2年間通ったサピックスですが、4年生から5年生のカリキュラムを消化し、6年生になって「ひょっとして、サピックスは息子に合ってない?」と、今までうっすらとではありますが感じていたことを認めざるを得ない状況になりました。
今回は、習い事との両立も含め、再度中学受験をするにあたって、わが子にとって大切なことは何なのか見つめなおした経験をお伝えします。
子どもにとって大切なことは何なのか
そもそも、中学受験を決めた時から、所属しているスポーツチームをやめるつもりはなかったので、全員一定のペースで進む集団塾ではなく、個別で指導をしてくれる塾の方がよかったのかもしれない、そのように考えるようになりました。
特に授業のスピードが速く、宿題の量も多いサピックスのカリキュラムは、確保できる家庭学習時間がただでさえ少ない息子には最善の選択、とは到底言えなかったのかもしれません。
5年生の後半からはどの子も(特にサピックス生は)かなりの本気モードに入りますので、今後習い事を一切やめてすべての時間を自主学習に費やさない限りは、明らかに周りからおいていかれる、そう思いました。
受験をするなら、いつまで習い事を続ける?
中学受験を考えるうえで、「いつまで習い事を続けるか」と悩まれる保護者の方は多いと思います。特に、チームスポーツなどをやっていたりすると、6年生は最上級生になり、子どもとしても主要メンバーとして活躍する学年になります。
チームワークや達成感など、勉強とは異なったポイントで得られる体験としては唯一無二の機会ですし、精神面も鍛えられると思っていました。
そのような、「人として成長できる」という可能性を無限大に秘めたチャンスをみすみす捨ててまで中学受験をすべきなのかと考えたときに、やはりそこまでして中学受験をするべきか迷いましたし、そのつもりもありませんでした。
息子の場合、野球もアイスホッケーも6年生になって「キャプテン指名」を受けることになり、中学受験に集中するどころか、ますます「どうやって最後までやりきるか」という戦略を練り直す必要に迫られたのです。
ある日、塾をサボった!
そんな最中、ある「事件」がありました。いつも通り仕事から帰宅すると何やら置き手紙がありました。その日は塾の後、アイスホッケーの練習日だったのですが、「僕は今、大会を控えているので早めにリンクに行きます。塾は休みました。ホッケー頑張るから、受験はやめたい」と書いてあったのです。
「ついに来たか!」と思いました。サピックスではクラスが落ちたままなかなか戻れないし、スポーツの練習で疲れても翌日は学校に行かなければならないし、1日ごとに細かくブレイクダウンしたスケジュールを作成しても、自由時間などほとんど取れなくなってきていました。わが息子が悲観的になるのも当然だ、と思いました。
その日を境に、これからどうするかについて息子と話し合うようになりました。その点については、次回お伝えしていきたいと思います。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。