子どもの成績が落ちた…,そんなとき親はどうすれば?一橋生が教える対処法!【小学生編】

テストで点数が落ちたとき,通知表でよくない評価が多かったとき,模試の成績が振るわなかったときなど,「このままでは子どもの将来が不安だ」と感じたことのある親御さんはいらっしゃいませんか?

このように成績が落ちたとき,ありがちなのが「もっと勉強しなさい」と叱ってしまうことです。親御さん自身の経験からもそのような態度をとってしまうのでしょうが,そのお説教は本当にお子様のためになっているといえますか?

今回は子供の成績について親がどう向き合っていけばいいのかを記述していきます。

叱る・褒める前に!まずは落ち着きましょう

まず読者の皆さまに実践して欲しいのは,叱る前に落ち着くということです。

「成績が落ちて子どもはどう思っているか」を考えてみてください。言うまでもなく一番落ち込んでいるのはお子様です。子どもによってはヘラヘラすることで悲しい気分を解消しようとするので勘違いしてしまうかもしれませんが,「良くない」という評価をつけられて喜ぶ子どもはいません。大声で怒ろうとする前に,深呼吸を挟んで子どもの気持ちを考える余裕を作りましょう。

またその逆で,適当に励ましてしまうのも良いとは言えません。

テストや模試,学期末の通知表などはこれまでの勉強を振り返るチャンスです。「次頑張ろう!」と流してしまうのはあまりにももったいないです。

何よりここで成績を振り返っておかないと,ここから挽回することができずに勉強から心が離れてしまうかもしれません。

一度取ってしまった成績はどうにもなりませんが,これから成績を伸ばすことはできます。まずは一旦落ち着いてこれからのためになることを実践していきましょう。

叱るのではなく褒めて伸ばそう!

成績がなぜ下がっているのか? を考えよう!

では一旦落ち着いたところで次に,子供の成績がなぜ下がっているのかを考えましょう。

成績が下がるのにはいくつか理由があります。その中にはテストや模試を受けている本人にはどうしようもないことも確かに存在します。

なので成績が下がっていることよりも,なぜ成績が落ちているのかに注目するのがとても大切です。今まで通り続けるところとこれから改善するべきところを見極めるために成績降下の理由を考える意味があります。

この分析を行わず闇雲に勉強法を変えると,お子様を戸惑わせてしまう・かえって成績が落ちてしまう原因になるのです。お子様の成績不振の原因が次のケースに当てはまっていないかを考えてみましょう。

成績が落ちる原因① 問題の難化

まず1つ目に考えられるケースが平均点の降下,つまり問題がレベルアップしたということです。

例えば平均点が80点のテストと,平均点が50点のテストがあるとしましょう。この2つのテストがあった場合,確実に後者の方が高い点数が取りにくいですよね。

このように難易度が上がると平均点が下がる・高得点は出しづらくなります。お子様のテストの点数も,数字だけ見ると下がっているかもしれませんが,本当は問題がより難しくなったから成績が落ちているように「みえる」だけかもしれません。

このような場合,レベルの高い問題に挑戦できた,ということでお子様を褒めてあげましょう。その後,解けなかった問題の復習に取り掛かってみてください。

成績が落ちる原因② 周りの学力の向上

2つ目に考えられるケースは,周りの学力の向上です。これ模試の順位が以前より落ちていたり,志望校判定や偏差値が下がっていたりするときに当てはまっていることが多いです。

このような順位・判定は他の人の結果に大きく左右されるため,たとえお子様が前回よりも10点点数が上がっていたとしても,周りが20点・30点と伸びていれば,その分相対評価である順位・判定は落ちてしまいます

もちろん枠が限られている中学入試を受ける以上,周りと差をつけられているのは望ましいことではありません。

しかしこのような成績不振の場合,お子様が努力を怠ったわけでも集中していなかったのでもないのは確かです。まずは伸びたところを探してあげてください。その後,お子様が解けず他の人は解けたというような問題を探し,次は解けるように演習していきましょう。

成績が落ちる原因③ 受験環境

3つ目に考えられるケースは,テストを受けた環境が悪かったということです。

これは成績表を見るだけではわからないことですが,環境が悪くて集中力が削がれ,その結果思うように問題が解けなかった,ということは確かにあることです。例えば教室が暑い・寒い,貧乏ゆすり・鼻を啜るなどの音,机や椅子がガタガタ,などが考えられますね。

このようなケースはお子様に聞かないとわからないことなので,「もしかしたら」と思ったら確認してみてください。

ただこの環境のせいで点数がうまく取れなかったというのは受験本番でもありえることです。大体のことは監督の先生に言えば解決してくれることなのですが,どんな環境でも発揮できる集中力を身につけることが重要になってきます。

この集中力の向上に役立つのは,あえて劣悪な環境で勉強してみることではなく運動・睡眠・食事の充実です。この辺りは下でも解説しますが,親御さんが積極的に手助けしてあげてください。

そもそも成績が下がることは悪いこと?

以上のケースは,テストや模試を受けた本人の手に負えないことになります。逆に言えば,そうでないケースはお子様の勉強法が悪かったのかもしれないということになります。ただ,ここでもだからといって怒ったり叱ったりしてしまうのは逆効果です。

ここでそもそも成績が落ちることは悪いことなのか,を考えていきましょう。お子様を含めすべての受験生が右肩上がりで成績を伸ばしているわけではありません。成績が落ちるのは普通なことです。かくいう私も大学合格までは成績が上がったり下がったりを繰り返していました(笑)。

そしてこのありふれた「成績が落ちた」というタイミングでうまく振り返りができるかどうかが,受験合格・不合格を分けるのです。またここで上手に成績低下に伴う挫折を乗り越えられれば,今後の勉強,ひいては人生で役に立つタフな心と問題解決能力が養われます。

繰り返しになりますが,下手に叱ってしまうとこのようなチャンスを潰すだけでなく,勉強そのものが嫌いになってしまうかもしれません。

そもそも日頃から勉強に取り組んでいること自体が偉いのですから,ぜひ保護者の皆様には冷静に対応してもらいたいところです。

親ができることは?

それでは最後に親が受験生の子供に対してできることを考えていきましょう。成績を挽回するためには結局お子様ご本人の努力が必要です。

しかし保護者だからこそできるサポートも確かに存在します。それは次の3つのことです。

①    一緒に復習する

初めにできることは,お子様と一緒に復習することでしょう。

小学校のテストで登場する問題はおそらく大人であればわかるものが多いです。悩んでいるお子様にヒントを出したり,「こんな問題だったらどう解こうか?」と類題を出したり,図表に文章題をまとめてあげたりと,手助けできることは多いでしょう。

しかし中学入試レベルの問題ですと親御さんでもわからないものがあるかもしれません。実際一橋生の筆者でも悩むことがほとんどです(笑)。このような場合はクァンダなどの数学検索アプリを使い,回答法を教わるのも1つの手です。

受験生といってもまだまだ子どもです。分からないことが続くと勉強に飽きてしまうでしょう。ぜひ大人としての目線から正解を導く手助けをしてあげてください。

②    頑張ったことに対する褒め言葉

次にできることとして,褒め言葉をかけてあげることが挙げられます。前述したように日頃勉強していること自体がなかなかできない偉いことですし,テストや模試は体力を使います。「よくできたね」「たくさん頑張ったね」などとお子様を褒めてあげてください。

なおご褒美としてお金やものをあげてしまうと,報酬がなくなったときにパフォーマンスが低下する可能性があります。勉強でもなんでもそうですが,周りから強制されているから・ご褒美があるからではなく自分がやりたくてやっているのだ,という気持ちが大切です。

お菓子やおもちゃを買い与えたい方もいるかとは思いますが,受験合格までグッと堪えましょう。

(参考:木村道浩,「内発的動機付けに及ぼす報酬の効果」(2008))

③    生活面での補助

最後にできることが,生活習慣を規則正しく整えていくことです。受験で大事なことは勉強をたくさんすることだ,と考えられている親御さんもいるかもしれませんが,実際はそうではありません。受験に必要なのは,その日学んだことをきちんと覚える記憶力・本番で十分力を発揮するための集中力です。この力を育むのが衣食住の充実した環境になります。

まず食事ですが,野菜と果物をしっかりとり,砂糖・塩分の多いものを避けるようにしましょう。睡眠については,10時~2時までに就寝して7~8時間寝るように習慣づけましょう。

またこの他にも空気の乾燥を防いだり,日頃から掃除をしっかりしたり,勉強中はできるだけ静かにするなど,合格のためにできる環境作りはたくさんあります。ぜひ心がけてみましょう。

健康的な生活で成績アップ!

まとめ

今回の記事では,子どもの成績が落ちたときの受け止め方についてご紹介していきました。

落ち着くことの重要性・原因の追求など色々なことを書いてきましたが,成績が落ちたことを受けて「何かしなくては…」と考えてこの記事に行き着いたことは,読者の皆様が良い保護者である何よりの証拠です。ぜひ今回ご紹介した復習する・褒める・環境を整えることを意識してみてください。本記事が学習の手助けとなれば幸いです。

(ライター:大舘)

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