本を読む習慣がなく、そしてあまり好きではない人に、本を読んでもらうことはとても難しいことです。
しかし、日頃高校生に小論文を教えていると、とにかく本を読んでもらうことが大切であると痛感します。
なぜ本を読むべきなのか
本を読むということは、誰かの思考をインプットするということです。
そしてその「誰か」は、大抵の場合は自分よりも頭が良かったり、想像力が豊かだったり、経験が豊富だったりします。
例えば、大学教授が書いた新書一冊は、その人が十数年以上の月日をかけて身につけた知識と研究の蓄積があって出来ています。
それを私たちが一から身につけようとすれば、同じく十数年間、もしかしたらその倍かかるかもしれません。でも、新書一冊を読むならば数時間、数日しかかかりません。
本を読むことは、とてつもなくコストパフォーマンスが良いことです。
しかも、時を超えて読むことができます。私たちは、ソクラテスやアリストテレスの思考をもインプットできるのです。
これを生徒に伝えられた時、今まで教えてきた数年間で1番、生徒の顔が変わったことを感じました。
今では生徒たちの方からこういう分野の面白い本はあるか、と進んで聞いてくるようになりました。
ただ読め読めと言うだけでなく、説明に趣向を凝らすことで、本離れが進んでいると言われている高校生世代を読書の世界に引き込んでいきたいと思っています。
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参考
1995年生まれ。東京都出身。
中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。