中学受験生の皆さんの中には、理科を苦手とする方も多いと思います。塾で教えてもらっても、どんどん先に進んでいくので、理解を深める時間もなく、知識が定着しにくい科目であるとは思います。
今回は、理科を苦手とする中学受験生の方に向けて、理科の勉強法の「基本のキ」をお伝えしていきます。
理科のポイントは2つ
理科のポイントは、
- 「知識」
- 「論理」
の2つです。理科については、この2つを習得すれば、それほど身構えるものではありません。
ですが、これを習得することはなかなか時間もかかり、簡単なことではないのです。塾によっても教え方は違いますので、分けて考えてみましょう。
「理科は暗記だ!」=知識重視
これは皆さん経験上言われたことがあるでしょう。つまり、理科の「知識」の部分のことです。
知識の部分を重点的に暗記すればたしかに一時的に成績は上がっていきます。しかし、ただ頭から丸暗記、というのは、受験生にとっては相当な苦痛です。
どうしても覚えなければ、知識がなければ正解できない部分については、それはやらなければならないことなので、いろいろ工夫して覚えていく必要があります。いくつかのグループに分けて覚えるとか、共通部分を覚えるとか、はみ出している特徴を覚えるとか、いろいろな覚え方があります。
それに関しては、「覚えなくてもいい」ということはできません。水溶液の色の変化など、覚えなければ話にならないところもありますから、一定の時間を暗記に割くことはやむを得ないことです。
「理科は読解力にかかっている!」=論理重視
最近の中学受験の理科は、問題文が非常に長く、読むだけでも一苦労です。しかも、実験結果やグラフなど、文章以外にも読み解かなければならないことが多いです。
もちろん知識は必要ですが、このようなタイプの問題の場合、聞かれている知識そのものは難しいものではありません。むしろしっかりリード文を読んで、実験結果が何を指すのかを理解できれば、その場でしっかり考えて正解できるものも少なくないのです。
つまり、読解力があればしっかり点数がとれるのです。このような出題の場合、多くの問題演習を通して様々な形の出題に慣れることによって対処できる部分もあります。ですが、塾によって触れる問題量にかなりの差がありますし、家庭学習でも負担に感じることが多いかもしれません。
オススメ学習法 プレゼンテーションをしてみよう
知識と論理、どちらも欠かすことができない理科の勉強ですが、苦手意識を持っているお子さんにオススメの学習法があります。
それは、問題と解答を口頭で「プレゼンテーション」することによって、理解を深めるという方法です。
ご家庭でやるなら、親子2人でペアを組み、一人が問題を読み上げ、解法、解答を相手に解説します。いかにわかりやすく、興味を持てるように解説できるか意識するといいでしょう。
これをすることで、
- おのずと問題の意味をよく考えることになる(=「論理」)
- 口に出して説明するため、必要な知識が理解できる(=「知識」)
- 親子でやることで、楽しんで多くの問題にふれることが出来る(=「論理」)
というような効果が得られます。
机上で多くの問題を黙々と解く、そういう時間も必要ですが、この方式でなるべく多くの問題に触れることで、だんだん苦手意識が薄れていきます。
きちんと説明できるということは、理解しているということです。ぜひ、やってみてください。
まとめ
最初にも書いたように、理科の成績を上げるポイントは「知識」と「論理」です。この二つを常に意識し、誰かに説明できるくらいまで理解を深めれば、点数は上がっていきます。
むしろ焦って、とにかく覚えればいいや、という「暗記重視の勉強」や、知識がなくても解法がわかっていればいいのでしょうという知識を軽視してただ「たくさんの問題を解くことだけ考える勉強」、そのような偏った勉強は理科に対する興味を持てず、苦手意識が残ったままになっています。
どうか焦らずに、知識と論理のバランスを取りながら、人に説明できるように繰り返し理解することを意識して勉強してください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。