ゴールデンウィークも終わり、いよいよ中学受験に向けてギアを上げていく時期です。GWは、塾の特訓に参加された方、家庭学習でこれまでの復習をした方、いろいろな形で勉強をされたと思います。このGWで学んだことを活かせるかどうかはこれからにかかっています。
今回は、GW中の学習を終え、夏休みに向けてどのように計画立てて勉強していくか、について書いていきたいと思います。
まずはほめてあげてください
大型連休期間ですから、この時期を勉強一色で過ごすことは、受験生とはいえかなりストイックな生活だったと思います。それを乗り切ったことを、まずは褒めてあげてください。「頑張ったね」「よくやったね」と声をかけ、ねぎらってあげてください。中学受験生のモチベーションのうち、親御さんを喜ばせたいから頑張る、という要素はとても大きいものです。「これも終わらなかったじゃない」「どうするのよ:などと焦って責めてしまっては、これからギアを上げていくべき受験生のモチベーションを下げてしまいます。もちろん、さぼっていたり、不真面目な態度で勉強をしていたなど、理由があるときは叱る必要がありますが、まずは頑張ったことを認めてあげてください。
勉強のペースを整えよう
GW中に特訓講座を受けた場合、通常授業で学んでいたことを忘れてしまったり、これまでの学習ペースが乱れたり、計画に狂いが生じたりすることがあります。朝から晩まで入試問題に取り組むことも多いGW特訓、脳の体力はついたかもしれませんが、その内容を積み残していないか、それまでに学習してきたことの定着を確認できたか、など、親御さんには、これからの学習ペースを整えるところをぜひ助けてあげてください。勉強をするのはお子さんですが、やはり小学生です。計画立ててペースを整えるプロデューサー役は親御さんにぜひお願いしたいところです。
復習をしっかりしておこう
GW期間中は、様々な問題に触れて、おそらく苦手単元の克服や基礎力強化の必要性を認識したと思います。GW特訓に参加した方は、せっかく参加したのですから無駄にしたくないですよね。出された課題に追われて、復習に手が回っていないということはありませんか?特に苦手な単元がはっきりしたなら、早い段階で基本に戻って復習するようにしましょう。まずは早めに基本の理解を確認するようにすることが大事です。間違えた問題は必ず解き直して、解法を確認してまとめ、少し時間をおいてまた解けるかどうかやってみましょう。また、新しい知識を得た場合には、それも確認して、今のうちに覚えるようにしましょう。それを夏休みまでに繰り返し、GWに学んだことをしっかり頭に叩き込んでおきましょう。
苦手単元と今後の学習計画
特訓講座に参加された場合、率直にお子さんに苦手分野が克服できたかどうか、手ごたえを聞いてみてください。もし期間中にテストがあったなら、苦手単元の得点はどうだったか、親子で確認してみてください。なぜかというと、それによって今後の学習計画や、夏期講習の講座の取捨選択に影響が出るからです。苦手分野の克服ができているなら一歩進んだレベルで夏期講習で問題演習を積むことができますし、それに向けて計画を立てることができます。
しかし、反対に、問題はたくさん解いたけれど苦手単元についてはやはり積み残した、ということであれば、まず夏休みまでにそれをどう克服するか、日々の学習時間の中にその克服のための時間をどうとっていくか、そして、苦手分野はそこだけなのか、様々確認し、夏期講習までの学習時間配分をどうするか、夏期講習を取捨選択して自分の勉強をするか、など考えなければなりいません。
この機会に、お子さんのレベルが、志望校に向けてどのくらいの距離にあるのかを確かめ、学習計画に無駄がないか、あるいは無理がないかを確認していただきたいと思います。
今後、夏休みまでは基礎中心で
通常授業に戻ったら、まずはそれに確実についていくようにしましょう。科目によって、夏休み前まで新出単元に取り組んでいることがあります。基礎をしっかりと理解しているかどうかのチェックを着実にしていきましょう。
それと同時に、家庭学習では苦手分野の克服と基礎中心の学習を進めてください。夏期講習はまず総復習を行いますが、ペースは速く、量も多く、レベルアップした問題、入試問題にも取り組み始めますので、基本がしっかりしていないとついていけなくなります。夏期講習は総復習、と言いますが、秋以降始まる志望校対策のために必要な基礎力を底上げしておくことに主眼を置くべきでしょう。総復習には得意分野、苦手分野関わらず含まれていますから、自分はどこを重点的に学習すべきなのか、何に時間を割くべきなのか、それをしっかり考えたうえで取り組むべきです。夏期講習機関を充実させるためにも、これから夏休みまではぜひ基礎の理解と演習を大切にしてください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。