中学受験・合格した学校が第一志望でない場合の2つの選択

中学受験生の多くは、小学校4年生から6年生までの3年間、好きなことも我慢して志望校合格のために頑張って勉強し、入試に臨みます。ですが、試験は水物とも言われます。これだけ準備してきた、頑張ってきたからまず大丈夫、と太鼓判を押されていたとしても、入試当日に緊張感のあまりいつもの実力が出せなかった、インフルエンザなどで体調を崩した、あるいは1科目めでうまくいかず、そのまま立て直せずに終わってしまった、など、様々な理由で第一志望校にご縁を得られないこともあり得るのが中学受験の怖さでもあります。

もし、第一志望校にご縁がなかったら・・・第二、第三志望校に合格しているなら、合格した学校へ進学する選択肢もあります。あるいは、やはり第一志望校以外には眼中になかったから、あえて公立中学に進学、という選択もありえますよね。中学受験に臨む際には、お子さんには最大限実力を発揮させてあげられるサポートをするとともに、結果を見て進路をどうするか、そこまで考えておく必要があります。それが受験生の親御さんにとっての悩みどころだと思います。

今回は、もし第一志望校でない場合、どのような選択肢があるのか、2つに分けて考えていきたいと思います。

他の合格校に進学する選択

志望校を選択する際は、第一志望校と併願校を慎重に考え、組み合わせて入試スケジュールを組んでいきます。受験校を選ぶ材料は様々ですが、オーソドックスに考えれば、第一志望校はチャレンジ、第二志望、第三志望・・・は合格可能性が高い学校を選んで入試スケジュールを組んでいくことになるでしょう。

もし第一志望校にご縁がなかった場合、第二、第三志望校に入学するというのは一番現実的な選択だと思います。そのために重要なのは、第一志望校と併せて、「この学校だったら子どもを通わせてもよい」という学校をいくつ見つけられるか、ということです。そのために学校説明会や個別相談に行ったり、実際に通っているお子さんをお持ちの方に学校の中のことを聞いたり、と親御さんがフルに動いて「ここだったら子供も気に入るだろう」「教育方針にも共感できる」という学校を探していくことは、中学受験で親御さんにしかできない重要な役割です。

第一志望校にぎりぎりの学力で合格した場合、入学時にすでに学力差が開いているため、勉強についていくのがやっと、という状況に苦しむことも往々にしてありますから、第二志望、第三志望であっても、入ってから様々なことに取り組み、勉強を頑張ってある程度余裕を持った学生生活を送ることができるというのも一つの選択肢です。中学受験の場合、小学校と異なり知らない土地、初めて会うクラスメイトとの生活で、ストレスを感じるお子さんもたくさんいらっしゃいます。学力面で余裕を持たせて合格できたのであれば、第一志望校以外の合格校に進学して頑張る、という現実的な選択をすることも大切です。

そして、この中学受験での経験をばねに、勉強を頑張り、大学受験、あるいは高校受験をしてさらにレベルの高い学校にチャレンジするという選択肢もあります。お子さんの中にも、そのような意欲を持つ方も多くいらっしゃいますから、親子で「第一志望校でなくても、中学受験という経験をしたことは、人生において決してマイナスではない」という思いを持ち、将来に向けてさらに頑張る、という前向きな気持ちで進学することは、素晴らしいことだと思います。そのためにも、「通わせてもよい」併願校をいくつ見つけられるかがポイントになります。

あえて公立中学に進学するという選択

第一志望校以外に合格したとしても、あえて公立中学に進学するという選択もあるでしょう。どうしても第一志望校に合格したかった、その学校が高校入試を実施している場合には、公立中学に進学して、その高校を受験するという選択肢もあります。もしかすると、中学時代の学習姿勢、頑張りにより、より高いレベルの高校にチャレンジできる力を身につけ、合格できる可能性もあります。

ただ、中学受験で併願校も含め受験校を考えてきた親御さんにとってはやはり勇気がいる選択になると思います。周囲に中学受験をするお子さんが多い場合は、やはりその目が気になるでしょうし、これまで受験のために犠牲にしたことやかかった費用を考えると、スパッと割り切れるものではないと思います。

この場合、ほかの合格校に進学するか、公立中学に進学するか、については、やはり受験前にしっかり考えておいた方がよいと思います。「通わせてもよい」学校、お子さんも気に入っている学校があるのであれば第二、第三志望であっても合格校に進学する選択をするのがやはり現実的だとは思います。しかし、お子さん自身の第一志望校へのこだわりが強い場合もあります。そういう場合も想定して、まずは親御さんの中でしっかり相談しておきましょう。そして、結果が出た後で、親子でしっかり話し合いましょう。決して、当事者であるお子さんの気持ちを無視して決めることのないようにしましょう。

公立中学に進学する場合、通学時間の負担は少ないですし、中学受験で培ったものは必ず活きてきます。部活動と勉強を両立し、より高い目標を持って頑張るお子さんもたくさんいらっしゃいます。また、現実的な費用の問題として、私立中学3年間分の学費を貯めることができます。そのような要素も加味して、しっかり話し合って進路をきめましょう。

第一志望校に合格できなくても

中学受験はある意味特殊な入試です。お子さんの成長期と受験勉強期間が重なりますし、親御さんがサポートすることも多い受験です。また、「受験に適した時期」はお子さん一人ひとり違う、ということもぜひ考えておいていただきたいと思います。早熟なお子さんなら中学受験向きと言えますが、どちらかというとまだ精神年齢的に幼いお子さんであれば、「伸びる時期」が少し遅い場合もよくあるのです。

第一志望校に合格できなかったとしても、受験のために頑張ってきたことは中学進学後、必ず役に立ちます。必要な基礎学力はしっかりついていますし、受験という緊張の場を経験したことによって度胸もついているはずです。進学先を第二、第三志望校にするか、公立中学にするかについては、最終的にはやはり親子で話し合い、お子さんの気持ちを尊重して決めていただくことになると思いますが、親御さんとしては、お子さんがどちらの道を選んでも、快くその気持ちを受け止めてあげてください。それでこそ、お子さんの中で「いい受験」をした、という経験になります。様々な選択肢がある今の世の中ですから、親御さんとしては冷静に、いろいろなパターンを考えておいて、お子さんと話す機会を大事にしていただきたいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。