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はじめに
「副詞」に対して苦手意識を持っている方、多いのではないでしょうか?そもそも「副詞」が何か、説明できますか?
英語の品詞には、接続詞や形容詞など様々ありますが、中でも「副詞」はもっとも曖昧な品詞です。なぜなら「他の品詞には分類できない修飾要素」であり、文中での位置もバラバラだからです。だから、混乱する方も多くて当たり前なのです。
そこで今回は、副詞の位置と働きの原則について学んでいきます。
副詞の用法
副詞は、動詞や形容詞、文全体を修飾し、以下の意味を表します。
- 「様態」を表す→fast, well, happily
- 「場所」を表す→here, there, near
- 「時」を表す→now, then, yesterday
- 「頻度」を表す→always, often, seldom, never
- 「程度」を表す→almost, hardly, very
「様態」を表す副詞
- They danced happily. (彼らは楽しそうに踊った)
「様態」を表す副詞は、動作がどのようであるかを修飾しています。「dance」という動詞は自動詞なので、その直後に「happily」という副詞が置かれています。
- She took my advice seriously. (彼女は私の助言を本気で聞き入れてくれた)
こちらの例文の動詞は他動詞のため、副詞「seriously」は目的語の直後に置かれています。動詞が自動詞の場合はその直後に、動詞が他動詞の場合は目的語の直後に置くことが多いのが特徴です。しかし、ここで注意ポイントです。助動詞と受動態の場合は異なります。
- You should carefully look at the broken stature.(君はその壊れた像を注意深く見るべきだ)
- The broken stature was carefully examined by the police.(その壊れた像は警察によって注意深く調べられた)
助動詞と動詞の間に副詞がサンドイッチされています。受動態も、be動詞と過去分詞の間に副詞がサンドイッチされています。
「場所」を表す副詞
- My sister went upstairs.(私の姉は2階へ行った)
- You can park your car here.(あなたはここに車をとめてもいいですよ)
「場所」を表す副詞も、同様に動詞が自動詞の場合はその直後に、動詞が他動詞の場合は目的語の直後に置かれることが多いです。
「abroad」「home」も副詞のため、前置詞を前に置くことはできません。
× I went to abroad. I come to home.
◯ I went abroad. I come home.
「時」を表す副詞
- The sale started yesterday.(そのセールは昨日始まった)
「時」を表す副詞は、文尾に置かれることが多いです。
*「場所」を表す副詞と「時」を表す副詞が一緒に用いられる時は、【場所→時】の順になります。
- Rome is my favorite city. We met there last summer.(ローマは大好きな都市です。私たちは去年の夏、そこで出会いました)
「there」(場所)→「last summer」(時)という順番になっています。
「頻度」を表す副詞
- I always go to school by bus.(私はいつもバスで学校に行く)
「頻度」を表す副詞は、動詞の前に置かれます。もしくは、be動詞・助動詞の後ろに置くことが原則です。
「程度」を表す副詞
- The result of the experiment was hardly surprising. (実験の結果は驚くほどのものではなかった)
修飾する語句の前に置くのが普通です。したがって、「surprising」を修飾したいので、その直前に「hardly」が置かれています。しかし動詞を修飾したいときは、動詞の前、be動詞・助動詞の後ろに置くのが原則です。
- I have almost finished my homework.(宿題はもうほとんど終わっています)
こちらの例文は「終わっている」という動作を修飾したいため、「finished」の動詞の前に「almost」が置かれています。
副詞の注意すべき用法
【late(遅く)とlately(最近)】
- My father came home very late last night. (父は昨夜、大変遅くに帰ってきた)
- He has been trying to lose weight lately. (彼は最近、減量に励んでいる)
【hard(熱心に)とhardly(ほとんど〜ない)】
- He always works hard. (彼はいつも熱心に働く)
- I hardly know him. (私は彼のことをほとんど知らない)
【most(もっとも)とmostly(たいていは)】
- This picture interested me most. (私はこの絵にもっとも興味をもちました)
- She mostly goes shopping on Sundays.(彼女はたいてい日曜日に買い物行く)
【very/much(とても)】
- She is a very good student.(彼女はとても勤勉な生徒です)
「very」は形容詞や副詞を修飾します。
- I don’t eat out much.(私はあまり外食をしません)
「much」は動詞や過去分詞を修飾します。例文のように、muchが単独で用いられるのは、否定文か疑問文のときだけです。肯定文の場合は、「very much」という形になります。
【ago/before】
どちらも「時間の長さ」を表す語句の後ろに置かれ、「〜前」という意味になります。「ago」は現在を基準にして、「(今より)〜前」。「before」は過去のある時点を基準にして、「(その時点より)〜前」を表します。
- I saw you mother three days ago.(私はあなたのお母さんを3日前に見かけた)
- I told him that I had seen his mother three days before.(私は彼に、3日前に彼の母親を見かけたと言った)
現在よりも3日前を表している①に対して、②では「彼に話した」という過去の時点から見た「3日前」を表しています。
【so】
- He told me to wait in line and I did so. (彼は私に並んで待つように言ったので、私はそうした)
この例文では、「so」がdidの後に置かれ、すでに述べられた動詞表現の繰り返しを避けるために用いられています。このdid soはwaited in lineという意味になります。
- 〈so +動詞+主語〉の形は、「主語もまたそうだ」という意味
- 〈so+主語+動詞〉の形は「本当にそうだ」という意味
おわりに
今回は副詞について見てみました。英語の品詞の中でもっとも曖昧ですが、それぞれの副詞の使い分けや、位置を覚えれば、英文の理解に役立ちます。多くの人がつまづきやすいこの単元、ぜひマスターして、周りと差をつけましょう!
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参考
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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