国会の形態全て理解していますか?全4種の国会についてわかりやすく解説します!

国民から選ばれた国会議員たちが集まり、国のルールを決めて政治に関する話し合いをするところを「国会」といいました。(詳しくはこちらの記事を参照してください)「国会」は、法律を制定したり、内閣総理大臣を指名したり、条約を承認したりする、まさに国の重要なことを決定する大切な大切な機関でした。では、国会はいつ開かれて、どのようにして話し合いが進められて、最終的に政治の決定が行われるのでしょうか。今回はその過程をしっかりと学んでいきましょう。

国会はいつ開かれるの??

国会がいつ・どこで・何を目的に開かれるかによって、全部で4種類に分けられます。その一つ一つを見ていきましょう。

通常国会(常会)

年に1回、1月に必ず開かれる国会のことを「通常国会(常会)」といいます。この国会が1年の中でとても重要な国会になります。なぜだか、わかりますか。みなさんはお買い物をしたり、働いたりすると、何か買った分の10%は消費税として、働いで稼いだお金の何パーセントかは所得税として国にお金を支払わなければいけません。こういう国にみんなが払うお金のことを税金といいます。では、そうして国民から集めたお金を国は何に使うのか知っていますか。それは例えば、お年寄りに対する年金であったり、国民のだれかが病気になった時の医療費であったりとか、赤ちゃんが生まれたときにそれを支援する育児手当であったりとか、他にも国の安全を守る防衛費や国のために働いている公務員の人たちへのお給料に使われます。みんなから集めたお金がどうやって使われるかは、それを支払っているみんなからしたらとても大きな関心ごとですよね。これが無駄に使われてしまっては、当然国民はみんな怒ります。そういう大切なお金を1年間で何にどのくらい使うのかを具体的に決めていくのが、「通常国会」の大きな目的になります。つまり、1年間に使うお金の「予算」を決めるのです。だから「通常国会」は「予算国会」とも呼ばれます。もし予算がちゃんと決まらないと、国はその年の4月からお金を使うことができません。そうすると、公務員にお給料が支払われなくなってしまったり、お年寄りに年金が支払われなくなってしまったりして、国民にとって大きな不便が生じてしまうようになるのです。だから、「通常国会」はとても重要なのですね。

「通常国会」は他の国会と違って、会期(国会が開かれている期間)が150日以内と決まっています。この国会では予算のほかにいろいろな法律に関しても話し合われます。もしも話し合いが150日で足りない場合は1度だけ延長を決めることができます。ちなみに今までの最長記録は2015年の245日間です。この年は、予算に加えて、税金の改正案や労働者に関する法律、平和安全関連法案など重要な法律案の審議がたくさんあったために、長引きました。逆に、予算も早く決まって話し合う事項もそんなに多くなければ150日よりも前に閉会することもありますよ。

臨時国会

通常国会で、1年間の予算を決めたり、重要な法案を話し合ったとしても、そのあとにまた、お金がかかる出来事が起こったり、新たに話し合わなければならない重要な法律案が出てきたりするかもしれません。そのようなときに、臨時で開かれる国会を「臨時国会」といいます。だいたい通常国会のあとに開かれるので、臨時国会は6月以降に開かれることが多いです。期間は臨時国会が開かれるときに決まり、その後さらなる話し合いが必要ということになれば2回まで会期を延長することができるようになっています。臨時国会は、内閣総理大臣をトップとする内閣が「国会を開きましょう」と呼びかけるか、衆議院か参議院のどちらかの4分の1以上の議員から「国会を開いてくれ」と要求があった場合に開かれます。豪雨による災害や地震による被害などがあったときに、それを補填するための予算を組みなおすために開かれることが多いです。通常国会で決めた予算に加えて新たに組みなおす予算のことを「補正予算」といいます。臨時国会では補正予算や新たに国の課題となっている法案について主に話し合われます。

特別国会(特別会)

特別国会は、衆議院が解散されて、そのあとにもう一度衆議院の国会議員を選びなおす選挙が行われて、その後30日以内に開催される、憲法第54条に規定されている国会です。この国会では主に、新しい次の内閣たいていは特別国会は閉幕します。ただし、ついでに決めておくべき法律の話し合いなどがあれば特別国会の中で話し合うこともありますがね。ちなみに、特別国会は内閣総理大臣を選ぶことが一番の目的といいましたが、内閣総理大臣を選ぶ国会が必ず特別国会というわけではありませんよ。例えば、2020年9月に菅義偉内閣総理大臣が国会による指名によって誕生しました。しかし、この時は特別国会ではなく、臨時国会です。特別国会は「衆議院解散後の総選挙の日から30日以内」というもので、衆議院議員選挙があった時しか特別国会は開かれません。だから、今回は総選挙後の内閣総理大臣選出ではなかったため、臨時国会での選出だったのですね。

参議院の緊急集会

国会には衆議院と参議院があって、参議院のほうにはなくて、衆議院のほうにはあるものがあります。それは、「解散」です。「解散」というのは、衆議院の議員さんがみんないったん国会を辞めさせられる(次に選挙で勝てば再び戻ってこれます)ということです。ちなみにこの国会を解散させる権限は、内閣総理大臣をトップとする内閣が持っていて、内閣が「衆議院を解散する」と言うと、衆議院は解散されて、もう一度衆議院議員を決めなおすために総選挙が行われます。さて、衆議院が解散されてすぐに選挙が行われて次の衆議院が決定するかといえばそうではありません。少なからず、衆議院が解散して、選挙が行われて、新しい衆議院議員が決まるまでの、衆議院空白の時間があります。国会は基本的に衆議院と参議院の両方がいて成り立ちます。だから、もしもこの衆議院がいない間に国会を開こうと思っていても、基本的には衆議院がいないため開くことができないのです。しかし、万が一衆議院が解散中に国会での緊急の話し合いが必要な大きな問題が起こってしまったら大変ですよね。そうならないように特別に認められている参議院のみでの話し合いの場を「参議院の緊急集会」といいます。ただしこの話し合いはあくまで緊急に行われて特別に行われるもので、ここで決まったことがそのまま将来も効力を持つことはできません。参議院の緊急集会で決まったことを、そのあと新たな衆議院が決定して、その衆議院からの同意を得られなければ、参議院の緊急集会で決定した事項は一切の効力を失います。

問題

  • ①日本の国会の一つで、毎年一月中に召集される国会を何と言うか答えなさい。
    • →通常国会(常会)
  • ②通常国会の会期は何日間か、答えなさい。
    • →150日間
  • ③日本の国会の一つで、臨時に必要があるときに行われる国会を何と言うか答えなさい。
    • →臨時国会(臨時会)
  • ④臨時国会は、どちらかの議員の何分の何以上の要求があったときに開催されるのか答えなさい。
    • →四分の一以上
  • ⑤日本の国会のうち、衆議院解散後の総選挙の後にに行われる国会を何と言うか答えなさい。
    • →特別国会(特別会)
  • ⑥特別国会は衆議院の開催総選挙の後何日以内に行われるのか答えなさい。
    • →30日以内
  • ⑦衆議院解散中に緊急で開かれる集会を何と言うか答えなさい。
    • →参議院の緊急集会

おすすめ記事

参考