【現役塾講師が解説】実は知らない?「良い小論文」の5つの条件とは

慶應義塾大学の一般入試や国立大学の後期試験のほか、AO入試や推薦入試で求められることが増えてきた小論文。どのように対策をすれば良いのか、悩んでいる人も多いでしょう。

しかし、受験直前になってから慌てて始めるのでは間に合わなくなってしまいます。

適切な対策を早めに始めることは、入試対策になることはもちろん、現代文や他の科目の成績にも相乗効果を与える上でも大切です。

良い小論文を書けるようになれば、入試の選択肢も広がりますし、物事を考える力が身につくことでしょう。

では、そもそも「良い小論文」とはどのようなものなのでしょうか?

「良い小論文」の条件

題意を満たす

まず必ず満たさないといけない条件は「題意に沿う」ということです。

題意とは、設問の出題の狙いのことを指します。つまりはきちんと設問に答える、ということです。

歴史の問題で「年号を書け」と求められているのに「応仁の乱」などと書いたらバツになりますし、数学の問題で「図を書け」と求められているのに数式を書けばバツになります。

それと同じように、小論文でも求められていることに答えられていなければバツだということです。

書ききる

いくら題意を満たしていても、書き切れていなければ採点の対象にすらなれない可能性があります。小論文は結論まであって初めて完成するもの。必ず時間内に書き切りましょう。

また、文字数も考慮する必要があります。基本的には求められる字数の8割は書く必要があります。1000字以内であれば800文字ということになります。

一貫した内容を書く

はじめと終わりで言っていることが違っていては、結局何を言いたかったのかが分からなくなってしまいます。

途中で何を言いたいかが分からなくならないようにするためにも、解答用紙に書き始める前に、先に何をどの順番にどのように書くのかを決めておくようにしましょう。

小論文の中で最も大切な部分は、問われていることに対する結論が書かれているところです。

そしてその結論を導き出すために必要不可欠な内容が結論部分以外に書かれている、という形が理想です。

その中に全く関係のない意見が入っていても、途中で論調が変わっていてもいけません。

論理的である

感情的で根拠のない文章は小論文とは言えません。エッセイでも、感想文でもなく、小論文であることを理解して書く必要があります。

自分の意見を書く際には、必ず根拠を書きましょう。それが問題文にあることもあれば、自分の知っている歴史や社会問題などの知識である場合もあります。

いずれにしても、自分の妄想ではない、多くの人を説得できるものでなくてはいけません。

疑問が残らない

読み終わった後に疑問が残るような小論文も良くありません。読んでいる途中に「これはどういうことだろうか」と疑問が湧く分には構いませんが、読み進めるうちにそこに対する疑問が解消されなくてはいけません。

自分にとっては当たり前なことが、読み手にとっては当たり前でないことは多々あります。

大学入試において、読み手は基本的には大学教授です。高校生とは年齢も立場も全く異なります。自分を知らない、自分と全く違う人が読むのだということを意識して丁寧に説明するようにしましょう。

最後に

ここまで、良い小論文の条件として5つあげました。自己採点をする際には、この5つを満たせているかを確認すると良いでしょう。

なお、問題演習の際には、小論文には絶対的な正解は無いということを肝に銘じてください。100人いれば100通りの文章があります。唯一無二の答えがあると考え、答えを自分の外に求める姿勢は捨てましょう。

一方で絶対的な間違いはあります。それは、題意を満たしていないものです。題意を満たしていなければ、どれだけ文章が素晴らしかろうが誤りであることを忘れないようにしましょう。

良い小論文を確実に書けるようになるためには、日頃からの努力が必要になります。日頃から何をすべきなのかは、次の記事でご紹介します。

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ABOUTこの記事をかいた人

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1995年生まれ。東京都出身。

中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。