細胞には原核細胞と真核細胞がある。
原核細胞とは
DNAが核膜に包まれていないため、核を持たない細胞。
ミトコンドリアや葉緑体などの膜構造もみられず、染色体はもたない。リボソームはある。真核細胞よりも小さく、電子顕微鏡でないと観察できない。
原核細胞からなる生物を原核生物という。
原核細胞の例
- 真正細菌(バクテリア)(例、大腸菌、乳酸菌、シアノバクテリア)
- 古細菌(アーキア)(例、好熱菌、高度好塩菌、メタン生成菌)
図1
真核生物とは
核膜に包まれた核をもつ。真核細胞からなる生物を真核生物という。
原核生物以外はすべて真核生物である。真核細胞内に含まれるさまざまな構造体を細胞小器官という。
図2
★染色体の構造・・・ヒストンというタンパク質にDNAが巻きついてヌクレオソームをつくり、これが凝縮してクロマチン繊維となる。
図 3
真核生物の構造と働き
※電子顕微鏡でしか観察できないもの
真核生物の起源
原核生物から真核生物に進化したと考えられている。
- 細胞内共生説・・・好気性細菌やシアノバクテリアが原核生物に共生することにより、ミトコンドリアや葉緑体ができたとする説。
根拠は、ミトコンドリアも葉緑体も膜に包まれ、核とは異なる独自のDNAをもち、分裂し、増殖する。
図4
図5 真核細胞のつくり(電子顕微鏡レベル)
細胞小器官の構造と働き
核
直径3~10μm、球状または楕円状。ふつう、細胞に1個ある。
- 核膜・・・二重膜である、核膜孔を通じて核内外の物質の出入りを調節する
- 核小体・・・1~数個あり、rRNAを合成する。
- 染色体・・・DNAとタンパク質の複合体で、細胞分裂のときに凝縮し太く短い棒状になる。酢酸カーミン溶液や酢酸オルセイン溶液で赤色に染まる。染色体のまわりは核液で満たされている。
★アメーバの再生実験→「細胞の成長・分裂には核が必要である。」
★カサノリの再生実験→「かさの形は、核に含まれる物質によって決まる。」
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