今回は、強調・倒置・挿入・省略について学びます。
Contents
強調
助動詞・形容詞・副詞による強調
- ①Do feel free to call me any time
(本当に遠慮なく、いつでも連絡してください) - ②This is the very book I’ve been looking for!
(これこそまさに私がずっと探してた本だ!) - ③Your dress is just wonderful!
(君のドレスは本当に素敵だよ!)
動詞の前に「do/does/did」を置くことで、その動詞を強調して「本当に(確かに)〜する(した)」という意味になります。この「do」は助動詞なので、その後に続く動詞は原形になります。
①は命令文の動詞feelの前に「do」を置くことで、動詞feelを強調しています。この場合は、「do/does/did」を強く発音するということを覚えておきましょう。
続いて②では、名詞bookの前に「very」という形容詞が置かれています。このように名詞の前に「the/this/that/one’s very」を置くことで、名詞を強調して「まさにその〜/〜こそ」という意味になります。
最後に③のjustのように、副詞によって語や句や節を強調することができます。
疑問詞の強調
- ①Who one earth is calling at this hour?
- ②I do not believe his story at all.
疑問詞を強調したい時は「in the world/on earth」などを置き、「いったい全体」という意味になります。
①では、疑問詞whoを強調したいので、疑問詞の直後に「on earth」が置かれています。
ここで注意ポイントです。疑問詞のない疑問文のときはどうなると思いますか?
- Did you follow the doctor’s advice at all?
(そもそも君は医師のアドバイスに従ったの?)
このように「at all」を使うことで強調の文を作ることができます。
否定表現の強調
続いて、否定表現を強調するときを見ていきましょう。
At all:まったく By any means:決して、どうしても In the least:少しも Whatever:少しも A bit:少しも |
上記のもの使った否定表現の例文が以下になります。
- I’m not interested in basketball in the least.
(私はバスケットボールに少しも興味がない) - I have no doubt whatever about his innocence.
(私は彼の潔白を少しも疑っていない)
同じ語の繰り返しによる強調
- He tells the same jokes again and again.
(彼は同じジョークを何度も何度も言う)
同じ語を「…and…」で繰り返すことで強調の表現になります。
上記の文では「again」が繰り返されているので、「again」が強調されていることが分かります。
強調構文を使った強調
- It was Jim that caught a turtle in this pond yesterday.
(昨日この池で亀を捕まえたのはジムだった)
強調したい語を「It is ~ that」の「〜」のところに埋め込む表現を、強調構文と言います。
「〜」のところに入るのは、主語・目的語・補語になっている名詞や代名詞、または副詞の働きをする語句が入ります。
上記の例文では、亀を捕まえた人物が「ジム」ということを強調したいので「It was」と「that」で「Jim」をサンドイッチしています。
このように強調するのが「人」の場合は「It was Jim who caught a turtle in this pond yesterday.」のように、thatの代わりにwhoを用いることが可能です。
主語以外の語句を強調したい場合はどうなるでしょうか?
捕まえた「亀」を強調している文。
- It was a turtle that Jim caught in this pond yesterday.
(ジムが昨日この池で捕まえたのは亀だった)
「この池」を強調している文。
- It was in this pond that Jim caught a turtle yesterday.
(ジムが昨日亀を捕まえたのは、この池だった)
「昨日」を強調している文。
- It was yesterday that Jim caught a turtle in this pond.
(ジムがこの池で亀を捕まえたのは、昨日だった)
関係詞などを使った強調
- ①What I like is her voice.(私が好きなのは彼女の声です)
- ②All you have to do is to wait here.(ここで待ってさえすればいい)
関係代名詞のwhatを使って強調の形を作ることができます。
①では、What I like(私の好きな物)がher voice(彼女の声)であることを強調しています。
続いて②ではallを使った強調の文です。
このallの後には関係代名詞のthatが省略されて、All you have to doを主語にしています。意味は「あなたがしなければならないすべてのことは〜することだ」なのですが、「〜しさえすればいい」と意訳することができます。
似たような強調の文はこちらです。
- The first thing to remember is not to criticize anyone.
(忘れてはいけない第一のことは、誰の悪口も言わないことだ)
倒置
否定を表す副詞が文頭に出る
- ①Never have I seen such a beautiful rainbow.
(私は今まで一度もこんなに美しい虹を見たことがない) - ②Rarely does he tell a joke.
(彼は滅多にジョークを言わない)
否定の意味を持つ副詞が文頭に出ると、その後はYES/NO疑問文と同じ語順になります。
①の普通の語順はI have never seen such a beautiful rainbow.
②の普通の語順はHe rarely tells a joke.です。
その他の倒置が起こる主な副詞は以下の通りです。
At no time:一度も〜ない Seldom:めったに〜ない Hardly:ほとんど〜ない Scarcely:ほとんど〜ない Little:まったく〜ない On no account:決して〜ない |
方向や場所を表す副詞が文頭に出る
- ①Down fell an apple.
(下に落ちたのはりんごだった) - ②In my pocket was his business card.
(私のポケットにあったのは彼の名刺だった) - ③Here comes the train.
(ほら、電車がくるよ)
①の「down」や②の「in my pocket」のような方向や場所を表す副詞が文頭に出ると、主語と動詞の順番が入れ替わります。
ただし、主語がitやheのような代名詞であれば倒置は起こらないことに気をつけましょう。
- Into the room he walked.(部屋の中に彼は歩いて行った)
「there(here)+V S」という語順になっている場合は、「there(here)」が相手の注意を引くために用いられています。
この場合も、主語が代名詞の場合は倒置は起きません。
- Here he comes.(ほら、彼がくるよ)
目的語が文頭に出る
- Not a word did she say.(一言も彼女は口に出さなかった)
強調のために文頭に出された目的語にno, not, littleなどの否定語が含まれていると、倒置が起こり、疑問文と同じ語順になります。
補語が文頭に出る
- Wonderful was the view from the balcony.
(すばらしかったのは、そのバルコニーからの眺めだった)
普通の語順であればThe view from the balcony was wonderful.であるが、形容詞wonderfulが文頭に出ると、主語「the view from the balcony」と動詞「was」の順番が入れ替わります。
このように補語になっている形容詞が文頭に出ると、主語と動詞の倒置が起こるのは、文のリズムを整えるためです。
挿入
語や句の挿入
- ①His son, fortunately, was rescued from the burning house.
(彼の息子は、幸運にも、炎上する家から救出された) - ②The clothes in this store, in my opinion, are too expensive.
(この店の服は、私の意見では、値段が高すぎる)
文の中に語や句をはさみ込むことを挿入と言います。例文を見てわかるように、挿入される部分はコンマ(,)、ダッシュ(―)の間にはさまれることが多いです。
節の挿入
- ①Fishing in this river, as far as I know, is prohibited.
(この川で釣りをすることは、私の知る限り、禁止されている)
〈主語+動詞〉を含む副詞節が挿入されることがあります。①のas far as I know(私の知る限り)以外にも、以下のようなものがあります。
As far as S is concerned(Sに関する限り) As it were(いわば) That is to say(つまり) |
- Too much exercise, I think, is bad for your health.
(運動のしすぎは、私が思うことだけど、健康に良くない)
上記の例文は文中に「I think」と話者の判断を表す表現が挿入されています。
普通の文章であれば、I think that too much exercise is bad for your health.となります。
省略
語句の繰り返しを避ける
- The girl were brave, but the boy were not.
(女の子たちは果敢であったが、男の子たちはそうでなかった)
文を簡潔にするために、一度出た言葉を省略することがあります。例文ではthe boys were not の後に「brave」が省略されています。
接続詞の後の〈主語+be動詞〉の省略
- He broke his left leg while skiing in Canada.
(彼はカナダでスキーをしている間に左足を骨折した)
「when / while / if /unless」などの接続詞に導かれる副詞節の中では〈主語+be動詞〉が省略されることがあります。
その場合、副詞節中の主語は主節の主語と同一であることが多いです。
例文では、while he was skiing in Canada となるはずがhe wasが省略されています。
最後に
いかがでしたか?今回は強調・倒置・挿入・省略について学びました。
それぞれ、いろんな問題や長文ででてくる機会が多いので、ここできっちりマスターしておきましょう!
【参考文献】
石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
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参考
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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