サピックスに通い始め、最初こそ順調に見えたわが子の中学受験勉強と習い事の両立。しかし、ある日息子は塾をサボりました。「スポーツの方を頑張りたいから、塾をやめたい」そう置手紙を残して。
どんなにしっかりとスケジュールを作成しても、自由時間のほとんどない毎日、子どもなりに悩んでいたのだと気づかされました。
今回は、塾と習い事の両立を、親子で考えた体験談を中心に、体験したことをお伝えしたいと思います。
息子と今後どうしていくかを一緒に考えた
その日を境に、これからどうするかについて息子と話を重ねました。もちろん「つらかったら中学受験をやめてもいいよ」という選択肢もあったと思いますが、本心では、息子はそれを望んでいないこと(中学受験をやめるつもりはない)ことも分かっていたので、息子に次のような提案をしてみました。親から子に対してのプレゼンテーションです。
- サピックスで継続して頑張って、野球とホッケーはやめる
- 塾を変えて、野球とホッケー両方を続ける
- 塾を変えて、野球とホッケーのどちらかをあきらめる
- 受験はやめて、野球とホッケーを頑張る
どの場合も、選択した場合のメリットとデメリットも分かりやすく説明しました。そもそも「なんで中学受験するんだっけ?」と、その理由も再確認しました。
そう、中学受験が最終目的なのではなく、その先に「自分に合った学校で、6年間好きなことに打ち込む」ための受験だったはずです。
案の定、息子には中学受験をやめるという選択肢はなかったようで、「2か3」と選択してきました。とりあえず塾を変えてみて、できそうだったらスポーツは両方続ける。難しそうだったらいったん野球は夏の大会後休む、そんな方向に落ち着きました。
気を付けたのは、息子に劣等感を抱かせないこと
この時に息子に対して気を付けたことは、劣等感を絶対に抱かせないことでした。クラスがなかなか上がらない中、このままいけば「自分はダメだ」と思ってしまう、そうすると何のために中学受験を選択したのか、意味がなくなると思ったからです。
ですから、「あなたはやればできる、でも、サピックスのカリキュラムは受験だけに集中する子に向いている。サピックスもスポーツも、今の今まで続けている子が、サピ生に一体どれだけいると思う?それを今まで頑張ってやってきたあなたはすごいんだよ。今はスポーツを続けながらでも受験勉強を継続できるカリキュラムの塾を探そう」そう話しました。
今回のまとめ
客観的判断に基づき、「いま、子どもに何が必要か」を親が判断していくことは重要です。これは、受験直前まで続くことです。成績の推移、家庭での様子など様々な要因をかんがみて、「定期的」に現在の方法が本当にベストなのか考えてあげてみてください。
また、もし成績が下がることがあっても、絶対に悲観したり否定したりせずに、お子さんのモチベーションを上げてあげることだけに注力してあげてください。
頭では分かっていても、つい「なんでできないの!」と言ってしまうようなこともあると思います。ですが、子ども自身もできないのはつらいはずなのです。親はあくまでサポーター。子どもの最大の理解者であり、応援者であることをお子さんに伝えてあげましょう。
次回は、転塾活動から、受験直前まで通うことになる塾について書いていきたいと思います。
気になる方は、是非こちらもチェックしてみてください。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。