北嶺中学校の国語・算数の入試傾向は?~1月校で確実に合格するために~

先日、北海道は札幌市にある、北海道随一の進学校でもある北嶺中学校について、どのような特色がある学校なのかをご紹介しました。

北嶺中学校は、埼玉入試が解禁される1月10日より前に首都圏入試を行います。1月の早い時期に、1校まず合格をとるということは、受験生にとっても、親御さんにとってもほっとしますし、第1志望校への距離がぐっと近づく気持ちになるものです。

もちろん、1月入試を受けずに、2月からの入試のみ受けるというご家庭もあると思いますが、いきなり一番高い志望校から受けると、思いのほかがちがちに緊張してしまい、実力が発揮できないということもあります。

また、1月入試には、同じような志望校を目標としている受験生が受けてきているので、模試のない1月に、本番の緊張感の中でテストを受けるという、予行演習としても大事な意味を持ちます。1月入試を行う学校はいくつもありますが、今回は、北嶺中学校の入試について、国語と算数を中心に出題傾向を解説していきます。実際に北嶺中学校の先生から話を聞くことができましたので、生の情報として参考にしてください。

他の学校にも共通する点がたくさんありますから、1月入試を考えるきっかけにしていただければと思います。

北嶺中学の本校入試と首都圏入試について

北嶺中学は、全国で入試を行います。首都圏入試以外に、もちろん北海道の受験生が集まってくる本校入試が行われます。

本校入試と首都圏入試について、基本的に問題内容や採点基準、方法に違いはありませんが、札幌・仙台会場以外では、基本的に一般入試でしか受験できないことになっています。札幌と仙台会場では、専願、併願という入試方式が用意されています。

一般入試の場合は、専願、併願に比べて合格点が高めに設定されています。一般入試とは、首都圏など、本州の受験生が、いわゆる「お試し受験」をしてくることを想定した受験区分です。首都圏入試で専願、併願の受験を希望する場合には、北嶺中を実際に見学しに行き、その際に発行される「学校見学証明書」を出願時に提出しなければならないことになっています。

首都圏から入学を目指す場合には寮に入らなければならなくなりますが、寮に入れる定員が1学年40名であるため、成績上位で合格しなければ入寮を認定してもらえません。

国語の出題傾向

合格者平均点は40点~60点の間を毎年推移しています。55%~60%の得点率を目指したいところです。長文読解の大問が3問程度出題されます。

文章の分量は多く、内容も高度なため、レベルの高い読解力が求められます。出題される文章としては、物語文、随筆文、論説文などです。詩や短歌はあまり出題されることはありません。

20字~50字の記述問題が2~3問、字数指定なしの記述問題も2~3問出題されます。60字を超える記述問題が出題されることもあります。これらの記述問題は、ただ本文を切り貼りすれば得点できるというレベルのものではありません

長めの記述問題でも、ただだらだらと冗長であっては点数はもらえません。聞かれていることに対して、簡潔に、わかりやすくまとめる、という記述問題の基本ができていなければ得点できないことを意識する必要があります。レベルの高い文章をじっくりと読み、要旨をまとめる練習を積んでおきましょう。

また、本文の内容の理解とともに、設問の意図を理解することも非常に大切なことです。問題文にボリュームがあるため、後半の問題に白紙答案が目立つ傾向がある、と北嶺の先生もおっしゃっていました。時間配分や解答順序をどうするか、答案の作り方のトレーニングが必要です。

これらの記述対策などは、模試ではなかなか経験することができません。問題自体はオーソドックスですので、ここでどのくらい得点できるかは、その後受験する学校の国語対策にとても役立つでしょう。模試で記述問題を解くのと、入試として記述問題を解くのでは緊張感も、実際に書く文章も全く異なります。実戦でどう得点するかを体感するのによい機会になると思います。過去問を解いてみるのも良い記述の練習になるでしょう。

算数の出題傾向について

北嶺中の算数の合格者平均点は50点前後です。合格者と不合格者の平均点の差がかなり大きく、算数の出来・不出来が合否を左右するといってもいいでしょう。

算数に苦手意識を持っている受験生にとっては、かなり厳しい戦いを強いられる出題です。作戦としては、「解ける問題を確実に得点して、60%を目指す」のが順当です。受験者平均点を下回ると、合格は難しくなります。2017年度の受験者平均点は62.6点でした。

分野ごとの出題を見ると、計算問題が20%、図形に関する問題が30%、文章題が40%、その他10%です。計算問題はかなり複雑なものが出題されます。計算の構造を理解した、工夫のある計算を、速く正確にできるようになっておかなければなりません。首都圏の難関校で出題される計算問題と引けを取らないので、このレベルはしっかり得点したいところです。

また、長い文章の読解力を問われる問題が出題されます。算数ではありますが、国語力、つまり問題文を正確に把握する力は必須です。数列、場合の数の問題もよく出題されます。

2017年度の入試では、対称群という、大学数学ともいえるような新傾向の問題が出題されました。首都圏でいうと、海城中学校のような、ぱっと見て何の問題であるかわからないような、ですがもっている知識を総動員すれば解答へのきっかけをつかむことができるような出題です。難易度は非常に高い問題でしたが、大学生のような知識が必要なわけではありません。こういう問題で、問題文の読解力、条件の分析力が問われます。

また、流水算とダイヤグラムに関連した問題も出題されました。受験生なら必ず解いたことのあるような問題であっても、問題文をしっかり読みとらないと引っかかってしまうという出題なので、注意が必要です。

2017年度入試は、合格者平均点が68.6点でした。78点以上の受験生は100%合格しています。

まとめ

国語と算数は昨年まで100点満点でしたが、2018年からは120点満点になります。問題量や難易度は変更は考えていないとのことなので、何割とれば合格点がとれるか、という予測が立てやすいです。

首都圏入試で合格して、実際に進学した受験生は今のところいないのですが、1月初めに行われる首都圏入試としては、海陽中等教育学校と同じように、これから注目されていくと考えられます。

理科、社会については、別の記事で解説します。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。