中学受験で文章題というとまず頭に思い浮かぶのは算数ですね。最近の入試問題では、国語は別としても、理科も社会も問題文が長文化し、条件を整理しながらヒントを見つけないと解けないような問題が出題される傾向にあります。
そのような文章題に直面したら、まず何をしますか?今回は、文章題に直面したときの対処法について書いていきます。
ヒントに線を引く、図に書き込むクセをつける
算数や理科では、計算に持ち込むまえにまず問題文を読んで、そこに書いていることを整理しながら解く道筋を見つけていきますね。そのために、まずクセにしておきたいこと、それは、「問題文を読んでわかったこと(ヒント)に線を引き、図に書き込む」ことです。まずはこれをきちんとできるようになりましょう。
生徒さんを見ていると、長い問題文に直面すると、そこで何もせずあきらめてしまう人が多いです。生徒さんによっては、なんで先生はこんな問題が解けるの?と不思議そうな顔さえすることがあります。
もちろん、教える側にとってみても、長い問題文を読んだだけで答えが瞬時にわかる、などということはまずないです。ただ、問題文に食らいついてヒントに線を引いて集め、正しく図にして、「可視化(文章をわかりやすくビジュアル化する)」するから、解けるわけです。
あの名探偵でも・・・
中学受験生の皆さんなら、名探偵コナンをご存知だと思います。コナン君が様々な難事件を解決していく話ですね。では、コナン君を例にして、文章題を解くイメージを持ってみましょう。
問題文が難事件だとすると、コナン君はただただ頭で考えるだけで事件を解決に導いているでしょうか?かならず、犯人を見つけるときにはその理由を説明していますね。そうです、あのコナン君でさえ、事件(問題)を解決するために走り回ったり触ったり、時には潜入したりして「ヒント」を集めています。
問題文には必ず解くためのヒントがあります。ヒントさえ集めてしまえば、あとは犯人を逮捕する(正解する)だけです。そこではやはり頭脳を使わなければなりません。問題文には出題者が気づいてほしいトリックが仕掛けられています。ヒントを集めてそれに気づくことができればこちらの勝ちです。皆さんも、勉強をちょっとした探偵気分でできるようになれば、モチベーションを上げることができると思います。
問題文からヒントを集めるときの注意点
コナン君の例からも分かるように、文章題にぶつかったら、ヒントを集めて回らなければなりません。以下の点に注意してみてください。
- 図がない図形の問題は必ず図を描く:図を描かないと問題は解けません。線分図やグラフも同様です。
- 必ず一文よむごとにわかったことを図に書き込んでいく:一つ一つゆっくり丁寧にヒントを集めていきましょう。特に問題文の読み間違えには注意が必要です。
- 補助線を引く場合は何通りも実験する:間違った補助線を引くことは誰にでもあることです。正解するまでめげずに食らいつきましょう。
- 途中式は必ず書く:根拠がない答えはダメです。まず正解できません(コナン君でいうと、証拠がないので逮捕できない状態です)。必ず途中式を書き、考え方を積み上げて解いていきましょう。
算数の文章題を念頭に置いて書きましたが、理科の計算問題も同じです。長い文章を読み、書かれている条件に線を引き、新しい条件が出てきたらグラフに書き込むなどして、答える根拠をしっかり探しましょう。
問題文からヒントをしっかり読みとり、出題者のトリックに引っかからなければ正解できます。ぜひ、この注意点を守って、文章題を攻略していきましょう。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。