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関東地方の地理をおさえよう!
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県の7県からなる関東地方の地形・気候・産業などをおさえていきたいと思います。
関東地方の政令指定都市はさいたま市(埼玉県)、横浜市(神奈川県)、相模原市(神奈川県)、川崎市(神奈川県)、千葉市(千葉県)です。
それぞれの県についてまず説明します。
東京都
日本の首都。徳川家康が江戸に幕府を開いてから後、政治の中心となっています。江戸城は現在皇居となり、天皇の住まいとなっています。23区、26市、5町、8村からなります。1964年、2020(2021)年と2度にわたって夏季オリンピックの開催地となりました。人口は13,754,059 人(平成30年1月1日)で世界最大級の人口をもち、国際的な都市となっています。東京湾沿岸は京浜工業地帯に属し、工業が盛んです。
埼玉県
(県庁所在地:さいたま市)
埼玉古墳群や稲荷山古墳などの古墳遺跡もあり、江戸時代は新田開発が盛んに行われました。大河ドラマ『青天を衝け』は深谷市出身の「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一をモデルに描いています。有名な特産品に深谷ねぎがあり、里芋やほうれん草など野菜の生産も盛んです。
茨城県
(県庁所在地:水戸市)
北海道、鹿児島に次ぎ農業産出額全国3位の農業県です。県土の大半を平地が占め、その多くが農地になっているため、森林率31%と大阪府に次いで低くなっています。水戸納豆が特産品として有名です。
栃木県
(県庁所在地:宇都宮市)
栃木県日光市には将軍徳川家康を祀った日光東照宮があります。日光市をはじめ栃木県の北部一帯は日光国立公園として有名です。内陸型の工業地帯が発達するほか、那須塩原市では酪農、真岡市や鹿沼市ではいちごの栽培は盛んです。ブランドいちご「とちおとめ」が有名。
群馬県
(県庁所在地:前橋市)
草津温泉、伊香保温泉、水上温泉、四万温泉の4大温泉があり、長野県、福島県と面している利根郡の高地の盆地には尾瀬自然公園が広がっています。富岡市には2014年に世界遺産に登録された明治時代の官営模範工場である富岡製糸場があります。
千葉県
(県庁所在地:千葉市)
東京湾沿いの浦安市にはアミューズメントパーク東京ディズニーランド、シーがあり、木更津市には神奈川県の川崎市まで繋がっている自動車道路東京湾アクアラインがあります。太平洋側は海水客で賑わう九十九里浜や、全国一位の水揚げ量を誇る銚子港があります。
神奈川県
(県庁所在地:横浜市)
人口は9,243,028人(令和2年国勢調査結果)と東京に次いで全国2位。県内の政令指定都市は全国で唯一の3市。箱根や湯河原の温泉地帯や、数多くの神社仏閣が残る鎌倉市、幕末に開かれ明治時に入っても港として栄えた横浜港など観光地も多いです。
地形
- 利根川…全長およそ322km、日本第2位の長さ。支流を含めた流域面積は約16,840km2で2本で一番流域面積の大きい川です。支流を含め群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京の1都5県にまたがります。(注 図は簡易化したもののため、支流は入っていません)
- 関東平野…日本最大の平野であり、丘陵、台地、低地からなります。利根川とその支流によって運ばれてきた大地と、関東ローム層からなる洪積台地が特徴です。
【補足】関東ローム層とは?
富士山・赤城山・榛名山などの火山活動により、火山灰が堆積してできた火山灰層。赤土。
屏風ケ浦(銚子市)
- 関東山地…関東地方西部から中部地方東部にかけて広がる山地。
気候
関東甲信地方各地における年の30年間での月別平年値 (東京管区気象台)
関東地方の気候の特徴は夏と冬の気温差が大きいことが挙げられます。グラフを見ても分かる通り、梅雨や台風、秋雨の影響で6〜10月にかけて降水量が大きくなっています。夏は局地的なゲリラ豪雨が多く見られます。夏は、都市部を中心にヒートアイランド現象も見られます。一方冬は乾燥し、降水量も少なくなっています。西高東低の気圧配置になるため、冬の日照時間も長くなっています。
【補足】ヒートアイランド現象とは?
(気象庁)
エアコンや自動車など人工排熱が増え、コンクリートが熱を吸収しにくいなどの要因から都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことをヒートアイランド現象といいます。
工業
関東地方は三つの工業地域、地帯があります。
- 京浜工業地帯…東京の「京」と横浜の「浜」で京浜工業地帯となります。東京・神奈川を中心とした工業地帯です。海に面し、石油や鉄鉱石を運びやすいことから自動車の部品製造をはじめとした重化学工業が発展しました。また、出版社が関東都市部に集中しているため、印刷業の割合が高いのも特徴です。
- 京葉工業地域…商業地域や住宅地の増加により京浜工業地帯が過密となり、第二次世界大戦後に千葉県の東京湾沿いに発展した工業地域です。石油化学コンビナートや製鉄所を中心とした化学工業が盛んです。
- 関東内陸工業地域(北関東内陸工業地域)…栃木・群馬・埼玉・茨城4県全域の工業地域。古くは製糸や織物が盛んであったが、高速道路の整備が進み交通の便が良くなったことで、自動車や電子機器などの機械工業が盛んになりました。
農業
農業の大きな特徴は都市近郊農業という形態です。都市部の近郊に発展した農業形態のことをいい、都市部への交通の便の良さをいかし、鮮度が落ちやすい野菜や草花を生産し、出荷しています。
関東平野は火山灰などが堆積し平野となっているため、水分の吸収が早く、水田には向かない地域になっています。しかし、火山灰でできた栄養度の高い土地は野菜作りに適しています。
漁業
太平洋側を中心に水揚げが盛んです。全国一位の水揚げ量を誇る銚子港は水深200mの大陸棚が広がり、北上する黒潮と南下する親潮、そして利根川の流入による交錯で日本有数の好漁場を形成しています。サバ、マイワシ、サンマ、カツオ、マグロ、キンメダイやヒラメ、カレイなど約200種類に及ぶ魚介類が水揚げされます。
まとめ
関東地方 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県 |
政令指定都市 | さいたま市(埼玉県)、横浜市(神奈川県)、相模原市(神奈川県)、川崎市(神奈川県)、千葉市(千葉県) |
気候 | 夏は湿気が多く、冬は乾燥。夏と冬の気温差が大きい。夏場は都市部を中心にヒートアイランド現象が起きたり、ゲリラ豪雨が起きたりする。 |
農業 | 広大な関東平野を活かした都市近郊農業 |
工業 | 京浜工業地帯⇨重化学工業、印刷業 京葉工業地域⇨化学工業 関東内陸工業地域⇨機械工業 |
漁業 | 太平洋側を中心に水揚げが盛ん。銚子港は全国の水揚げ量一位を誇る。 |