中学受験の勉強を効率的に、そして穴を作らないように進めていくためには、スケジュール管理が非常に大事になってきます。理想的なのはお子さん自身が1週間を見渡していつ、何を、どこまでやるかを把握できることですが、そこは小学生ですから、なかなか難しいと思います。スケジュールを立てたとしても、予定通りに進まないこともあると思います。ですから、やはり親御さんが中心になってスケジュールを作成し、管理していくことになると思います。
ですが、特に難関校を目指すなら、頭の中を整理できていることがとても重要です。それが表れるのがスケジュール管理がどの程度自分でできるのか、という点です。
今回は、子どもがスケジュール管理をすることについて、そしてどのくらいのタイミングから関わるのがいいのか、わが家の経験をもとに振り返ってみたいと思います。
4年生のときにはあきらめた、スケジュールの自己管
中学受験を経験して、やはりスケジュール管理がうまくいくかどうかが合格・不合格の大きなカギになってくると改めて思います。
わが家でも、中学受験に向けてスケジュールを見える化した、ということについては、以前、「スケジュールの共有・見える化は大事!」という記事で書かせていただきました。私自身、仕事や家事と同様に、受験勉強においても「段取りや準備」の大切さをわが子にも理解してほしいと強く考えていたのです。
そういった考えから、息子には小学校4年生から早々に手帳を与えて、「1ヶ月先を見据えて、その日までにできるようになるにはどうすれば良いか、ブレイクダウンしたスケジュールを立てる」「それをもとに、その日にやることを全て書き出す」ような話を息子にしていたわけですが、いくら私が一緒にやろうとしても、4年生男子には少し早かったようでした。
結局は私が「これが必要」「これをやらないといけない」といった通りにスケジュールを作るようになってしまいました。そのようなこともあって、その時点では子どもにスケジュールを立てさせることはやめてしまいました。言われたことをそのままやるのでは、スケジュールを自分で立てたとはいえず、言われたことを言われたままにやるのと何も変わらず、意味がないと思ったからです。
大人からすれば、スケジュールを立てて見える化して、それに基づいてタスクをこなしていく、というのは普通のことだと思うのですが、それをまだ10歳の子どもに押し付けてもかえって自分で考えなくなってしまうのではないかと思ったのも、いったんスケジュール管理を自分でやらせることをあきらめた原因の一つです。
6年生からはある程度自己管理させた
4年生のときにはあえなく撃沈した息子による、息子のための自主的なスケジュール管理でしたが、6年生になって、家庭教師の先生に出会ってからは、やるべきことを見通したスケジュールを先生と親である私で相談して作成するようにしていました。たとえば、その当時のスケジュール例はこのようなものでした。
そのころは、ちょうど息子もやや反抗期に入り、大人から言われたことをその通りにやることに対して少しずつ反発するようになってきていました。そこで、こちらで立てた1ヶ月のスケジュールをベースに、1日1日何をやっていくか、という最後のスケジュール確定作業を息子自身にさせるようにしてみました。具体的に言うと、下記のような感じです。
(例)上記スケジュール表の「サピックステキスト理科」項目
- まず息子自身がサピックステキストを見て、勉強する単元を1か月分、1日単位に振り分ける
6/3 530-08 ろうそくと燃焼~物質の性質と変化➂
コアプラス理科 ◯P〜◯P というようにです。
- 次に、振り分けた内容を、マンスリー式の手帳に書き出す
- その日やるべきテキストはクリアファイルに入れる
- やり終わったら、手帳の該当箇所を赤線で消していく
ご存知の方も多いと思いますが、コアプラスというのは、サピックスで使う、理科と社会の一問一答形式の問題集です。6年生になると追い込みも兼ねてまとめの問題集として使います。テキストをやったら、セットでコアプラスの該当する単元をやるようにしていました。
このようなスケジュール管理の作業を、月末の日曜日にやるようにしました。その際のポイントとしては、スケジュールを立てた時点では「親がごちゃごちゃ口を出さないこと」ではないかと思います。スケジュールを立てる段階から親があれこれ口を出してしまうと、もうその時点で子どものやる気は半減してしまいます。
そこで、1週間に一度、親子で一緒に進捗状況の確認をし、そこで順調に進んでいない場合にだけ、アドバイスをすれば良いのではないか、と思い、そのようにしていました。この方法にしてからは、自分で立てたスケジュールということもあり、「やるべきことの消化率」はだいぶ高くなりました。
この、スケジュール管理作業における醍醐味は「赤線で消す」作業だったと思います。仕事でもそうですが、終わったタスクを消す、ということには何とも言えない達成感を感じられます。大人でもそうなのですから、息子も一つ赤線でやるべきことを消していくごとに、ちょっとずつ目標に近づいている、そんな満足度、達成感も得られていたように今から考えると感じています。
まとめ
できれば日々の勉強に関して、スケジュール管理もお子さん自身にさせたいと思う親御さんは多いと思います。私もそうでした。ですが、あまりにもスケジュール管理をさせる時期が早すぎると、かえって全く意味をなさなくなってしまう、というのが受験を終えて思うことです。
また、全てのスケジュールを一からお子さんに一人で自己管理させるのではなく、大枠は大人の方で決めてあげて、最後の仕上げ部分を本人にやらせるようにすると、「自分で決めたこと」だからしっかりやろう、と、お子さんの取り組み方そのものも変わってくるのではないでしょうか。
最近ではスケジュールもデジタル管理しているご家庭が多いかもしれませんが、「紙に書き出して、終わったタスクを自分の手で消していく」、このアナログな方法は達成感も感じられておすすめです。実は、私の仕事の管理方法でもあるのですが。
もし、スケジュール管理をどうやって行こうか迷っていらっしゃる場合は、いろいろな方法を試してみるとよいと思います。ですが、その際には、結局大人が子どもに「やらせている」状態にしないこと、お子さんが「やらされている」という消極的な気持ちにならないように管理方法を考えてあげるのが良いと思います。
どのようなやり方が合うかはお子さん次第のところもありますが、ゴールに向けてやることを見えるようにして、それをいつまでにやるか、という意識をお子さん自身が持つことができるように工夫してあげてはいかがでしょうか。
おわりに
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。