今回は、「疑問文」と「否定」の応用編です。
まずは「疑問文」のさまざまな形と慣用表現を見ていきます。次に「否定」の慣用表現と否定語を使わない否定表現を学んでいきます。
Contents
付加疑問
- ①It’s very hot today, isn’t it? – Yes, it is.
(今日はとても暑いよね。―うん、暑いね) - ②She doesn’t like coffee, does she? – No, she doesn’t.
(彼女はコーヒーが好きじゃないよね。―うん、好きじゃないね)
付加疑問とは、「〜ですよね」と相手に同意を求めたり確認したりすることです。平叙文の後に短縮系の疑問形が続きます。
①は肯定文なので、「isn’t it」のように否定の付加疑問になっています。
②の否定文では、「does she」のように肯定の付加疑問になっています。付加疑問は「be動詞(助動詞)+主語」の形です。
- You aren’t tired, are you?(疲れていないよね?)
- They cannot run fast, can they?(彼らは速く走れませんよね)
付加疑問へ答え方は、肯定の時は①のように「Yes」と、否定の時は②のように「No」と答えます。
- ③There’s some juice in the fridge, isn’t there? – Yes, there is.
(冷蔵庫にはまだジュースがあるよね?―うん、あるよ) - ④Bob hasn’t arrived yet, has he? – No, he hasn’t.
(ボブはまだ来てないよね?―うん、来てないよ) - ⑤She never listens, does she? – No, she never does.
(彼女ってまったく人の話を聞かないよね。―うん、まったくね)
続いて③の「There is…」の付加疑問を見ていきます。
こちらも基本のルールと変わらずに、主語と動詞を入れ替えて「isn’t there」のようになります。肯定文なので、否定の付加疑問です。
④は完了形の文ですが、こちらも「has he」のように、完了形のhave(has/had)を用います。
⑤は「never」があるので否定文です。したがって「does she」のように肯定の付加疑問になります。
修辞疑問文
- ①Who knows?
(だれに分かるだろうか→だれにも分からないよ) - ②What could be simpler than this?
(これ以上簡単なものが何かある?→これが一番簡単だよ)
疑問文の形をしているけれども、相手に答えを求めることを目的とはしない文を修辞疑問文と呼びます。
上記の①②は肯定の修辞疑問文なので、否定の気持ちを表してします。一方で否定の修辞疑問文は、肯定の気持ちを表します。
- Who doesn’t love ice cream?
(アイスクリームを嫌いな人なんていないよ)
平叙文のままの疑問文
- ①You gave him your telephone number?
(彼にあなたの電話番号を教えました?)
文尾を上昇調のイントネーションにするだけで疑問文になることがあります。
会話などの話し言葉で、文の内容を相手に確認する場合に用いられることが多いです。
聞き返し疑問文・応答疑問文
- ①”I’m sorry, Dad. I broke your…” – “You broke my what?”
(「お父さんごめん。壊しちゃったんだ、お父さんの…」「私の何を壊したんだって?」) - ②“I told him the truth.” – “You told him what”
(「彼に本当のことを言ったの」「何を言ったの?」 - ③“John hit a home run yesterday.” – “Oh, did he?”
(「ジョンが昨日ホームランを打ったんだ」「へえ、そうなの」 - ④“I am not interested in video games.”- “Aren’t you?”
(「テレビデームには興味がないんだ」ー「そうだんだ」)
分からなかった部分を聞き返す疑問文が①です。お父さんの“何”を壊したのか分からないので、その部分に「what」という疑問詞を入れます。
②のように、相手が言ったことに対して、驚きや意外な気持ちを表すときに用いる場合もあります。
③と④は応答疑問文です。相手が言ったことにあいづちを打つ場合に、疑問文の形式を使います。
③は「ジョンがホームランを打ったこと」に対してあいづちを打つので、疑問形にして「did he」となっています。
疑問文の慣用表現
- ①What did the police come here for?
(なぜ警察はここにきたのですか) - ②What is the food in Spain like?
(スペインの料理ってどのようなものですか) - ③How come you didn’t bring your sister?
(どうして妹さんを連れてこなかったの?)
「何のために…?」と目的を尋ねるときに、①のように「what…for」という形を用いることがあります。
また下記の例文のように、「どうして?」と尋ねる場合にも用いられます。
- “I must go back to my house.” “What for?”
続いて②の「What is S like?」は「Sはどのようなもの?」という意味の慣用表現です。
「Sの見た目はどんな感じですか?」「Sはどのように見えますか?」という意味の疑問文は「What does S look like?」という形になります。
- What dose the Sphinx look like?
(スフィンクスは見た目はどんな感じですか)
「どうして…?」と尋ねる場合は③のように「How come+SV?」の形を用います。
否定の慣用表現
続いては否定の単元の応用編に移ります。下のテーブルは否定の慣用表現をまとめたものです。
1 |
cannot help –ing |
〜せずにはいられない |
2 |
cannot… too ~ |
いくら〜してもしすぎることはない |
3 |
it is not long before… |
まもなく…する |
4 |
not…until ~ |
〜までは…しない |
5 |
hardly…when~ |
…するとすぐに〜 |
6 |
do nothing but + 動詞の原形 |
…してばかりいる |
7 |
have no choice but to do |
…するしかない |
8 |
no longer… |
もはや…でない |
2の「cannot… too ~」のtooの後ろには形容詞や副詞を続けます。
→We cannot praise him too highly.(彼のことはいくら褒めても褒めすぎることはない)
この表現は「cannot…enough」で書き換えることも可能です。
→We cannot see her often enough.(彼女とはどんなに頻繁に会っても足りないくらいだ)
→I cannot apologize enough.(どんなに謝っても足りないくらいだ)
3〜5の慣用表現は「時」を表すときに用います。「It is not long before…」は「…する前に長い時間はかからない」と考えると分かり易いでしょう。
→It will not long before an ambulance arrives.(救急車が到着するまで長い時間はかからない→救急車がまもなく到着するだろう)
5の「hardly…when~」は、「scarcely…before~」と書き換えることも可能です。
→The game had hardly(scarcely) started when(before) it began to rain.(試合が始まるとすぐに雨が降り出した)
また「no sooner…than〜」で「…するとすぐに〜」という意味を表すこともできます。
→He had no sooner stepped outside than it started to rain.(彼が外出するとすぐに雨が降り出した)
否定を使わない否定表現
「too…to不定詞」:あまりにも…なので〜できない
- He was too sleepy to do his homework.
(彼はあまりにも眠かったので、宿題ができなかった)
不定詞の前に〈for + 名詞〉を置き、不定詞の意味上の主語を表すこともできます。以下の例文では、「この本は」という主語と、「私は」という意味上の主語の2種類あります。
- This book was too boring for me to read through.
(この本は退屈すぎて私は最後まで読み通すことができなかった)
この「too…to不定詞」の書き換えとして「so…that〜」を使うこともできます。
- He was so sleepy that he couldn’t do his homework.
(彼はあまりにも眠かったので、宿題ができなかった)
「the last…to不定詞」:決して〜しない…
- He would be the last person to tell a lie.
(彼は決して嘘をつかない人でしょう)
「〜するとしたら最後の…」という意味合いで覚えるといいでしょう。
つまり、「嘘をつくとしたら彼が最後の人だろう」という意味合いになります。書き換えとしてto不定詞の代わりに関係詞節が続く場合もあります。
「fail to do」:〜しそこなう、〜できない
- The alarm failed to ring.
(目覚まし時計がならなかった)
本来ならばすべきことや、したいと思っていたことができなかった場合に使います。
「never fail to 不定詞」は「〜しそこなうことがない・必ず〜する」という意味になります。
「anything but…」:決して…でない
- His story was anything but boring.
(彼の話は決して退屈ではなかった)
「far from…」:…からはほど遠い、少しも…ない、とても…とは言えない
- Twenty thousand yen for a T-shirt is far from cheap!
(Tシャツ1枚に20,000円だなんて、とても安いとは言えないよ!)
主にbe動詞を使う文で使われます。Fromのあとには名詞や形容詞が続きます。
「free from…」:…をまぬがれている、…がない
- No animal can live free from danger.
(何の危険もなしに生きていける動物などいない)
fromのあとには意味的に「やっかいなもの」「不都合なもの」「苦痛」「心配」など、悪い印象をもっている名詞が続きます。
前置詞にofを使う場合もあります。
最後に
いかがでしたか?
今回は応用編として、「付加疑問」「修辞疑問」など様々な疑問文や、「否定」の慣用表現について見てきました。
覚えることが沢山ありますので、きちんと暗記をしておくようにしましょう。
【参考文献】
石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
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参考
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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