中学受験・理科 天体が苦手な人必見!どうすれば点がとれるの?

天体の分野、苦手にしていませんか?天体の分野が苦手という方は、特に月の動き、星の動き、太陽の動きのところでつまずいていることが多いです。これらの単元は、計算問題として出題されることも多く、単に知識があるだけでは解けない、という経験をしたことがあるのではないかと思います。

また、空を見上げて月や星を見ることはあっても、実際に月や星がどのように動いているのか、どのように見えるのか、の区別をイメージしづらいということも、天体分野に対する苦手意識を作っていることがあります。今回は、天体分野の勉強法と、点数をとるための克服法について書いていきます。

天体の入試問題はどんなものが出題される?

最初にも書きましたが、天体では月の動き、星の動き、太陽の動きについての問題が出題されます。星の動きでは、星の動き方そのもの、何時にどの位置にいるか、星座の名前についての知識などが出題されます。星座早見表をもとにした問題が出題されることもあります。月の動きの問題では、月の見え方、太陽の場合も太陽の見え方の問題が出題されることが多いです。

また、月だけ、太陽だけ、というよりは、両方セットで出題されることもあります。太陽の光を受けて月は光っているわけですから、セットで出題されるのも十分予想できることですよね。こういう場合、1つの大問の中で、基本の考え方状況を変えた場合の見え方、などさまざまな角度から基本的知識がしっかり理解できているかどうかを見るような問題が出題されることが多いです。

たとえば、2017年度の駒場東邦中学の問題では、太陽と月の位置の問題が出題されました。

天体から大問1つが出題されましたが、地球から月を観察した場合の月の満ち欠けについての問題に続き、宇宙飛行士になって月に行き、月の北極点から地球を見たときの図を提示したうえで。太陽、地球、月の位置関係がどうなっているか、上の図の中のア~エから選ばせる、という問題です。この図についても、条件が付けられており、見落とすとアウト、という問題になっていました。

どうして天体が苦手になるの?

天体が苦手、という受験生は、天体の動きを実感できず、イメージができていないことが考えられます。塾のテキストに、「地球の自転」や「公転」ということばが出てきますよね。そのことば自体は知らない人はいないと思います。ですが、その意味を理解せずに丸暗記して乗り切ろうとして、「どこから見た○○」などと条件を変えられたら知識問題のはずなのに解けない、ということを繰り返している受験生が非常に多いのです。

また、星座についても覚えることはたくさんありいます。ですが、日本からは見えない星座もたくさんありますよね。でも、知識として、○○という星座があり、1等星は何色で、どこから見ることができる、とただ暗記しようとしても実感が伴わないため、すぐに忘れてしまいがちという難点もあります。

さらに、最近では天体は時事問題としても出題されます。たとえば、日食月食という現象が起きるとき、テレビでも大きなニュースとして取り上げられますよね。受験生の皆さんも、「日食」「月食」という言葉を知らない人はいないでしょう。でも、そもそも日食って?月食って?皆既日食って?と、説明させるとできない、つまり理解しないで言葉だけ知っている状態で、聞かれ方を変えられて答えられないことが重なり、苦手意識を持ってしまうのです。

こうすれば点数がとれる!天体の克服法は?

先ほどから書いていますが、天体がどうして苦手になってしまうかというと、それは「天体のイメージを持つことができないから」です。逆に言えば、「イメージを持つことができれば、天体は克服できる」ということになります。

月の動きと太陽の動きを理解するには、実際に図を描いて覚えるのが一番です。図を描いてみることによってはじめて、どのように月や太陽が動いているか、月は太陽の光を受けてどのような形をとるのか、などが理解できるのです。そしてそのときには、「観察者がどこにいるのか」がポイントになります。先ほどの駒場東邦中学の入試問題にもそのような視点を持って解かなければいけない問題がありましたが、地球にいるのか、月にいるのか、はたまた宇宙ステーションにいるのか、それぞれによってどのように変わるのか整理しておくといいでしょう。また、地軸の傾きはどうなっているか、地球の自転、公転の知識も確認して、しっかり理解して、イメージを作り上げることが大事です。そこまでやってから問題を解けば、正解できる問題はかなり増えているはずです。

また、星座については覚えることがたくさんある、と先ほど書きましたが、やはり手を動かして、自分で表を作って整理して覚えることをおススメします。季節、星座、1等星の名前などをまとめておきましょう。ただ星座の名前、星の名前を覚えるのは単純作業でなかなか大変ですが、こればかりは覚えなければ問題を解こうにも解けません。ですから、自分が覚えやすいように表にしてしましょう。最初から完璧なものを作らなくてもいいのです。代表的なものを作り、そこに塾で習ったり、模試で出たものを付け加えていって、自分なりの表を少しずつ完成させていけば大丈夫です。そのような表を作ったうえで、月や太陽のところと同様に、観察者が星座を見たときに、どちらの空にどのように見えるのか、見ている場所が変わるとどうなるのか、ということを順序立てて整理しておきましょう。

まとめ

天体の分野は、星座の名前の暗記をはじめ、角度などの数字も覚えなければならないなど、暗記することが多いのはたしかです。また、月や太陽の動き、星座の位置など、イメージができないと解けない問題もたくさんあります。

でも、どのように月や太陽が動くのか位置関係を描いて覚えたり、星座の動き方や見え方を整理したりして確実に知識を増やしていけば、解ける問題も飛躍的に増えるのが天体分野です。知識をより深く確実なものにするために、「観察者の位置はどこか」「地軸の傾きはどうなっているか」「地球の自転・公転を意識して」場合分けして整理しておきましょう。そのうえで、問題文の条件をしっかり読みとり、問題を解く練習を積んでいきましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。