今回は、名詞構文と無生物主語について学びます。
名詞構文とは、動詞か形容詞を名詞に置き換えて、その周りに必要な要素を付け加えて名詞中心に作られたものです。
無生物主語とは、人や動物以外の「無生物」を主語にして「何かが人に〜させる」という意味を表します。
Contents
名詞構文の仕組み
〈主語+動詞〉の関係
- We are pleased with the news of his success in business.
(私たちは彼の仕事での成功の知らせに喜んでいます)
上の文章は〈主語+動詞〉の関係の名詞構文です。書き換えれば、
He succeeded in business.という文章のHeを所有格のhisにして、動詞のsucceedを飯系のsuccessにしています。この所有格hisが、意味上の主語となっています。
名詞で表されている行為を誰(何)がするのかを〈of+名詞〉で表現することもあります。
- The judgement of the committee was accepted by the cabinet.
(委員会が下した判断は内閣に受け入れられた)
〈主語+動詞+目的語〉の関係
- The scientist reported his discovery of a new virus.
(その科学者は、彼が新しいウイルスを発見したことを報告した)
上の文章は〈主語+動詞+目的語〉の関係の名詞構文です。
書き換えればHe discovered a new virus.という文章の、主語Heを所有格のHisに、動詞のdiscoverを名詞形のdiscoveryにしています。
またdiscoverの目的語である「a new virus」を、「of a new virus」という形で続けます。
ここでポイントです。他動詞の名詞形の後に目的語を続けるときに、of以外の前置詞を用いることが可能です。
- We are looking forward to your attendance at the meeting.
(あなたがその会議に出席することを楽しみにしています) - This is my first visit to Spain.
(私がスペインに訪れたのはこれが最初です)
また、もう一つ注意ポイントは、意味上の主語を示さない場合もあるということです。
- The doctor made a careful examination of my eyes.
(医者は私の目を注意深く診察した)
この文のように、行為(この場合はexamine)をする主語にあたるものが、文の主語を同じ場合は、名詞形の前に意味上の主語を置く必要はありません。
〈主語+be動詞+形容詞〉の関係
- Nobody noticed my absence from the club meeting.
(私がクラブミーティングに出ていなかったことにだれも気づかなかった)
上の文章は〈主語+be動詞+形容詞〉の関係を含む名詞構文です。
my absence from the club meetingはI was absent from the club meetingを名詞化したものです。
主語のIが、意味上の主語として所有格myになり、形容詞のabsentは名詞形のabsenceになっています。
名詞を中心とした表現
- ①My father is a safe driver.
(私の父は安全運転をする) - ②We had a chat in the coffee shop.
(私たちはその喫茶店でおしゃべりをした)
人の技術や能力を表すのに①のa safe driverのように名詞を中心とした表現を使うことがあります。
Driveという動詞を使うと、my father drives safely.となるので、safelyという副詞を伴います。以下、同じような例文です。
- She is a good singer.(=She sings well)(彼女は歌が上手だ)
- He is a good cool.(=He cooks well)(彼は料理が上手だ)
〈have/take/make/giveなど+名詞〉の形で「動作」を表しているのが例文②です。
Have a chatで「おしゃべりをする」という意味になり、chatは動詞として使われることもありますが、この文章でのchatは名詞として使われています。
以下、その他の例文です。
- Let me have a look at the phone.(その写真をちょっと見せてください)
- I made a mistake.(間違えてしまった)
- He gave a cough.(彼はせきをした)
- You’ve made quick progress in English.(君は英語が急速に上達した)
- He made the wrong choice.(彼は誤った選択をした)
- Let’s give it a try.(やってみよう)
無生物主語の仕組み
続いて、人や動物以外の無生物を主語にする表現方法を見ていきます。
- ①The bad weather made us cancel the game.
(悪天候のために、ぼくらは試合を中止した) - ②My part-time job allows me to save a lot of money.
(アルバイトのおかげで、私はお金をたくさん貯めることができた)
例文①の〈make+O+動詞の原形〉で、「Oに〜させる」という意味になります。
①を直訳すると、悪天候がぼくらにその試合を中止させた」になります。
これを「ぼくら」を中心に解釈すると、「悪天候を理由に、ぼくらが試合を中止した」とより自然な訳しになります。同じように〈cause/force+O+to不定詞〉も「Oに〜させる」という意味を表します。
①のmakeとは違い、動詞の原形ではなくto不定詞を使うことに注意しましょう。
例文②では〈allow+O+to不定詞〉で「Oが〜することを許す・Oに〜させておく」という意味になります。
似たような表現で〈enable+O+to不定詞〉も「Oが〜できるようにする」という意味を表します。
- His advise enabled me to overcome the hardship.
(彼の助言のおかげで、私は困難を克服することができた)
【注意ポイント】
使役動詞にはmake以外に、let/have/getがありますが、無生物主語ではmakeのみを使うことができます。
let/have/getの場合は人を主語にします。(ただしletは無生物主語で使われる場合もあります)
「何かが〜をさせない」という表現
- ①A helmet keeps you from hurting your head.
(ヘルメットをかぶっていれば、頭を傷付けずに済む) - ②The traffic jam prevented us from arriving on time.
(交通渋滞のせいで、私たちは時間通りに到着できなかった)
例文①では「Oに〜させない」という意味の〈keep+O+from-ing〉が使われています。
直訳すると「ヘルメットはあなたにあなたの頭を傷付けさせない」になります。
しかしyouを中心に解釈するので「ヘルメットをかぶっていれば、頭を傷付けずに済む」となります。
例文②では〈prevent/stop+O+from-ing〉という表現が使われ「主語がOに〜させない」という意味になります。直訳すると「交通渋滞が私たちに時間通りに到着させなかった」となります。
しかしusを中心に解釈するので「交通渋滞のせいで、私たちは時間通りに到着できなかった」となります。
無生物主語の表現方法
「tell」
はじめに「tell」を使った表現です。無生物主語の次にtellが続くと、「(情報など)を示す」という意味になります。
- This meter tells you the temperature in Fahrenheit.
(このメーターは温度を華氏で示します)
「show」
次に「show」は、「(事実や情報など)を明らかにする」という意味になります。〈show+that節〉では「〜ということを証明する」という意味にもなります。
- This graph shows a sharp rise in princes.
(このグラフから、物価の急騰は明らかです) - His smile shows (that) he is in love with Lucy.
(彼の笑顔から、彼がルーシーに恋をしていることが明らかです)
「say」
次に「say」は「〜と書いてある」という意味になり、本や掲示などを主語にします。
- The sign says (that) smoking here is not permitted.
(その標示には、ここでの喫煙は禁止、と書いてあります)
「take/lead」
次に「take/lead」を用いた表現です。〈道+take/lead+O+to〜〉の形で「道がOを〜へ連れていく(導く)」という意味になります。
- This road takes you to the station.
(この道を行けば駅に着きます)
上の例文を直訳すれば、「この道があなたを駅へ連れて行きます」ですが、自然な訳し方にするために「(あなたが)この道を行けば駅に着きます」と訳します。
「bring」
「連れてくる」という意味でbringを使うときもあります。
出来事・乗り物・道・もの・時間などを主語にして〈主語+bring+O+to~〉の形になります。
- The dunes bring lots of tourists to Tottori.
(砂丘があるので、多くの観光客が鳥取を訪れる)
「save」
次に、「(〜する労力・時間・資源など)を省く」という意味で使う「save」を見ていきます。
- The new dishwasher will save you a lot of water.
(この新しい皿洗い機を使えば、たくさんの水を節約できるでしょう)
「cost」
最後に「cost」についてです。「〜を払わせる/〜を犠牲にする」という意味で、金銭以外の事柄にも使います。
- The hard work cost him his health.
(きつい仕事で、彼は健康を損なった)
最後に
今回は、名詞を中心に構成される名詞構文と、人や動物以外が主語になる無生物主語について習いました。
それぞれ、重要な表現方法なので、しっかり復習しましょう。
【参考文献】
石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
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参考
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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