙について意味を理解することが優先されるでしょう。それ以外の学年、特に低学年の場合は、読書経験を積むことをおすすめします。

読む本を選ぶときに気をつけたいのは、すらすら読みやすいものよりも、少し難しいことばが出てくるものを選びたいということです。読みやすい本も良いのですが、どうしても読み飛ばしてしまって一つひとつのことばについて注意して意味を知ろうとしなくなってしまいます。そこで、少し「ひっかかる」部分のある本を選ぶと良いでしょう。

国語を指導していると、語彙力が非常に豊かなお子さんがいらっしゃいますが、意外にもそういったお子さんは、語彙についてテキストや問題集を頭から覚えているということはまずありません。普段から読書の習慣がついており、しらないことばについても追及しながら読んでいる、あるいはことばそのものに対する好奇心が強く、日常会話で大人がぽろっといったことばについても、その意味や使い方を積極的に知ろうとしている傾向にあります。

ただし、そういうお子さんばかりが中学入試で合格するわけではありません。ですから必要以上に神経質になる必要はありませんが、読書好きのお子さんにするよう誘導することや、日常会話の中でことばについて「この意味ってどういうことだと思う?」と働きかけてあげることは有効ですよ。

好奇心こそが語彙力アップのカギ

お子さんがことばに敏感になり、興味を持つためには、保護者の方の働きかけも大切です。たとえば、家庭の中の会話で、お子さんが少し背伸びして、テレビなどで耳にした難しいことばを使おうとすることはよくあることです。そういう姿勢を大切にしてあげましょう。お子さんにとっては少し難度が高いことばですから、使い方が間違っていることは多々あります。そういうときの働きかけしだいで語彙力を高めることができます。

間違っても大丈夫!語彙力アップの瞬間

お子さんが背伸びをして使ったことば、その使い方が間違っていた場合は、「それって意味違うよ」と否定しないようにしましょう。間違いを改める瞬間にお子さんの語彙力は飛躍的にアップします。まずは、「すごい難しいことば知ってるね!」とほめてあげることが大切です。

その上で、「そのことばってどういう意味なの?」と聞いてあげましょう。お子さんが自分で「使い方を間違っていた」と気づくように誘導することが大切です。そして親子でもう一度、正しい使い方を考えて文を作ってみると、お子さんの好奇心を潰すことなく、また自尊心も尊重しながら語彙力をアップすることができます。

また、お子さんが気になることばの意味を保護者の方に聞いてきたときの対応のしかたも大切です。たしかにお子さんが自分で辞書を引くなどして調べることは望ましいことですが、いつも「自分で調べなさい」ばかり言っていると、お子さんは「やっぱり面倒だからやめとこう」と考えるようになってしまいます。せっかく芽生えた好奇心がつぶれてしまう瞬間です。

ですから、調べるにしても「じゃあ一緒に調べてみよう」という姿勢を見せたり、一緒に考える時間をとることはとても大切なのです。語彙力をアップするためには、単に単語を知っているだけでは足りません。そのことばの使い方をイメージすることができ、使い方まで理解することが必要です。そのためのきっかけを作ってあげるのが保護者の方の役割だと思ってください。「このことばはこういう意味で、このように使う」ということを一緒に理解したり、教えてあげたりすることで、お子さんはそのことばを自分の語彙力の中に入れていくことができるのです。

親子で一緒に辞書を引いてことばの意味を調べるのは非常におすすめの方法です。小学生向けの辞書で十分ですが、もし難関校を目指すなら、小学校5年生ごろからは中高生が使うような辞書を使うと良いでしょう。小学生向けの辞書だと収録されていることばの数が少ないことがあります。そのため、大人が使うような少し難しいことばは載っていないこともしばしばです。

そこで、中高生向けの辞書で、説明が分かりやすく、用例が充実しているものを使うと良いでしょう。たとえば、「ベネッセ新修国語辞典」などはおすすめです。説明が分かりやすいのでお子さんが読んでも理解しやすいですし、用例が豊富なので例文を作る際の参考になります。

漢字を覚えるときにはパズル感覚で

漢字はただひたすら書いてもなかなか覚えられませんよね。実はグルーピングしながら覚えると、覚える手間が短縮できるのをご存知ですか?そこでパズル感覚で、共通するパーツを見つけてみる方法をおすすめします。

8割がたの漢字は、発音を表す漢字と意味を表す漢字が組み合わさってできた「形声文字」と言われるものです。たとえば「き」と読む漢字を例に考えてみましょう、「期」「基」「旗」はすべて「き」と読めますよね。では、なぜ「き」と読めるのでしょうか。それには漢字の中のパーツが関係しています。この3つの漢字に共通するパーツは何でしょうか。答えは「其」という部分です。この共通パーツが分かれば他の漢字、たとえば将棋の「棋」ということばも「き」と読む、と想像することができます。

また、「酒」という漢字の部首は「酉」(ひよみのとり)です。もともと、お酒を醸造するときに使う器の形が部首として使われるようになったという経緯があります。そこで、同じ部首の漢字を探してみると、「酉」が共通していることが分かります。例えば「酸」「酢」、少し難しいですが「醤油」の「醤」などがありますね。これらはすべて発酵、醸造が関係している言葉です。

このように、漢字を解体してみてパズル感覚で勉強すると、理解が進み、想像力が働くので、共通項を見つけて覚えやすくなります。

漢字でつまずく原因はどこにある?

中学入試の国語で求められる語彙力において、漢字は非常に重要です。漢字の読み書きが自由自在にできないと、読解問題にも支障をきたしますよね。なぜ入試で漢字の力が重視されるかと言うと、読解問題で本文を読むときに内容をしっかり把握できるかどうかがかかっているからです。海城中学校では毎年漢字の書き取りが出題されますし、入学後は漢字検定が必修となっています。先生にインタビューしたところ、ことばを自由自在に使えるだけの素地があるかを見たい、というのが漢字を出題する意図だということでした。

このように重要な漢字の力ですが、受験生を見ていると、漢字がしっかり覚えられていない生徒さんが少なくありません。特に、3年生、4年生のときに学習したはずの漢字を覚えられていないお子さんが非常に多いです。音読み、訓読みも混同してしまったり、そもそも読み方も分からない、というケースも少なくありません。

付け焼刃的な学習が漢字力を下げる

受験生の漢字力が弱い原因のひとつに、小学校や塾での漢字テストが考えられます。繰り返し小テストなどで漢字のテストを日常的に受けますよね。その際には、テストに出題される範囲だけを勉強していませんか?しかも、テストの直前に目に焼き付けて覚えようとして、テストを受けたら忘れてしまう、ということを繰り返していないでしょうか。実際にそういう生徒さんは非常に多く、字面だけを追うので意味まで理解しようとせず、テストをやり過ごしたらゼロベースに戻ってしまうのです。点数が取れればそれでいい、という意識も働いているのでしょう。

しかし、漢字テストの範囲だけ覚えようとしては、漢字力を養成することはできません。毎週いくつもの漢字を学習するわけですが、それがすぐに忘れ去られてしまっては、土台ができません。各学年に配分されている漢字の数を見てみると、1年生は80字、2年生は160字ですが、3年生になると200字と増え、だんだん増えていきます。着実に覚えていかないと覚えきれなくなることは目に見えていますよね。これが漢字学習のひとつの壁になっているのです。

入試で求められる漢字の知識を網羅できていない

漢字力がなかなか身につかない原因には、漢字テスト以外にもうひとつあります。それは、学校や塾の授業では漢字に割く時間が少なく、また一般的に使われる「読み方」をすべて習うということがあまりないことです。漢字にはいくつもの読み方があるにもかかわらず、一部だけを学習し、お子さんはそれがすべてだと思い込んでしまうのです。

特に小学校の漢字学習では、文部科学省が出している「段階別割り振り表」に基づいて勉強します。これは、何年生までにどの読み方を教える、という目安を定めたものです。教科書やドリルは、この目安にしたがってつくられています。たとえば「商」ということばは、「しょう」と読みますが、これは音読みです。訓読みでは「あきな(う)」と読みますよね。ですが、「しょう」は知っているけれど「商う」と出題されるけれど読み書きできない、というお子さんは受験学年でも意外と多いのです。こうした、音・訓読みでまったく読み方が異なる漢字はたくさんあります。

しかし、中学入試では、この目安に関係なく、漢字の読み書きの問題や、漢字を多用した読解問題を出題します。もちろん、6年生までに学習する漢字について問われることがほとんどですが、音訓読みの基本がしっかりできていないと、また知識があやふやだと読み切ることはできません。

また、四字熟語なども多く出題されますが、習った読み方だけを覚えていても対応できないものがたくさんあります。意味と成り立ちを含めて対策しておかないと、読み書きできないでしょう。漢字は書き取り、と思うかもしれませんが、読み方が分かっていないと書けません。読み方の一部だけしか知らないと漢字でつまずいてしまいます。ほかの読み方がないか、辞書で調べるなどしておくことをお勧めします。

漢字に触れる機会を多く作ろう

入試の国語で合否を分けると言っても過言ではない漢字力。漢字力を高めるためには、低学年のうちからご家庭で漢字に触れる機会を多く作ることが有効です。読書好きなお子さんでも、ひらがなばかりの本だけ読ませるのではなく、漢字をしっかり使った本を積極的に読めるよう、保護者の方が学年に合わせて本を選んであげると良いでしょう。特に、小学生新聞や、本でも少し難しい漢字にルビがふってある本なら、お子さんも抵抗なく読めるでしょう。

保護者が漢字を使って見せる

保護者の方がお子さんの前でどんどん漢字を使って見せることも有効です。たとえば、保護者の方が外出する際に、お子さんにメモを残すことがありますよね。その際には、できるだけ漢字を使って書き、少し難しい漢字には読み仮名を振っておくといったことを日常的にすると自然と感じに慣れることができます。日常的にも、文章を書くときに漢字を使うのは当たり前、ということをお子さんに意識させることができると、漢字力は飛躍的に上がります。

漢字の先取りはおすすめ

中学入試に向けて勉強するなら、漢字はできるだけ先取り学習をしておきたいところです。低学年なら、3年生になると学習する漢字の数が急に増えるので、まだ覚える漢字の数が少ない1年生、2年生の間から3年生の漢字を覚え、3年生で4年生、できれば5年生の一部、といったように先取り学習を進めると良いでしょう。書くのはまだ難しい漢字も出てくるかもしれませんが、読み方については読めるようにしておきたいですね。そうすると、読める文章が非常に増えるため、漢字に抵抗が亡くなります。

このときに気をつけたいのが、視覚だけで覚えようとしない、ということです。先ほど漢字テストのところでも書きましたが、目に焼き付けてテストをやり過ごそうとする受験生は少なくありません。ですが、それでは何度も覚える作業を繰り返さなければいけなくなり、非効率的です。

漢字を目に焼き付けて覚えようとする際に、お子さんは漢字の形を図形のようにとらえていることが少なくありません。たとえば、「左」という漢字は簡単に覚えられそうですが、その覚え方が問題なのです。「左」は分解すると、かたかなの「ナ」と「エ」が組み合わさったように見えますね。このように漢字を覚える際に部首などを無視して形を目に焼き付けて覚えるのは忘れるのも早いので、パズルのように組み合わせだけを覚えるのは避けましょう。漢字を正確に覚えるためには、成り立ちを知り、どういう意味があるのかということを理解することが何よりも大切なことを忘れないでください。

また、形が似ている漢字を書き間違える受験生は非常に多いのですが、これも漢字を図形として目に焼き付けて覚えようとしている可能性が高いですから注意が必要です。よく書き間違いとして見られるのが「往復」の「往」を「住」と書くといったものです。ほんの一画違うだけなのですが、まったく意味が違いますよね。

たしかにこの2つの漢字は「形」は非常によく似ています。ですが、成り立ちや意味は全く異なります。それを無視して2文字書いても、意味が通らない造語にしかならないのです。「往」には「ぎょうにんべん」が使われていますが、これには「行く」という意味があります。ですから、「往復」には「往」という漢字でなければ意味が通らなくなるのです。箱根駅伝で「往路」ということばをよく目にしますが、往路とは「行きの道」という意味です。「住路」では意味が通りません。部首にも意味がきちんとある、ということを理解することが漢字力を上げるために非常に大切です。

音読み・訓読み両方を身につける

漢字の学習をするためには、音読み・訓読みの両方を覚えることもポイントです。当たり前と思われるかもしれませんが、受験生を見ていると、特に訓読みが苦手、ということが少なくありません。つまり、音読み・訓読み共に覚えられていないことがわかりますね。

なぜ訓読みができない受験生が多いのでしょうか。それには、熟語を覚えることを例に考えてみると分かります。熟語の読みは音読みなので、熟語を勉強する際に音読みも自然と覚えることになります。しかし、訓読みの場合、送り仮名も含めて一つひとつ丁寧に覚えていかなければならず、それを面倒に思っておろそかにしてしまう受験生は多いのです。先ほど挙げた「商」について、「商う」(あきなう)という訓読みができない、というのも訓読みに弱い受験生が多いからです。

ただドリルをやれば身につくものではない漢字力

お子さんの漢字力を上げるために、ドリルをたくさんやらせる、あるいはノートに漢字一文字をひたすら書かせる、という保護者の方は少なくありません。また、塾の漢字のテキストも一文字ずつ出てくるので、ひたすら書いて勉強する、ということも多いかもしれません。

しかし、この方法はやっている気分になるだけで、本当に覚えられるとは限りません。漢字は、文章の中に入ると急に難易度が上がるような気になるかもしれませんが、それがこの一文字ひたすら書き勉強法の弊害です。最初は一文字を書いて覚え、次にその漢字を使った熟語を書き、さらにその漢字を使った用例を勉強する、という段階を踏むことが大切です。

また、一度書いたからと言って覚えられるほど漢字は甘いものではありません。1回練習したら、覚えたかどうか2~3日後にもう一度確認して、記憶に刻んでいくことが大切です。書き散らかしても勉強した気分にはなれても覚えられないのが漢字の怖さです。覚えるためには、使い方を理解し、どういう意味なのかも理解することが重要です。

もし2~3日後に確認してみて覚えられていなかった場合でも、神経質になりすぎてお子さんを叱るのは逆効果です。大人に取ってみると漢字学習なんて簡単、と思うかもしれませんが、お子さんにとっては初めて出てきた「知識」なのです。ですから、最初から完璧にできるわけがありません。覚えられていなかったものは、これから克服すればよい、という意識を持つことをおすすめします。その漢字に何度も触れ、なぜ覚えられないのか原因を考えて対策する、それはどの教科、どの勉強にも共通する学習姿勢です。繰り返し触れること、用例まで含めて覚えることを心がけると良いでしょう。

お子さんの知的好奇心を大切にしよう

本来、お子さんはみんな知的好奇心が旺盛です。しかし、中学受験を意識したとたん、「やらなければいけない作業が多すぎて手が回らない」と、勉強の面白さを忘れてしまう方は少なくありません。

漢字についても同じで、本来的には初めて見る漢字を覚えたい!というお子さんの知的好奇心を刺激してあげることが必要です。新しい漢字の読み書きができて覚えられたらぜひ大いに褒めてあげてください。お子さんは自尊心をくすぐられるともっとやりたい、という好奇心が強くなります。うまく自尊心をくすぐりながら、親子で漢字をどんどん覚えていきましょう。そして、覚えた漢字を使って会話してみると無理なく漢字力がアップしていきますよ。

語彙力は一朝一夕で身につくものではありません。ぜひ親子で楽しみながら、お子さんのボキャブラリーを増やしていきましょう。そのことで保護者の方も発見があるかもしれませんし、お子さんの勉強のしかたを確認することもできます。語彙は正しく勉強すれば確実に得点源になってくれるものです。ぜひ語彙力をアップして、国語はいつも高め安定、という状態を作っていきましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。