【中学受験】これから大切!子どものやる気の引き出し方

前回の記事で、保護者の方は受験生のプロデューサーになっていただきたいということについて解説しました。小学生である受験生にとっては、入試までのロードマップを長期的に考え、いつ、何を、どのようにやっていったらよいかを把握することは難しいです。ですから、保護者の方が中長期的な視点を持ってお子さんを導いていってあげる必要があります。

今回は、模試を受けたときの保護者の受験生に対する接し方についてまとめていきます。どうしても成績結果の数字が気になりがちですが、間違えたところを責めてばかりいては成績は伸びませんし、第一成績が上がりません。

模試は入試の予行演習です。予行演習には予行演習なりの役割というものがあります。それをしっかり念頭に置いたうえで、今後の学習にどう活かすかという視点を持って学習を進めていくことが何よりも大切です。保護者の方の接し方ひとつでお子さんの模試に対する姿勢も大きく変わります。ぜひ、参考にしてください。

模試の結果だけを見るのではなく具体的な指摘を

夏前から本格的に始まる模試ですが、保護者の方に多く見られるのが、「模試の数字だけ見てお子さんを責めてしまう」ことです。具体的に言うと、模試の点数や偏差値という結果を見て、「なんでこんな成績しか取れないの」「なに勉強してたの」というような言葉を発してしまうことです。

漠然とした指摘では今後に役立たない

しかし、「こんな成績」「何を勉強していたのか」といったような言葉をかけても、それではあまりに漠然とし過ぎています。具体的でない漠然とした指摘をしても、お子さんにとっては結局どうすればよかったのかということがわからないままです。

また、保護者の方が点数や偏差値ばかりを気にしていると、お子さんは「自分がすごくダメなんだ」と思ってしまいます。どうしたら成績が伸ばせるのか、ということを考える前に、保護者の方のがっかりした顔を見たり、結果だけを怒られたりすると、自分のそれまでの学習を否定されたような気持ちになってしまいます。

よく「うちの子は成績が悪くても全然気にしないので困ってしまうんです」というご相談を受けることがありますが、成績が悪くても気にしていないように見えたとしても、心の中ではお子さんは「こんな成績をとってしまった」「お母さん、お父さんを失望させてしまった」という非常にマイナスな思いにさいなまれてしまっています。

そうすると、次の模試では問題を解くときに、点数が取れそうなものにあたりを付けてそれに時間を使うといったような虫食い的な解き方をしてしまったり、焦るあまりに問題文をよく読まずに設問の意図を掴めず間違えてしまう、ということが起こります。そうすると、また「なんでこんな成績をとってきたの」ということが繰り返され、結果的に成績が伸びないということになるのです。

模試は何のために受けるのかもう一度考えよう

模試は何のために受けるのでしょうか?一言でいえば、「どこが弱点になっているのかを見極める」ためにあるテスト、と言えるでしょう。生徒の立ち位置を示すために偏差値が出されたりしますが、入試本番でないのにその数字に惑わされるのは本末転倒です。

今はまだ、入試までの助走期間です。その期間に、これまで学習してきた内容の中から苦手としている分野や弱点、知識の穴になっているところを探し出し、つぶしていくことが必要です。これはどのようなお子さんでも同じです。

保護者の方に点数や偏差値だけを指摘され、具体的にどうすればよいjか、どのように模試を活かしたらよいかという建設的な指摘をしてもらえないと、お子さんも同じように点数や偏差値だけを気にしてしまいます。その結果、もし前回解けていなかった問題が解けるようになっているなどの進歩があったとしても、そこには目が向かず、親子そろって点数や偏差値を上げればよいのかという模試の本質とはかけ離れた悩みに時間をとられてしまい、本質的な解決につなげることはできません。

大切なのは「具体的な」指摘

お子さんは、点数はともかく偏差値を上げなさい、と漠然とした指示をされてもどうしたらよいのかわかりません。大切なのは、保護者の方が、今後成績を上げていくためにどうしたらよいかという「具体的な」指摘をすることです。

そのためには、模試が返却されたら「なぜできなかったのか」を親子で一緒に分析することが大切です。その上で、具体的に弱点となっているところはどこなのか、それを克服するためには何をすべきなのか、といったことを「具体的に」指摘してあげて、克服するために一緒に頑張ろう、というように言葉をかけてあげることが有効です。

具体的に何をやっていけばよいのかがわかると、お子さんもその後の学習を進めやすくなります。そうすると時間の使い方も上手になってきますし、何より保護者の方が一緒に自分のために考えてくれている、ということがわかり、受験に対するモチベーションが上がります。だからこそ、私的をするなら具体的に、が鉄則なのです。

苦手分野や弱点を親子で一緒に把握しよう

模試は、今のお子さんの実力を表しています。実力以上の結果が出ることはまずありません。ただし、解けるはずだった問題が解けなかったということは毎回のように起こります。だからこそそこで怒るのではなく、「これからやるべきことがみつかってよかったね」と前向きな言葉をかけてあげて、どの問題を、なぜ間違えたのかということを親子で一緒に把握するようにしましょう。

お子さんは、「自分がやるべきこと」がわかっていれば、それに向かって努力することができます。これまでやってきた全範囲をひたすら復習しなさい、といってもまずできません。どこから手をつけたらよいのかわからないからです。手をつけるところがわからなければ、いくら総復習、と言われても学習を進めることはまず無理です。小学生である受験生には、まだ全体を俯瞰してみる能力は備わっていません。だからこそ、保護者の方がそこを手伝ってあげることが効果的なのです。

まず、間違えた問題をピックアップし、分類する

模試が戻ってきたら、まず間違えた問題をピックアップしましょう。その際には、お子さんと一緒にやることをオススメします。模試を実際に受けたお子さんにしかわからない現場の空気感や解いているときのことなども加味して、どういう問題だと浮足立ってしまうのか、などという、模試を受ける際のクセがわかるからです。

そして大切なのは、間違えた問題について、受けている最中にお子さんが何を考えながら解いていたかということを把握することです。「この問題は解けそうにない」「解き方がわからなかった」あるいは、「できると思って解いたのに間違っていた」など、間違えた問題ごとに原因がどこにあったのかをしっかり追及するのです。決してその際にはお子さんを怒ったり、「ダメねえ」などとネガティブな声を掛けないようにしてください。

模試は、今後の学習の指針を決めていくために非常に重要なものです。それを、「ダメ」と片付けられてしまっては、お子さんの学習意欲は大きく下がってしまいます。ですから、「ここを間違えたんだ。これは、解き方はわかっていたの?」「あ、知識がしっかり入っていなかったんだね。この際覚えちゃおうか」といったように、問題解決に向けた指摘をしてあげることが大切です。

お子さんの模試の際の状況を確認しながら、一つひとつ間違えた問題をピックアップし、それを間違えた理由別に分類していきましょう。その際には、段階を付けると分かりやすいです。「知識が無くて解けなかった」「解き方はわかっていたけれど、式を立てている間に混乱してしまった」「解き方すらわからなかった」というように、3~4種類に分類してまとめておくと、お子さんの間違いのパターンを掴むこともできます。

分類したら、手のつけやすいものからつぶしていこう

お子さんの間違いのパターン別に間違えた問題を分類したら、次に必要なのはそれをひとつずつ「つぶしていく」ことです。単に間違えた問題をピックアップしただけでは、準備ができただけの状態です。それを一つひとつできるようにしていって初めて克服することができます。

できれば、弱点ノートを作っておき、そこに間違えた問題を集めて、ひとつずつ問題を解き直していくためのツールにすることをオススメします。それをやっておくと、自分だけの問題集ができるので、模試のたびに見直すことによって「この問題はこう解くんだ」ということをお子さんも意識しやすくなります。

間違えた問題を解けるようにするということは、×を〇にする、ということです。まずは、「知識が足りなかったから間違えた」ものや、「解き方はわかっていて途中までできたけれど計算ミスをしてしまった」といったものからつぶしていきましょう。難問は何に関する問題なのかもわからなかったり、解法も頭に入っていない可能性があるので、時間がかかります。まず、間違えてしまう問題を減らすためにも、手のつけやすいものからつぶしていくことが大切です。

また間違ったものは時間をおいてもう一度やり直そう

手のつけやすいものから解き直しを行い、そこでできたもの、もう間違えないだろうというものは省いて構いません。ですが、中には模試のときとまた同じ間違いをしてしまい、やり直したけれど間違えた、というものも必ず出てきます。

その場合は、一度解いた間違い問題を、時間をおいて再度解き直すようにしましょう。「つぶす」ということは、「〇になるまで繰り返す」ことです。算数であれば途中式、国語の選択肢問題であれば選択肢の吟味の方法、理科や社会であれば知識や計算問題など、問題を解く途中で必要になる手順をきちんと踏むことができているかをしっかりチェックし、まぐれでできたものは間違いとみなしてもう一度解くことをオススメします。

ときどき、一度解いた問題だからまた次の問題を解けばいい、とおっしゃる保護者の方もいらっしゃいますが、模試で間違えた問題は、お子さんの弱点を如実に表していますので、それをつぶさずに次に行ってもまた同じ間違いを繰り返すだけです。模試で間違えた問題は、これから自分が克服すべき問題です。それをスルーしてしまってはいつまでたってっも同様の問題で間違えることを繰り返します。間違えた問題は宝物です。「いまやらなければいけないことが見つかってよかった」という意識を親子でもって、繰り返しつぶしていって×を〇にしていきましょう。

日常生活に成績を持ち込まない

模試の成績が良くないと、保護者の方は不機嫌になり、お子さんは保護者の方の顔色をうかがう・・・そのようなご経験はないでしょうか。たしかに、成績がいい方が気持ちいいですし、お子さんがしっかりカリキュラムをこなしてこれたことがわかると嬉しいものです。

その反対に、間違えた問題が多く、成績が悪かったときはどうしても悪く悪く考えてしまい、きつい言葉で叱ったりしてしまいがちです。ですが、その言葉がお子さんのモチベーションを下げてしまうことを意識することを忘れないようにしましょう。

以前、面談のために担当の生徒さんのお宅におじゃましたことがあります。成績上位生のお子さんでしたが、お子さんの勉強部屋に「テストでクラス1番がとれなかったら夕食抜き」という紙が貼ってありました。成績をキープするために保護者の方が貼ったものですが、お子さんにとっては非常にプレッシャーになっており、難しい問題は解けてもケアレスミスを繰り返している原因になっていたのです。その紙は、「お子さんを信じてあげてください」とお願いして外してもらいました。育ち盛りなのに夕食抜きなどももってのほかだったからです。

このように、成績いかんで食事を抜くなど、日常生活に成績を持ち込むと、お子さんは24時間緊張感の中に放り込まれているのと同じで、だんだん学習に対するモチベーションを失っていきます。どうしても模試の成績が悪いと頭にきて、何かしらの罰を与えてしまうという保護者の方がいらっしゃるのですが、それは本末転倒です。

模試で間違えたということは、それを克服すれば入試本番で間違えないということです。これからつぶしていくべき宝物をまるで悪のように目の敵にし、加えて日常生活でいつも模試のことばかり言う、といった態度はとらないようにして、勉強の時は勉強のこと、それ以外の日常生活は別にして一息入れる、というメリハリをつけるのが長丁場である受験生活を上手く進めていくコツです。

まとめ

今回は、保護者の方の接し方のうち、模試に関することをまとめました。どうしても点数や偏差値に目が行きがちな模試の結果ですが、そこにはお子さんの弱点がたくさん詰まっており、これからやるべきことを示してくれる宝物と言える存在です。

間違えたことを責めてばかりいるのではなく、どうすれば克服できるのか、それを第一に考えましょう。お子さんと一緒に、なぜ間違えたのか、何がわからなくて間違えたのか、といったことを確認しながら、宝物を大切にひとつずつつぶしていきましょう。

模試はあくまで予行演習です。それにより確認できることがたくさんあるので、ぜひ効果的な学習を進めていくためにも最大限活用していきましょう。成績アップにつながりますし、入試までのロードマップも描きやすくなりますよ。ぜひ、やってみてください。

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