漢文の勉強、何から始めたら良いのかわからない、そんな受験生の皆さんに向け今記事では漢文の勉強法について説明していきたいと思います。
漢文は国語科目の中でも比較的点数がとりやすい教科です。覚えるべき重要語句も古文にくらべると少なく、漢文の文法も覚えるべきポイントさえ覚えておけば点数アップに繋がります。だからこそしっかりとおさえておきたい教科でもあるのです。
では、まずは漢文の問題の傾向を紹介しながらどのように計画をたてて勉強していくか説明していきます。
Contents
漢文の問題の傾向
漢文は全ての大学、学科で受けるものではありません。まず自分が受ける大学の学科に漢文が必ず出題されるか否かきちんと把握しておきましょう。また大学共通テストで漢文を受ける必要があるか否かも把握する必要があります。
次に実際の過去問題を用いながら問題の傾向を紹介していきます。
重要語句の読みや意味を問う問題
例
傍線部A「駁」・B「豈」・C「数」・D「毋得原」の読みを送りがなも含めて記せ。
(北海道大学・2020年)
波線部a「見」b「自」の読み方として最も適切なものをつぎの中からそれぞれ選び、解答欄の記号をマークせよ。
a「見」
ア、あらはる イ、まみゆ ウ、しめす エ、みる オ、さとる
b「自」
ア、より イ、おのづから ウ、ここに エ、みづから オ、ほしいままに(法政大学・2020年)
書き下し、返り点の問題
例
傍線(4)「可以喩大」は「もつてだいをたとふべし」と読む。これに従って、解答欄の原文に返り点を付けなさい。
(中央大学・2018)
傍線④の「此狗曾活我己死不得相与」の書き下し文として、最も適当なものを、次のなかから選び、その記号をマークせよ。
1、此の狗は曾て我を活かせしも、己に死して相ひ与ふるを得ず
2、此の狗は曾て我の己に死せるを活かせば、相ひ与ふるを得ず
3、此の狗は曾て我の己に死して相ひ与するを得ざるを活かす
4、此の狗は曾ち我の己に死せしを活かすも、相ひ与するを得ず
5、此の狗は曾ち活き、我は己に死して相ひ与にするを得ず
6、此の狗は曾ち我を活かして己に死すれば、相ひ与にするを得ず(立命館大学・2019年)
内容読解、訳の問題
内容に合致する選択肢を問う問題の他に傍線部を訳す問題があります。訳す問題でよく出題されるのは「此」「其」といった指示語の内容も踏まえて訳す問題です。
例
「今釈汝以解之」とあるが、「之」の内容を明らかにして、丁小大の考えを七五字以内で説明せよ。
(北海道大学・2019年)
文学知識問題
出題校はあまり多くはないですが、漢文の文学史等の知識問題が問われることもあります。
『資治通鑑』と同じく中国の歴史書であるものを、次の(ア)〜(コ)のうちからすべて選び、その記号を記せ。
(ア)『十八史略』 (イ)『晋書』 (ウ)『菜根譚』 (エ)『桃花源記』 (オ)『新五代史』 (カ)『懐風藻』 (キ)『人虎伝』 (ク)『史記』 (ケ)『唐宋八家文』 (コ)『荀子』(九州大学・2020年)
重要語句の読みや意味を問う問題、書き下し、返り点の問題は重要語句を暗記すれば解ける問題です。どの漢文の問題でも出る可能性が高いです。内容読解に関しては、選択形式と記述形式によって対策法が変わってきます。知識問題は先にも書きましたが、多く出題するわけではありません。
よって内容読解の問題は選択か記述か、知識問題があるか否かは受験する大学の漢文の過去の出題傾向を鑑みて対策する必要が出てくるでしょう。特に国公立大学の漢文は記述問題の比率が高く、読解力、語彙力の高さが求められその分漢文に時間をさいて勉強する必要性が出てきます。
そのため漢文の勉強に取り掛かることもそうですが、しっかりと問題傾向を把握することも大事です。
漢文は短期間で勉強できる
国公立大学や私立大学によっては高い読解力を求められますが、共通テストなどの問題数の比較的少ない選択問題の場合は、重要語句を暗記し、問題に慣れておけば満点近い点数を取ることは可能です!
更に漢文の勉強の特徴として、覚える語句が他教科に比べ少ないため、短期間に集中して勉強をすれば数ヶ月で点数を取れるようになる科目だといえます。
いつ勉強を始めるか
数ヶ月で対策が出来てしまうのなら共通試験の前の数ヶ月で間に合うと考えるかもしれません。確かに不可能ではないでしょう。しかし、だからこそ高校三年生の始め〜夏までに基礎をおさえ、重要語句を覚えてしまった方が良いでしょう。
覚える期間は短くてもいいとは言っても決して簡単な科目ではありません。共通テストのみでしか漢文を受験しないなどの場合をのぞき、早めに勉強を始めた方が良いでしょう。早めの段階で暗記をし、基礎をおさえておけば後は練習問題や過去問を解くことを繰り返すだけで点数をキープすることが出来るでしょう。
具体的な勉強法、参考書
では具体的な勉強法とその段階に合わせた参考書を説明していきます。
ある程度漢文の文法の規則、返り点の読み方などの基礎の基礎の段階は出来ているとした上での勉強法を説明していきますが、もし不安な場合はまずは文法の基礎から勉強しておくことは絶対だと考えてください。
⇨参考書『高校とってもやさしい 漢文』
最初に漢文の基礎の基礎が出来ている人は重要語句を覚えることから始めましょう。この段階が一番重要です!重要語句を覚えなければ話になりません。だからこそ自分が覚えやすい、見やすいなど自分にあった参考書を選ぶと良いでしょう。
⇨参考書
『でるもん 漢文句形・単語』中経出版
『漢文ゴロゴ』
重要語句を覚えたら実際に問題を解き、アウトプット、更に読解力を身につけていくために問題を解いていきましょう。この時の参考書選びには注意が必要です。先にも述べた自分が受験する大学の問題傾向が重要になります。共通テストに特化した問題集や、私大〜国公立問題まで網羅した問題集など自分が受験する大学にあった問題集を選ぶようにしましょう。
⇨参考書
・共通テスト対策
・難関大学他
『漢文』河合出版
まとめ
今回は漢文の勉強法について説明しました。漢文は短期間で勉強できる科目です。後回しにせず、早めの対策で高い点数を取れるようにしましょう!
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参考
- 記事内リンクを参照のこと