〜平安時代の歴史〜 摂関政治とは?

摂関政治とはどのような政治?おさえるべきポイント解説! 

今回は平安時代に行われた政治形態である摂関政治について説明し、おさえるべきポイントを解説していきます。 

摂関政治とは? 

まず、摂関政治とは天皇に代わり、摂政・関白が政治を執り行う政治形態のことをさします 

摂政天皇が子供の場合や、女性の場合に代わりに政治を行う役職で、関白成人した天皇の代わりに政治を執り行う役職のことをさします。 

初めて摂政になった人は? 

では初めて摂政になった人は?それは時代を遡り飛鳥時代の聖徳太子でした。

女性である推古天皇が即位した際、その甥である聖徳太子が初めて摂政となり、推古天皇に代わって政治を執り行いました 

その後、平安時代になると、藤原氏が台頭し、摂関家として権力をふるい始めます。藤原氏の執り行った摂関政治は飛鳥時代に聖徳太子が摂政として政治を執り行ったものとは少し違っていました。 

次は藤原氏の摂関政治についてみていきましょう。 

藤原氏の台頭 

藤原氏は飛鳥時代におきた大化改新で活躍した中臣鎌足を祖にもつ、平安時代以前から有力であった氏族です。平安時代の初期、有名な氏族らは天皇に認められ検非違使や蔵人頭など重要な役職につくことで出世していきました。 

特に文人は重宝されることが多く、有名な文人の一人に菅原道真がいました。宇多天皇(在位887〜897)、醍醐天皇(在位897〜930)の代に重宝された菅原道真は右大臣にまで上りつめます。 

時同じくして藤原氏も重要な役職について政治権力を強める一方で、天皇家に娘を嫁がせ天皇家と婚姻関係を結ぶことで天皇家との結びつきを強めていきました。そして、が産んだ子を天皇として即位させ、摂政となり、天皇が成人した後は関白となる形で強大な権力を手に入れていきました。藤原氏で初めて摂政になったのは藤原良房、初めて関白になったのは藤原基経でした。 

平安時代は父方より、母方の方が力が強い傾向にあり、摂政・関白の役職に就くことにより、藤原氏を重要な役職に起用しやすくし、他の一族を排していったのです。 

右大臣まで上りつめた菅原道真も政変争いに敗れた結果、太宰府に左遷させられてしまいます。 

【補足】

大宰府とは、律令国家のもと筑前国(現在の福岡県太宰府市)に置かれた統治機関のことです。現在でいう県庁に近く、唐などの貿易を行ったり、防人などを配置し外敵に備えたりしていました。

摂関政治の全盛期 

他の氏族を排し、藤原氏が摂関家として権力を得ていくと今度は藤原氏の中でも勢力争いが起きました。その争いに見事勝利し、摂関政治の全盛期を迎えたのは藤原道長・頼通親子の時代でした。 

全盛期を迎えた道長の様子が

この世をば わが世とぞ思う 望月の 欠けたることも なしと思えば

(訳:この世は私の世と思う。かけることのない望月のように)

(日本古典文学全集『小右記』)

という和歌にもよく現れています。 

道長とその息子である藤原頼通の時代に全盛期を迎えた摂関政治ですが、その後頼通の娘に子供がなかなか産まれず、天皇家との結びつきは弱まった結果、摂関政治は徐々に衰退していきます。 

藤原氏と文化 

摂関政治の全盛期であった10〜11世紀は894年の遣唐使廃止により大陸の文化との交流が減り、大陸文化を継承しつつ日本独自の文化が花開き、その時代の文化を国風文化といいます。 

漢文が主流でしたが、漢字を崩したかな文字(平仮名)が主に女性を中心に使われるようになり、女性が文化の担い手として活躍しました。有名な女性の文化人として、藤原道長の娘である彰子の女房であった紫式部や藤原道長と対立関係にあった藤原道隆の娘定子の女房であった清少納言がいます。 

紫式部は日本最古の長編小説である『源氏物語』を記し、清少納言は宮廷生活の様子をあらわした随筆『枕草子』を記しました。更に和歌も流行し、奈良時代の素朴な歌から枕詞や掛詞など技巧を駆使した和歌が詠まれるようになり、勅撰和歌集である『古今和歌集』も編纂されました。 

その他藤原頼通は現在の十円玉に描かれていることで有名な平等院鳳凰堂を建立しました。

(現在京都府宇治市にある) 

最後に摂関政治について簡単な問題を出したいと思います。 

  • 問1、摂政とはどんな役職ですか。 
  • 問2、関白とはどんな役職ですか。 
  • 問3、藤原氏によって太宰府に左遷させられたのは誰ですか。 
  • 問4、摂関政治の全盛期を迎えた親子は誰ですか。 
  • 問5、摂関政治の時代に栄えた文化を何といいますか。 

解答

  • 問1、天皇が子供の場合や、女性の場合に代わりに政治を行う役職
  • 問2、成人した天皇の代わりに政治を執り行う役職
  • 問3、菅原道真
  • 問4、藤原道長・藤原頼通
  • 問5、国風文化

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