【中学受験・塾】早稲田アカデミーで成績を上げるためのポイントとは?

春期講習も終わり、塾にお通いの皆さんは再び通常の塾のカリキュラムにそって学習を進める日々に戻っていらっしゃると思います。また、まだ春期講習のころは決まった塾には通っていなかったけれど、講習を受けてみて、そろそろどこかの塾に通うか決めたり、なかなか決めきれずに迷っていらっしゃる方もいらっしゃるのではないかと思います。

どこのに通うか、ということは、そのカリキュラムにのって入試までを走り抜けるということですから、受験をお考えの方にとっては非常に重要なことですよね。筆者自身、中学受験を経験し、さらには中学受験進学塾で教える立場でしたが、わが子の中学受験も経験しました。その際に非常に悩んだのが、どこの塾に通わせるかということや、志望校別特訓講座をどこの塾のものにするか、そして最終的に受験直前期に通う塾を変更するべきかどうかということでした。

できることなら、入塾の時点でお子さんに合った塾を選び、一直線に受験勉強に取り組みたいものです。そのためには、カリキュラムや授業の進め方、講師の質、面倒見のよさ、集団塾にするか個別指導塾にするか、あるいは併用するか、それ以外にも、意外とあなどれない通塾時間の負担など、さまざまな点を考慮して最終的にお子さんをどこの塾に通わせるか考えることになります。

今回は、多くの方が通塾をお考えになる大手集団塾のうち、早稲田アカデミーについて、その特徴と学習するうえでの注意点をまとめていきます。どの塾にしようかお考えの方、あるいは現在お通いの塾からの転塾をお考えの方にも、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

早稲田アカデミーの特徴って?

早稲田アカデミーというと、「熱血系」「体育会系」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。実際のところ、たしかにそのようなイメージは当たっている面が多いと思います。ただ、最近は校舎数も増え、その校舎の校長によって校舎ごとのカラーが異なってきており、校舎によってかなり差が出てきています。また、授業の進め方については、そのクラスを担当する講師にかなりの裁量が与えられているので、ばらつきがあります。

校舎ごとにばらつきがあるとはいえ、それはどこの大手塾でもいえることです。早稲田アカデミーは四谷大塚準拠のカリキュラムをとっているので、基本は「予習シリーズ」をはじめとした四谷大塚のテキストを使用します。その他の副教材として、クラスにより異なりますが、宿題用のテキストや、オリジナルの日々の演習教材を使用します。最上位クラスになると、ほかのクラスとは異なった教材を使用するなどしています。

また、早稲田アカデミーの大きな特徴として、ご家庭との連絡を密にとるということと、家庭学習まで面倒を見る(宿題のやり方の指示なども)ので、すべて任せてください、という姿勢を貫いていることが挙げられます。これも担当講師によるのですが、回診電話という形で定期的にご家庭に電話をし、学習の状況を伝えたり、宿題の進め方の相談に乗ったりしています。宿題についてはかなり大量ですが、できるだけお子さんが自分でこなし、講師がそれについてコメントを出す、という形をとっています。

早稲田アカデミーにお子さんが通うご家庭の悩みとは?

このように、面倒見がよく、宿題まで含めて塾が面倒を見てくれる、そのような印象を受ける早稲田アカデミーですが、やはり集団塾なので、すべてにおいて目配りがきいているかというと、そうとは言い切れない点がいくつもあります。

早稲田アカデミーにお子さんを通わせている親御さんからご相談を受けることが多いこととしては、以下のような点が挙げられます。

  • 宿題が多すぎてこなしきれない、答えを写して終わっていることもある。家庭学習のやり方がわからない
  • 授業の進度が速く、なかなかついていけない、週例テストの前日の授業で次の週のカリキュラムに入るのでテスト対策がなかなかうまくいかない
  • 組分けテストで点数が取れない、合不合判定テストの成績が上がらない
  • SS選抜クラス(最難関校を目指すクラス)に入れない
  • 志望校のNNクラスに入れない、それでもどこかのNNクラスに入るべきか

他にもあると思いますが、代表的なご相談例としてはこのようなものが挙げられます。では、このような点をどのように克服していけばよいのでしょうか。

家庭学習を含め、学習をすべてお子さん任せにするのは危険

早稲田アカデミーの授業は四谷大塚のカリキュラムにそっていますが、サピックスを意識してか、四谷大塚の中心となるテキストの「予習シリーズ」も改訂され、以前よりも学年ごとに学習する内容の密度がかなり上がっています。そのため、授業の難度、スピード、求められる学習量など、どれもが小学生である受験生が一人でこなしきれるものではなくなってきています。

早稲田アカデミーは、「宿題も含めて面倒を見ます」という姿勢をとっていますが、1クラスの人数が多いこともあり、十分に宿題の出来などを把握してもらえるかは担当講師によってばらつきが大きいのが現実です。そのため、宿題を提出させてもコメントもなく、「見ました」というハンコを押して終わり、というクラスも多いのです。

もしそのようなクラスに当たってしまっとしたら、宿題を含めて「やっているかどうか」のチェックは行われていても、コメントもなければどのような点に注意して家庭学習を行うのが良いのか、という指示は行われていません。そのような状態だと、何かしらの学習はしたのだろうけれども、1週間を通して何を学んだのか、そこは得意分野なのかそれとも苦手意識を持ってしまっている状態なのかなど、「やったことの中身と習熟度」までを把握することはできません

そのような状態であっても「勉強のことは塾に任せてくださいと言われているから」と、全くお子さんの学習状況を把握しないのは非常に問題です。ここが、「塾にお任せ」の落とし穴になりがちなところなのです。皆さんのご家庭ではどのような状況になっているか、把握できているでしょうか?

早稲田アカデミーでは、「勉強については面倒をすべて見てもらえるから」という点に魅力を感じて入塾させたという親御さんでも、全てお子さんと塾に任せてしまい、どのように勉強しているかどうかをチェックしないでいることは大変危険です。もちろん、口を出しすぎるのは、お子さんのやる気をそいでしまうことにもなりかねないので、ある程度は塾とお子さんに任せることも必要ですが、全く親御さんがチェックせずに放置して長い時間がたってしまうと、気づいたときには以下のような状態に陥る危険性があります。

  • 宿題に時間がかかりすぎて終わらない
  • 苦手としている分野がいつまでも克服できない
  • 好きな科目はやっているようだけれど、4教科まんべんなく勉強していないので成績のばらつきがみられる

早稲田アカデミーでは、宿題の管理も任せてください、お子さんが自主的にやるようにしてください、それが受験勉強には大切なのです、と言われると思います。たしかに、受験勉強に対してお子さんが自主的に取り組むことはとても大切なことです。今日は何をやるべきか、今週全体で何をするべきか、次の模試までに埋めておかなければならない穴はどこなのか、それを把握して自主的に勉強できるお子さんは精神年齢も高い傾向がありますが、むしろ少数派です。大多数の受験生は「これをやればいい」と言われたことを必死にこなす、という形の受験勉強体勢をとっているのが現状です。

それであればなおのこと、家庭学習の内容を全てお子さんに任せきりにするのではなく、定期的にきちんと管理してあげることが必要です。単に「こなし勉強」になっていないか、どこがわかっていてどこがわかっていないのか、その教科や分野はどこか、などを親御さんがしっかり把握しておくことが重要です。いわば、「ペースメーカー」の役割を分担するのが親御さんのやるべきこと、ととらえてみてください。

宿題が多すぎてこなしきれない

早稲田アカデミーにお子さんを通わせているご家庭から最も多くご相談を受けるのが、「宿題が多すぎてこなしきれない」という点です。では、早稲田アカデミーの宿題にはどのようなものがあるのでしょうか?

早稲田アカデミーは、四谷大塚に準拠していますが、使用されるテキストは予習シリーズだけではありません。四谷大塚の計算問題集、漢字とことばのテキスト、演習問題集、理科・社会のサブノート、WB(ダブル・ベーシック、主に宿題として出されるテキスト。内容は栄光ゼミナールの新演習と同じ)、6年生になれば「4科のまとめ」、さらに早稲田アカデミーオリジナルの「日々の学習」が教科ごとに出されます。さらに、クラスによってはオリジナルプリントなども出されるので、全体的にみると非常に膨大な宿題が毎週出されます。これらをすべて計画立てて、全部うまくこなしきれるお子さんは非常に少数と言ってよいでしょう。

また、これは受けるかどうかはご家庭によってさまざまですが、早稲田アカデミーでは、四谷大塚の週例テスト、いわゆる「YTテスト」を受験することを推奨しています。週例テストの過去問集もありますので、週例テストを受ける場合にはそれも計画立てて解くことが必要になります。

さらに、早稲田アカデミーの中学受験コースの最上位クラスは「SSクラス」といいますが(校舎によってはSGクラス、など呼び方が変わることもあります)、SSクラスに入るためには「SS選抜テスト」に合格しなければなりません。そのため、対策用の教材がさらに増えます。

6年生になれば、本格的に志望校別対策のための「NN志望校別コース」の授業がスタートします。ご存知の方も多いと思いますが、「NN」は「なにがなんでも」の略です。年々、合格率もアップしてきているので、大手塾の志望校別コース授業の中でも注目を集めています。塾によっては志望校別コースに入るのに入室基準を設けていないところもありますが、NN志望校別コースの場合は、選抜テストに合格しないと受けることができません。

YTテストや、NN志望校別コースの授業は土日に行われるため、通塾日数や宿題の量は、学年が上がるごとにさらに増えていきます。通常の授業でやらなければならない学習の量に加えて、これらの対策の学習をすべて完璧にこなすことは非常に大変で、パンクしてしまい、成績が6年生になって下がり始めるお子さんもいらっしゃいます。

ですが、お子さん一人ひとり、志望校合格に向けてやるべきことは異なります。ほかの受験生に合わせてすべてをこなそうとする必要はありません。早稲田アカデミーに通いながら成績を上げるためには、まず、数多い宿題の中から、今の実力と照らし合わせて、内容やレベルをよく考え、お子さんに本当に必要なものだけに絞っていくことが必要不可欠です。消化不良となっている状態から脱することが、成績を上げ、実力をつけるための第一歩です。

塾からは、これらの宿題は全て必要ですからやってください、と言われると思います。ですが、もしお子さんが消化不良の状態に陥っているようでは、成績アップはまず望めません。お子さんの弱点を塾に直接相談し、「今、わが子に絶対必要なものはどれか」という取捨選択をすることが必要です。必要なものは必ずやり、理解できているものの数値替えの問題や得意分野の同じような問題の繰り返し演習に関しては、勇気をもって省略したりして、お子さんの弱点の補強をする必要がある分野の学習に優先的に時間を割くことができるように配慮してもらいましょう。

もし、どれがお子さんに必要で、どれが不要か、という点で迷う場合には、個別指導や家庭教師などに実力をチェックしてもらい、取捨選択をしてもらうのも一つの方法です。集団塾では、どうしても「皆が同じものをこなし、一定のレベルを保つこと」が優先されがちですが、それに流される必要はありませんあくまで、お子さんの状況に合わせて、「今すぐやらないとあとで困ったことになる」と思われるものをピックアップして、自分のための勉強をする時間を確保しましょう。

週例テスト、組み分けテスト対策はどうしたらよい?

先ほども書きましたが、早稲田アカデミーでは、毎週、四谷大塚の「週例テスト(YTテスト)」が行われます。そして、週例テストの「総合回」には、「組分けテスト」が行われます。週例テストは、その週の学習範囲の確認テストとしての位置づけがありますので、これまで学習してきた範囲の中から自分の苦手分野を把握するのに非常に役立ちます。また、組み分けテストは、四谷大塚の中のコースとクラスが決められます。5年生からはS,C,B,Aのクラスに分かれ、その中でさらに何組かに分けられます。組み分けテストのコースは、テストの点数で厳然と分けられます。

組み分けテストの結果は、早稲田アカデミーでのクラス分けにもかかわってきますし、週例テストは同じ範囲でもコースごとに難易度が異なるので、それぞれのテストの目的をしっかり踏まえたうえで、特に難関校を志望する場合には、安定して高得点をとっていくことによって、いまの実力を確認することができます。週例テストは受けなくても、組み分けテストは受けておく、という受験生も多くいます。組み分けテストは、週例テストに比べ範囲が広く、総合的な力を試すのに役立ちます。

ただし、週例テストや組分けテストを受ける受験生の中には、「毎週のテストに追われてしまう」「復習する時間がない」「週例テストで点数を取れても、組分けテストではなかなか点数がとれなくてクラスが下がってしまう」といった方が多くいらっしゃいます。

テストはあくまで、入試に向けて自分の弱点箇所を発見したり、さまざまな出題傾向や時間配分に慣れるためのものです。また、四谷大塚のテストと同じ形式で各中学校の入試が行われるわけでもありません。まずは、その点をしっかり確認し、いまの実力を測り、目標との差を認識して、弱点を克服するために受けるのだということを今一度親子で話し合いましょう。大切なのは、テストの点数よりも、間違えた問題をどのように攻略できるようになるか、です。

とはいえ、テストの成績がどうしても気になる・・・というご家庭も多いと思います。週例テストや組分けテストの場合は、次に述べる合不合判定テストとは異なり、範囲や出題傾向がある程度決まっています。ですから、「毎週の塾の授業でわからなかったところを、テストまでにできるだけ解消しておく」「日々の宿題などを通して、授業の内容をしっかり復習しておく」「覚えなければいけない知識問題はしっかりとれるように繰り返し覚える」など、苦手教科や分野それぞれでポイントをおさえていけば、高得点を取ることができるようになっていきます。

また、早稲田アカデミーなど四谷大塚準拠塾の場合、週例テストや組み分けテスト、合不合判定テストなどのテスト結果や答案をインターネットですぐに確認することができます。受験した後、3~4日程度で週報を確認でき、各問題の正答率などもチェックできます。書面での成績も1週間以内には返却されます。テストの結果を通して、自分はどの教科のどの分野、単元がネックになっているのか、どのような対策が必要なのか、など、細かい部分をチェックするようにしましょう。

間違えた問題は、その問題や類題が解けるようになれば克服でき、成績を伸ばすことができる「宝物」です。どうしてもテストの結果に一喜一憂してしまうことが多いかもしれませんが、やらなければならないのは、点数や偏差値をあげつらってお子さんのモチベーションを下げることではなく、「これができるようになれば志望校が近づく」という意識をもってしっかりと解き直し、復習を繰り返すことです。テストの目的をしっかり確認して取り組むようにしましょう。

合不合判定テストの対策方法は?

合不合判定テストで点数がとれないのはなぜか

四谷大塚の6年生の模試と言えば、合不合判定テストです。4月から始まり、9月からは12月まで毎月開催されます。早稲田アカデミーにお通いの生徒さんはほぼ皆さん受けるテストですし、ほかの塾の生徒さんも日程を繰り合わせて受験してくる、受験者数の多いテストです。また、週例テストや組み分けテストのように範囲はありません。それまでに学習したすべての範囲から出題される、入試を意識した模試です。

合不合格判定テストにはそのような特徴があるため、早稲田アカデミーにお通いのお子さんの中には、「週例テストや組み分けテストなど、出題範囲の決まっているテストではそこそこ点数が取れるけれども、合不合判定テストになると全く点数が取れない」という方が多くいらっしゃいます。これは、ほかの塾の範囲のないテストでも同じことが言えます。一定の傾向がわかっているテストでは点数がとれても、入試を意識している範囲のないテストでは点数がとれないということは、テスト対策にやっきになってしまうと、当然起こりえることです。

合不合判定テストのように範囲のないテストになると点数が取れない、というお子さんの場合、普段の週例テストでは、週例テストの過去問を集めたテスト形式の「週例テスト問題集」の該当回を解いて見て臨むといったテスト対策を一生懸命して、それさえやれば点数が取れると思っていることが多いです。似たような問題が出題されることもありますし、解いてみて身についていない知識を確認したり、解法をチェックしたり、ということを毎週繰り返しているのではないでしょうか。

たしかに、範囲が決まっているテストではある程度そのようなテストの過去問対策も、それほど幅広くないので有効である点は否定できません。ですが、あまり過去問にとらわれすぎると、「昨年の問題を解いたのにどうして点数が取れないの!」とお子さんを厳しく叱ってしまうこともあるかもしれませんが、範囲があるテストほど、弱点となる単元を把握し、いつまでに克服しようかという計画を立てるために利用するべきなので、結果に一喜一憂する必要はありません。むしろ、合不合判定テストのような、範囲のないテストでしっかり力を発揮するための準備、ととらえるのがよいでしょう。

合不合判定テストで結果をだすためには?

以上のようなテスト勉強をしていると、範囲のない総合テストである合不合判定テストで点数を取ることが難しくなってしまう場合があります。もちろん、毎週の範囲をしっかり理解することに照準をしぼって、あまり点数にとらわれることなく弱点補強をしてきたお子さんにとっては、このような総合テストでも点数を取ることはそれほど難しくない、というケースも多くあります。

ですが、多くのお子さんは、合不合判定テストになると点数が取れない、成績が下がる、という経験をします。それはなぜなのでしょうか。合不合判定テストになると点数が取れないというお子さんによく見られるのは、「問題の解き方を丸暗記してしまっていて応用が効かない」という特徴です。

もちろん、必ず覚えておかなければならない知識事項をしっかり覚えておくことは必要です。ですが、その「覚え方」に問題があるケースが非常に多いです。入試でも総合的なテストでも、使うべき知識事項、基礎事項は同じでも、出題の仕方を変えることによって差をつけようと、出題者は考えます。それは、「本当に理解しているのか」という根本的な学習姿勢を問うためです。

本当に理解できていれば、少々違う聞き方を帰られたとしても、自分なりに解法を導き出し、試行錯誤して正解にたどり着くことができるのですが、残念ながら「暗記」に走ってしまい、少し形を変えられると、「初めて見た問題」「やったことがないことが出ている」と思い込み、手をつけられないという結果になってしまう・・・それでは出題者の思うツボです。

大切なのは、「考え方を正確に理解する」こと

入試に向けて、合不合テストのような総合テストで点数をしっかり取るために必要なのは、「解法の丸暗記」ではなく、「なぜそうなるのか」「どうしてその公式を使うのか」「覚えている知識を整理して、聞かれたことに確実に答えられるか」ということです。それを意識しないと、いつまでも範囲のないテストで点数を取れずに、しだいに自分がどこがわかっていてどこが分かっていないのかを見いだせなくなり、直目の前の1問を解くことしか考えないようになってしまいます。

このような状況は、早稲田アカデミーの教材や宿題の多さにも原因の1つがあります。先ほども書きましたが、早稲田アカデミーで使用するテキスト類は非常に多岐に渡ります。それを全部やろうとするとパンクしてしまう、でもやらないと問題が解けるようにならない・・・そんなことは実はありません。

たとえば、副教材である「演習問題集」に載っているのは、「予習シリーズ」の問題を数値替えした類題や、同じような聞き方で知識を等問題が中心です。単元ごとの学習を行う場合には、そのように類題を解いて、しっかり理解できているかどうか確認することによってある程度の学習効果が得られます。ですが、それらの問題に共通していること、使わなければいけない知識、といったものをしっかり整理しておかないと、効果は薄れてしまいます。

そのように毎週の勉強をしていると、「解き方をパターンで覚える」ことによって一定の点数が取れる、という経験を積み重ねることになり、少しひねられると違う問題に見えてしまって解けなくなる、という状況に陥ってしまいます。それが、合不合判定テストのような総合テストでは、一層はっきりしてしまうので、あれも解けない、これも解けない、覚えていない、と焦るばかりで、何をしたら良いのかわからなくなってしまうのです。

合不合判定テストのような範囲のないテストでしっかり点数を取るには、まずそれぞれの単元の基本となる「考え方」を理解する必要があります。これをせずにただ大量にテスト対策プリントを解いても点数は取れません。知識が1対1対応になってしまい、少し形を変えられただけで「難しいからできない」と思い込んでしまうからです。実力をアップし、成績を伸ばすためには、「考え方」を理解するという学習スタイルを身につけることがとても大切です。それは、ただ問題を解けば身につくというものではありません。

大切なのは、これまで学習してきた内容の中で中心となる「考え方」をマスターすること、それは「基礎を徹底すること」といっても良いかもしれません。これを第一に考え、最初のうちは点数が取れなくても、基礎に戻って解法や知識を確認し、形を変えられても解答できるようにしていけば、成績は必ず伸びます。ただし、それなりに時間はかかります。ですから、早めから、今のうちから学習スタイルを見直すことが非常に重要になってくるのです。

大量の教材をいかに効果的に使うことがポイント

先ほども書きましたが、早稲田アカデミーでは、中心となる「予習シリーズ」「Wベーシック」「演習問題集」などに始まり、早稲田アカデミーオリジナルの日々の学習教材(サピックスでは基礎トレにあたるようなもの)、クラスに応じて早いうちから中学入試の過去問を扱うこともありますから、非常に豊富な教材がそろっているといえます。その分、当然ながらやるべき分量は多いですし、ただ「こなすだけ」の勉強に時間を使いすぎても、学習した内容を「定着」させて、実際にテストで実力を発揮できるようにするためには、工夫が必要です。

そのためには、大量にある早稲田アカデミーの教材のそれぞれの特徴をよく理解して、どのように上手く使いこなしていくか、ということが最も大切です。これは、早稲田アカデミーに限らず、大手塾で宿題の多い塾にお通いの場合、同じようなお悩みを持つ方が多いポイントです。

科目ごとにテキストの使い分けをすることも学習内容を定着させるためには必要です。たとえば、算数であれば、中心教材となる「予習シリーズ」は例題をはじめ、公式や解法がていねいに説明されています。その単元の典型的問題は網羅されているといってよいでしょう。その内容を定着させ、違う問題が出題されても解けるようにするには、「Wベーシック」よりも、同じ四谷大塚が出版している「演習問題集」を解くのが定着のためには効率が良いでしょう。「演習問題集」は、レベルが分かれているので、得意分野、苦手分野に分けて使い分けるのもよいでしょう。

また、国語の読解力を伸ばしたい場合は、「予習シリーズ」は非常にオススメできる教材です。なぜなら、解答・解説が別冊になっており、非常に内容も詳しく、お子さんが読んで理解できるくらいにかみ砕いて解説されていますし、少し難しめのものであっても、その解説にそって親御さんが一緒に文章を読んでみる、設問を解いてみる、という活用の仕方ができます。国語の場合、ただ解答が合っていた、で終わらせてしまっては実力はつきません。解説を読んで、文章のどこがポイントなのか、設問を解くためのポイントがわかるテキストで学習することがとても大切です。

そういった文章の内容や解法を詳しくかみ砕いて解説しているので、「予習シリーズ」と、「演習問題集」をしっかり使って、「ていねいに」学習していけば、実力は必ずついていきます。ただし、「予習シリーズ」に掲載されている文章はほぼ過去の中学入試問題から選ばれています。最初は難しそう、と思ってしまいがちですので、国語が苦手、というお子さんの場合は、家庭学習でもできるだけ親御さんが一緒に理解度を確認してあげる時間をとってあげるとより抵抗感が減っていきます。

まとめ

早稲田アカデミーは校舎数も多く、志望校別特訓にも特徴があります。塾選び、転塾先の塾を検討される際に、候補に挙がることが多いのではないかと思います。「体育会系」「先生が怖い」などというイメージを持たれるかもしれませんが、最近は校舎にもよりますが、かならずしも「子どもに無茶を強いる」ということはありません。

塾としての面倒見は大手塾にしてはかなり良い方ですから、何か家庭学習などで困ったことがあった場合、電話をするなどして講師の先生にアドバイスをもらいやすいです。そういった機会に、宿題の多さでパンクしそう、夜中まで勉強しても終わらない、といったときは、宿題の取捨選択もぜひ相談してみましょう。

早稲田アカデミーでしっかり実力をアップし、志望校に合格するためには、その宿題の取捨選択や、志望校選びなどについてできるだけ校舎と連絡を取るようにして、お子さんに合った量の宿題を取捨選択し、日々の学習の注意点、ご家庭でできる工夫など、いろいろ質問できる保護者になることが大切です。「勉強のことは任せてください」と言っている塾ですが、うまく塾と家庭で役割分担ができれば、非常に効率よく学習を進められるという利点もあります。

今回は、大手塾の中でも早稲田アカデミーの特徴について詳しく解説しました。教材の使い方などについては、また別の機会に書いていきたいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。