春期講習を効果的なものにするためのポイント

塾にお通いの皆さんは、春期講習を受講されていると思います。また、普段はまだ塾に通っていないけれど、春期講習を受けてみて入塾をどうするか考える、というご家庭もあると思います。

中学入試は1月、2月に行われるため、中学受験の塾での学年は2月で切り替わります。学年が上がるごとに、同じ分野、同じ単元でも、学習内容の多さ、深さが強まってきます。

ですが、毎週の塾のカリキュラムにそって授業を受け、宿題をやるだけで精いっぱい、そうなるのが受験生にとっての大きな悩みになっているのが現状ではないでしょうか。春期講習期間中は、通常授業とは異なる講習会期間や祝日など塾がない日をどう活用するか、が中学受験の勉強をスムーズに進めていくためのカギになります。

今回は、現在受講中の春期講習について、効果的なものにするためのポイントや、春期講習後にも意識していただきたいことについてお伝えしたいと思います。「受けて終わり」にせず、今後の学習に活かすための参考にしてください。

今だからこそできる「基礎の徹底」を意識する

春期講習中の時間の使い方を見直そう

 来年受験をむかえる受験学年の皆さんにとって、入試当日から逆算して効率的に学習を進めることがとても大事になってきます。そのスタートともいえるのが春期講習です。志望校合格に向けての勝負は夏休み、とよく言われます。期間も長いですし、夏期講習の授業時間も非常に長くなりますが、内容としては問題演習が中心になり、それこそ「朝から晩までひたすら問題を解いて解説を聞く」という、勉強漬けの毎日になるでしょう。志望校の過去問集にもチャンレンジしていく特訓授業などにも取り組むことになります。つまり、夏休みは、入試に備え、過去問を解くために必要な応用力を伸ばす時期といえるでしょう。

そのような学習計画を実現するためには、夏休み前に基礎力を徹底して鍛えておく必要があります。その導入として重要なのが「春期講習期間」です。春期講習は、塾によって、通常のカリキュラムを進めていくところや、それまでに習ったことの復習用テキストを使って、広い範囲をまんべんなく学習するところなど、組み立てられ方は異なります。

ですが、共通して言えるのは、通常授業のときと異なり、小学校がお休みですから、「学習に割ける時間はいつもより多い」ということです。当たり前のように思われるかもしれませんが、その「いつもより多い」学習時間をどのように活用するか、が春期講習後の学習の進め方に大きな影響を及ぼします。ですが、受験生の多くが、その時間を通常授業の期間と同じように、講習でその日塾から出された宿題(その日に扱いきらなかった問題を解いてくること、ということが多いでしょう)に追われて、それでタイムアップとなってしまいます。それでは、せっかく普段より時間が長くとれるはずの期間を有効に使えているとは言えません。

もし、そのような時間の使い方になってしまっているならば、春期講習中の時間の使い方を見直してみましょう。もちろん、塾の授業の時間、宿題をやる時間の確保は大切ですが、1日に使える時間が長いからといって、だらだらと宿題をやっていませんか?また、宿題以外に「いま、自分に足りていないところはどういうところか」を見極め、その克服を1日の学習計画の中に織り込んで勉強を進めることはできていますか?実は、講習期間中はこのような「自分の勉強」をいかに行えるか、ということがとても大切になってくるのです。

まず、自分の「抜け穴」を見つけよう

これまで学習してきた内容をすべて完璧に理解できている、ということはまずないと思います。最上位生であっても、「このような出題形式は苦手」であったり、「知識が正確でないため同じものをいつも間違えてしまう」という悩みはこれからもついて回ります。成績にもよりますが、そのような「抜け穴」になっている部分は新6年生であっても、ほかの学年であっても、多くのお子さんが抱える問題点です。

ですが、最初からすべての教科、すべての分野や単元を網羅して理解できているということはまずありません。まず大切なのは、「これまで学習してきた中で苦手な教科、分野、単元」「苦手意識のある出題形式」「なかなか覚えられない知識」を洗い出すことです。これを講習期間中に行っておくことによって、自分はどこを克服すれば成績が伸び、志望校への合格可能性が上がるか、という、目標に向けた学習計画を立てることができます。

講習期間が終わり、通常授業に戻ると、小学校も始まるので、なかなか冷静に洗い出しをすることができず、積み残しが増えるばかりになってしまいます。その意味でも、この時期にこれまでの学習を見直し、まずは克服しなければならない点を洗い出すことがとても重要になってくるのです。

いま、最も重要なのは「基礎の徹底」ということを意識しよう

これまでの通常授業でも、また、春期講習中でも、どうしても「ある1問」を解くことにばかり意識がいってしまって、問題をたくさん解いているわりにはできるようにならない、成績が上がらない・・・そのような悩みを抱えていませんか?そのような場合、さらに問題をたくさん解こうとして、自分がどこがわかっていてどこがわかっていないのか、ということを把握することも難しくなってしまいます。

勉強には優先順位というものがあります。まずやるべきことは、「教科ごとの弱点となっている部分の補強」です。ですが、どのようにしたらよいのかよくわからない、ということもあるでしょう。どうしても、解く問題の難度が上がってくると、どこから手を付けてよいかわからなくなりがちです。そのようなときは、やはり回り道と感じても、「基礎の徹底」に戻ることが結果的に成績を上げるために必要だ、ということを思い出してください。

苦手な教科や、テストなどで弱点となっている教科がある場合は、その教科の基礎の部分から理解がおろそかになっている可能性があります。教科や分野によって「基礎」はさまざまありますが、たとえば算数なら、計算の正確さやスピード、計算の工夫が不十分なために、時間を喰ってしまっていることや、公式を正確に覚えていないために基礎問題で落としているケースもよくあります。国語なら、漢字やことばなどの知識、文章読解の基本(いわゆる「読み方の基本」)、理科や社会ならそれぞれの分野、単元のまずは知識として必ず覚えなければならないことを「正確に」理解し、覚えるということが、まず必ず固めなければならない「基礎」と言えるでしょう。

「え、そんなこと?」と思われるかもしれません。ですが、これまで受けたテストを見返してみてください。計算問題や漢字、正答率の高い理科社会の知識問題でどれだけ点数をとれていますか?毎回全問正解できていますか?入試は、そのような基礎、つまり受験生であれば必ず得点しなければならない問題を落としてしまうと、合格から大きく遠ざかってしまいます。基礎問題は必ず得点し、そのうえで応用問題で部分点などを稼いで合格点を超えることができる、ということを今一度意識しましょう。それは、模試でも、普段の授業中のテストでも同じことです。

そのような、弱点となっている基礎部分の克服を、まずは最重要事項として取り組んでいきましょう。今のうちから苦手部分をを把握し、克服して行くということを意識して学習する姿勢ができていると、「迷ったら基礎に戻る」ということを徹底することができます。そうすれば、「あれもできない、これもできない」という状態から、一つずつ克服していき、確実に得点できるようになっていきます。

そして、このように基礎の徹底を常に意識して学習を進めていくと、いずれ中心となっていく応用力の養成・強化に専念でき、時間の使い方もうまくなります。

大切なのは「基礎の徹底」です。これは、受験生一人ひとり何が必要かが異なるので、お子さんの今の時点での弱点を洗い出し、難しい問題を解くよりもまず、理解しきれていない、覚えきれていない知識を徹底して身につけることが先決です。それをやらずに応用問題を解こうとしても、土台ができていないので時間ばかりかかってしまい、結果的に点数をとることができないということが続いたまま、本格的な模試シーズンに突入してしまいます。また、通常授業の理解度も下がってしまいます。

「基礎=簡単」と思われがちですが、単純にそうとは言い切れません。基礎は、あらゆる問題に関わってきます。そこを固めないと成績が上がらないという焦りに親子でとらわれてしまい、受験へのモチベーションが下がることにもなりかねません。必要なのは受験生として必要な基礎の徹底です。軽視せず、今のうちから徹底して潰しておくようにしましょう。

テストの結果をうまく活用しよう

基礎を徹底するために一番問題となるのは、先ほども書きましたが、自分の苦手教科や苦手分野を把握できていないことです。もしそのような状態になっている場合は、春期講習期間中に、これまで受けてきたテストの答案を見返して、どのような問題、どのような知識でよく点数を落としているのかを検証してみましょう。

塾によっては、詳細なデータが添付されているテストもあります。その場合は、ぜひそちらにも目を通すことをお勧めします。各設問の正答率などが記載されているはずです。どうしても点数や偏差値が気になるところだと思いますが、大切なのは✖を〇にすることです。正答率の高い問題で落としていないか、落としていたらそれはなぜなのか、知識が足りなかったのか、書き間違えなどのケアレスミスなのか、問題文の読み落としによるものなのか、などをしっかり自己分析し、自分の不足している部分を確認するようにしましょう。これを習慣にできれば、これから夏休みまでの学習の間に基礎に戻る部分を学習する時間を確保することによって、大きく成績を伸ばすことができます。

テストの結果は、点数や偏差値だけを見て一喜一憂するのではなく、このように今後の受験勉強のために有効に活用できるのだということを意識するようにしましょう。それができる受験生が成績を伸ばし、志望校合格に大きく近づくことができるのだということを意識していっていただきたいと思います。

勉強の習慣、リズムを確立しよう

大切なのは、勉強の習慣、リズムを規則正しくすること

春期講習中も含め、受験生であれば毎日、家庭学習をすることは当然のことですよね。ですが、無計画にそのときやりたいことをやる、というような学習のやり方では、時間の使い方の上でも、学習の密度としてもよくありません。また、お子さんに家庭学習の計画をすべて丸投げして任せてしまうということも避けた方が良いでしょう。お子さんは、自分の得意なところばかりやりたがるものです。

ですが、やらなければならないのは、「弱点の克服」「基礎の徹底」です。その中には、苦手分野の学習や、知識の理解、暗記といった地道な努力を必要とするものがたくさんあります。お子さんに任せきりにしてしまうと、そのような地道な努力よりもどうしても好きな教科、できるものをやりたがるでしょう。もちろん、得意なところであっても定期的に本当に理解できているか確認することは必要ですが、そればかりではいつまでも弱点の克服や、必要な基礎知識の徹底習得は実現できません。

そこで、やはり必要になってくるのは、学習計画をしっかり親子で立て、それを習慣化することです。塾に行っている時間と食事や睡眠など生活のことにかかる時間をまずスケジュール表を作って書き出してみましょう。そのうえで、何時間学習時間をとることができるのか、ということを目に見える形で共有することが大切です。

1日にどのくらいの学習時間がとれるのかが目に見えたら、どの時間帯に何時間、どの教科を学習するか決めていきましょう。ただその教科を学習する、というのではなく、どのテキストを使って学習するのかまで決めておくとよいでしょう。塾のテキストにはいろいろな種類があります。メインとなるテキスト、計算や漢字などをメインにしたテキスト、知識をまとめたテキストなど様々ありますので、どの時間にどのテキストでどの教科を学習するのか、できるだけ具体的に決めておくとよいでしょう。

「自分の勉強」をする時間を確保する

学習計画を立てる際に気をつけたいことがあります。日々の学習の中では、どうしても目先の学習事項を優先してしまいがちですし、それが優先事項になるのもやむを得ないことではありますが、その学習ですべての時間を埋めてしまい、余裕のない学習計画を立ててしまっては、おそらく実現できず、かえって積み残しができてしまう恐れがあります。

そこで、学習計画を立てる上では、予備時間をところどころに入れるようにしておきましょう。そうすれば、できるだけ短い時間で日々の学習を終わらせるという意識が生まれますし、なにより予備時間を使って「自分の勉強」をすることができます。この「自分の勉強」とは、先ほどから書いている「弱点補強」「基礎の徹底」です。この「自分の勉強」をする時間を確保できるかどうかが、今後の成績アップにとても重要な意味を持ってきます。

「自分の勉強」は、受験生一人ひとりによって異なります。これは、ほかの受験生と比べることなく、いま弱いところを克服するための大切な勉強です。だれだれはこのくらいやっているから、ではなく、自分のことだけを考えて勉強する時間だと考えてください。

また、春期講習中にもテストがあるでしょうし、受験学年の方は、講習が終わると中学受験に向けて毎月のように模試やテストが続くことになりますが、必ずテストの解き直しをする習慣をつけておくこと、そのための時間を確保することも、今後の成績アップのための大きなポイントになります。

もちろん、模試やテストに向けた準備も大切ですが、努力を積んで受けたテストのまちがえた箇所を見つけ、その部分を克服することはさらに大切です。そのために必要なのは解き直しの習慣と、少し時間を置いて定着しているかどうかを確認する習慣を身につけることです。このような時間も確保できるように意識しておきましょう。解き直しや復習の習慣がついていないと、この先いくら勉強時間を多くとったとしても、なかなか成績が上がらない原因になります。注意するようにしてください。

1問の演習に時間をかけすぎないことも大切

学習計画を立ててもなかなか思うように進まないという場合には、その時間の使い方をよく考えることが必要です。特に多いのですが、2時間勉強時間をとったとして、その中で一体どれくらいの問題を解いているか、知識を覚えているか、という「結果」を意識せずに、1問に時間をかけすぎているケースがよくみられます。特に学年が上がり、基礎問題だけでなく応用問題、中には発展問題を解く機会が増えてくると、1問に1時間近くかけてしまい、時間をかけた割に積み残しが増えてしまった、というご相談をよく受けます。

もちろん、自分で試行錯誤して問題を解くことは、思考力を高めるために必要なことです。ですが、効率的に学習を進めることも意識しなければ、いくら時間があっても足りません。もしあまりにも1問に時間をかけすぎているようなら、解説を有効活用したり、個別指導を活用するなどして、問題を解くプロセスを理解する時間をより重視するようにしましょう。日々問題を解いているお子さんの姿を観察し、もし5分手が止まってしまっているようでしたら、声をかけて、いったん解説を読み、もう一度解けるかどうか試す方に時間をかける方が効率的です。その際には、どこまでわかっていて、どこからがわからなかったか、ということを明らかにしておきましょう。

もし、「どこがわからないかわからない」という場合は、問題を解くヒントを与えてあげて、過程ごとに解けるかどうかチェックするようにしましょう。そこですべて解説を読んでわかった気になって終わってしまったり、一から親御さんが解説しなければわからない、ということは避けた方が賢明です。お子さんが「自分の頭で考えること」をやめてしまうからです

もし、親御さんが教えるのが難しいようでしたら、個別指導や家庭教師を活用することもおすすめです。個別指導では、「どこで手が止まってしまっているのか」「理解度がどこまでなのか」ということを把握したうえで、自分の実力に合わせて指導してもらえます。もし、どうしても家庭学習で克服できない弱点がある場合は、試してみるのも一つの方法です。

講習期間中に「脳の体力」をつけよう

講習期間は、通常授業の期間よりも、長時間学習時間を確保できる貴重な時期です。春期講習はそれほど長期間ではありませんが、夏期講習ではそれこそ朝から晩まで問題を解き続け、しかも期間が長いです。その期間に耐えうるように、ある程度長時間の学習時間、集中して勉強できるように習慣づけをしておくことも大切です。いわば、長時間の学習に耐えうる「脳の体力」を鍛えるために、春期講習期間は大切な時期なのです。

ただし、長時間座っていられる、ということでは意味がありません。あくまで、その時間「集中して」問題を解く、暗記しなければならないものを確実に覚えていく、という学習を長時間続けることができるかどうかが重要です。

ある程度そのような習慣が身につくと、「ここまでできた」という達成感も得られます。そのような達成感を持ちながら学習を進めていくことができると、通常授業の期間も同様に集中して効率的に学習を進めることができますし、天王山と言われる夏期講習でも、しっかり集中して学習を進めることができます。

もちろん、お子さんによってペースはさまざまだと思いますが、お子さんにできる「長時間の学習」がどの程度なのか見極めておくことも大切です。入試でも、模試でも、一定時間集中して最高のパフォーマンスをすることが求められます。もしまだ集中力が続く時間が短い、という場合もまだ時間はあります。今のうちから意識して集中して学習することを意識しておきましょう。ただし、ただ長時間勉強しなさい、と言ってもお子さんは反発しがちですので、少しずつでも集中できる時間を延ばしていくようにしましょう。

まとめ

春期講習は、期間が短いこともあり、塾でその日に学んだ範囲の宿題に追われて終わってしまう、という受験生は非常に多いですが、せっかく勉強時間を確保できる機会ですから、それだけで終わってしまってはもったいないことです。大切なのは、これまで弱点となっていた箇所を見つけ、それを克服するための「自分の勉強」をしっかり行うことです。

そのような意識を持たずにただ講習に通って終わり、ということのないように、今の時期にぜひ学習スタイルの見直しをしておきましょう。夏期講習になると、なかなかそのような学習スタイルの見直しをする余裕が、時間の上でも気持ちの上でも持てなくなってしまいがちです。ぜひ、春期講習期間中に一度見直していただき、親子で学習計画を立てて、その中で「いま、自分に必要な勉強をする時間」を確保し、学習を進めていきましょう。見直すことで、これまでムダにしてしまっていた時間を効率的に使うことができるようになりますし、長時間の勉強にも耐えられる力が身につきます。

ぜひ、春期講習期間中の時間を有効に使っていただき、これからの日々の学習や模試・テストの取り組み方に活かしていただきたいと思います。まだ時間は十分ありますから、焦ることなく親子でよく話し合う時間をとり、悩んだときは塾の先生などに相談してみましょう。お子さんに合った学習スタイルを見つける良いチャンスです。ぜひ、意識して講習期間中の学習を進めていきましょう。

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