2つのスポーツチームの練習とサピックスの大量の課題の両立がいよいよ厳しくなり、息子のプチ反抗もきっかけとなり、6年生になって改めて中学受験とスポーツチームとの両立を考えたわが家。息子と一緒になって、本当はどうしたいのか、今後どうしていくかについて話をしました。そこで息子が出した答えは、「塾を変えて、とりあえず野球とアイスホッケーは2つとも継続。様子を見てどちらか一つに絞る選択もあり」というものでした。(前回の記事はこちらから)
今回は、サピックスしか知らなかったわが家が転塾を考え、行動した経験についてお伝えしたいと思います。
意外だったサピックスの対応
転塾活動を行うにあたり、まずはサピックスに報告しました。転塾を検討していることとその理由を、当時懇意にさせていただいていた算数のS先生に相談しました。息子は国語や社会は得意でしたが、算数は苦手でした。授業後の質問教室に行ったり、四半期に一度行われる保護者会でも、私がいつも相談していた先生です。
「そうですか。私たちとしては、2年以上一緒にやってきましたから、ぜひ最後まで一緒にやり切りたいと思っています。○○君も、もう少しのところまで来ています。ただ、ほかを見られるのも結構です。もし戻りたくなった場合すぐに戻れるように、お辞めにはならずに、塾がない日に他塾を見るなど、とりあえず欠席扱いでどうでしょうか。」
「去る者は拒まず」そんなイメージのあったサピックス。しかも、6年生の追い込みという時期にもかかわらず、意外にも我々親子の立場に立ったアドバイスをくれました。
転塾検討対象は、個別指導塾と中堅塾
検討したのは、自宅から通塾可能なトーマス、個別指導塾ドクターなどの個別指導塾と、早稲田アカデミー・啓進・市進・臨海セミナーでした。早稲アカは口コミを参考に、啓進は大手からの転塾組が多く、周りの評判がよかったこと、市進・臨海セミナーは徒歩圏だったので、学校が終わって自学するのによいかと思い、候補に入れました。
6年生の6月という微妙な時期に問い合わせをした結果としては、早稲アカ、啓進は定員超過でNGでした。個別指導塾ドクターは、志望校を言うと週3回通えるならOKとのことでしたが、費用を計算するとサピックスの2.5倍となり、家計的にNG。
残るトーマス、市進、臨海セミナーをまず検討することにしました。実際に話を聞いたり、体験した結果として私が感じたことをまず2つの塾について書いてみます。
トーマス
今から立て直すにはやはり「オリジナルの処方箋」が必要だと思い、個別指導塾を最有力候補に考えていました。実際、周りに行っている人も多かったことも検討材料の一つでした。
印象としては、
- 営業色が強かった(6年の6月という時期にもかかわらず)
- トーマスがスポンサーをしているというサッカーチームの話が長かった(受験に全く関係ない・・・)
- 実際の教室を見たところ、隣の声がすごく気になりそうなネットカフェ的な指導スペースだったので、息子は集中できそうにないなと思った
- 先生がアルバイトで、固定にならないこともあるというのも気になった
といった感じでした。
市進学院
こちらの印象としては、
- 塾長がとても丁寧で先生方も熱く、好印象
- 「1回じゃわからないから、とりあえず2,3回体験授業を受けてみて、よかったら継続してみては」と、営業色が強くなかった
4クラスあったと記憶していますが、お試しで簡単なテストを受け、上から2番目のクラスで体験することになりました。とりあえずこの時点で市進にお試しで行くことにしたので、臨海セミナーはおあずけにしました。
転塾お試し、息子の反応は・・・
転塾のお試しでまず初日に市進に行った息子。帰宅後の反応は「ほとんどわかったし、できた。」ととてもうれしそうでした。そして間にサピックスを1回はさみ、2回目の市進のお試しから帰宅した息子は、突然こう言いました。
「やっぱり、サピックスがいい」
驚いたのは言うまでもありません。その理由としては、「生徒の真剣度合い」と「算数の先生のわかりやすさ」でした。
たまたまだったのかもしれませんが、息子の体験したクラスは上から2番目で、そこそこ上位校を狙っているはずのクラス。そんな中でも授業中笑いをとったり、小学校のクラスのような雰囲気があったそうです。皆仲は良さそうで、それはそれで楽しいのですが、生徒一人ひとりの真剣度がサピックスとは違うというのです。
また、これもたまたまだと思いますが、息子が苦手としていた算数は、圧倒的に懇意にしていただいていたサピックスのS先生の方がわかりやすいとのことでした。
市進学院の塾長さんに丁重にお詫びの連絡を入れ(それでも「応援しています」と言ってくれるなど、本当に良い方でした)、改めてサピックスのS先生に報告しました。すると、次にサピックスに行ったとき、多くの生徒が質問をしようと先生を待っている中、息子を呼び出し、「○○くんがやっぱりサピックスでやろう、と決めたんだから、一緒に最後までやりきるぞ。塾のクラス分けは気にするな。目的は、目標とする学校に受かることであって、クラスが上がることじゃない。」という話をしてくれたそうです。
今回のまとめ
時間があればもっと話を聞くことができ、別の選択肢もあったかもしれません。ただ、フルタイムで働く母のみとしては、時間も土日や夜間しかない中で、ある程度絞り込まないと結論にたどり着くまで時間ばかり使ってしまいます。これも直感や子供との相性をよく見極めて、短期決戦で行動することが大事だと思います。
また、ある程度の方向性や方法は示したうえで、やはり最終決定するときは子どもの意見を聞いてあげることが大切だと思います。わが家では息子の意見をそのまま受け入れましたが、場合によっては別の選択肢をとらざるを得ないこともあると思います。そのようなときに、なぜその方法がいいのか、子どもにも理解できるように対応してあげたいものです。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。