【中学受験】わが子に合う塾は?塾選び・大手塾編 その2

これまで何度かに分けて、塾選びの大切さと、実際に見聞きしたり調べた塾について、いくつか紹介してきました。今回は、気になったけれど通うことのなかった大手塾2つ、「早稲田アカデミー」と「栄光ゼミナール」について書きたいと思います。

早稲田アカデミー

  • 教育方針(Sコース・6年私国立受験コース):「志望校合格を勝ち取るために1年間かけて総復習」「1学期には中学入試に必要な内容全般の復習を進め、夏期講習会以降は定着を促進しながら実戦的な演習で実力を磨き、入試本番での得点力を向上」
  • 6年生時の授業回数・特別講習など:平日週3回、強化特訓または特別補習(土日)、夏期合宿
  • 6年生時の費用感:サピックスとだいたい同じ。6年生でトータル120万円前後入塾テストは有料(2000円)

とにかく「熱く」「やる気にさせる」、そんな口コミや評判を聞いていた早稲アカ。スポーツ大好きの息子には雰囲気があっているのでは?と思い、転塾検討時に気になった塾です。実際に問い合わせをしてみたのですが、中小規模塾と異なり、6年生夏からの転塾は受け付け不可でした。夏休みは合宿特訓があったり、やはり体育会のノリがある印象で、実際に周りで通っていた人も、元気がいいタイプのお子さんが多かったです。

この塾の志望別特訓は通称「NN特訓」(NNは何が何でも、の略)は有名ですよね。途中で小規模塾に転塾したお子さんや、個別に通っているお子さんで、志望校別特訓だけ大手塾に通う方も多かったのですが、日曜日の志望校別特訓をサピックスの「SS」にするか早稲アカの「NN」にするか悩まれている方が結構いらっしゃいました。

サピックスのSSは、男女ともに御三家は学校ごとのカリキュラムになっていますが、それ以外は出題傾向が似ている学校でまとめられています。また、サピックスでは成績に関係なく、下位クラスでも希望すれば御三家クラスに入れます(一応、塾側から別のコースを勧められることもあるようですが、基本的に希望のコースに入れます)。

一方、NNは、一つの学校に絞った対策で、志望校ごとに校舎が決まっており、全校舎から同じ志望校を持つお子さんが集まってきます。また、NNに入るにはテストがあり、成績ではねられてしまうこともあります。

どちらもそれぞれの良さがあると思いますが、サピックスの場合は下位クラスから御三家合格!ということもあるので、希望クラスに成績の縛りがない、というのは子どもにとっては「やる気の原動力」になるのかもしれません。

栄光ゼミナール

  • 教育方針(高学年時):「自分のトップ校に行こう」「自分らしく、合格をつかむために」「少人数クラスならではの対話」
  • 6年生時の授業回数・特別講習など:平日週3回、特別講習(御三家対策、難関校対策)
  • 6年生時の費用感:1教科ごとの月謝:1万円前後/月

中学受験を考え始めたころは、私が公立の中高一貫校にも興味を持っていたため、その時に一度検討の対象に入れました。今では公立中高一貫校対策をやっている塾が増えてきましたが、栄光ゼミナールはその先駆け的な塾ですよね。東京の結果についてはわからないのですが、神奈川では、実に公立中高一貫校の合格者の1/5が栄光ゼミナール生のようです。公立中高一貫校を目指すなら、体験に行ってみる価値はあるのではないかと思います。

ただ、もし私立と併願するような場合は、他塾も見られた方がよいと思います。実は近所に栄光ゼミナールがあったのですが、たまたまだとは思いますが通っている方は1人もいませんでした。実際に行ってみてお子さんに合っていれば良いのですが、「自分のトップ校に」とうたっているので、なんとなく子供の伸びしろを制限されてしまいそうな印象を受け、対象から外しました。

まとめ

早稲アカのところでも書きましたが、通常は小規模塾や個別指導塾、志望校別特訓や夏期講習、冬期講習は大手塾のカリキュラムで行く、という戦略を立てている方は結構多いと思います。それぞれの塾により、志望校別特訓などには特色がありますが、息子が通っていたサピックスの校舎は某有名大学の付属校に近かったので、普段は他塾に通い、SSだけ受けに来るという方もいらっしゃいました。志望校別特訓については、つうじょうかよっている塾のコースを取らなければいけないと考えるのではなく、「他塾であっても、志望校に強い特訓を選ぶ」、そのような戦略も効果的なのかもしれません。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。